Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/4c7598b911029797a6dcbf9c5d1787567bf1ca70
ジョー・バイデン米大統領が26日(現地時間)、情報当局に対して新型コロナウイルス感染症の起源(発生地)について90日間の再調査を指示した。米国国内における新型コロナ中国・武漢起源説は、特に「武漢ウイルス研究所流出説」が相次いで取りざたされている中、事実上、中国を念頭に置いた調査を指示したものだ。中国政府は「中傷謀略」「責任転嫁」と反発した。中国は、米陸軍感染症医学研究所「フォート・デトリック」(米メリーランド州)で新型コロナが発生した可能性も主張している。 ■「アジア・パワー指数」1位は米国、韓国7位…日本は? バイデン大統領は同日、ホワイトハウスを通じて発表した声明で、「今年3月、情報当局に『感染した動物と人の接触』または『実験室での事故』由来かどうかを含め、新型コロナの起源に関する最新の分析報告書を準備してほしいと頼んだ」「今月初めに報告書を受け取ったが、この問題に対する確実な結論には至っていない」と述べた。バイデン大統領はさらに、「(報告書によると、)2つの情報機関は『動物媒介感染』の方に傾いていたが、1つの機関は『研究室での事故』の方に傾いていた」「我々が確実な結論により近づくことができよう、情報当局に対し、情報を収集・分析するための努力を倍増(redouble)させ、90日以内に再度報告するよう要請した」と明らかにした。バイデン大統領はこの声明で、中国の「武漢ウイルス研究所」の名前を具体的には挙げていないが、「実験室での事故」に言及しており、ウイルス流出の可能性を排除していない。
このような発表をした背景について、ホワイトハウスは「新型コロナで約60万人の米国人が死亡しているだけに、新型コロナの起源をよりよく知り、パンデミック(感染症の世界的大流行)を予防しなければならない」と説明した。中国を狙ってのことではないという意味だ。しかし、同日のバイデン大統領の声明には「中国に関する具体的な質問」が追加調査対象に含まれるべきだという部分があった。また、「米国は、中国が完全かつ透明で、証拠に基づいた国際調査に参加し、あらゆる関連データと証拠に対するアプローチを許すよう中国に圧力をかけるため、同様の思考を持つ世界のパートナーたちと引き続き協力していくだろう」という言葉もある。中国が敏感になっている新型コロナ起源問題で、中国に対し共同戦線を張るということだ。 バイデン大統領は再調査をすると明らかにした声明で、「中国」という単語を3回挙げた。全体的なムードも中国の責任を追及するというものだった。また、国立研究所などほかの政府省庁にも情報当局の調査を手伝わせ、議会に調査内容を知らせると言った。 新型コロナが武漢ウイルス研究所から流出したと最初に主張したのはトランプ前政権だ。しかし、具体的な証拠を提示したことはなく、米民主党周辺には「トランプ政権は対中攻勢のため、根拠のない主張をしている」という批判があった。それにもかかわらず、バイデン大統領がこうしたムードを覆す再調査を指示し、公式声明に「実験室での事故」という表現を入れたのは、米情報当局がこれと関連して、かなり蓋然(がいぜん)性のある情報を持っている可能性を示唆している。「確証」を得るために再調査に着手したとも見ることができるのだ。
バイデン政権がこうした「全面調査」の方針を明らかにすると、中国はすぐさま反発した。駐米中国大使館は同日、報道官名義の声明で、「中傷謀略と責任転嫁が再び始まった。『実験室からの流出』という陰謀論が再び登場した」「科学的問題である起源追跡を政治化することは、ウイルスの起源確認をより困難にするだけでなく、(中国のせいにするという)『政治的ウイルス』をばらまき、パンデミックに対する国際協力を深刻に妨害する」と述べた。 さらに、駐米中国大使館は「人類の健康に対する責任感から、我々は世界全域で発見された初期新型コロナ事例の包括的な研究と、世界の一部の秘密基地と生物学研究所に対する徹底的な調査を支持する」としている。このうち「秘密基地と生物学研究所」とは、米メリーランド州のフォート・デトリック米陸軍感染症医学研究所を暗示している。 中国外務省の趙立堅報道官も27日の定例記者会見で、「『中国実験室流出説は不可能だ』という結論がWHO合同調査チームの報告書の中にはっきりと書かれている」「米国の一部の人々は事実と科学を完全に無視しており、(ウイルス)起源に関して、自分に向けられた疑惑を無視したまま、中国を再調査しろと騒いでいる」「米国は、全世界200カ所に生物実験室を保有しているが、そこにどれだけ多くの秘密を隠しているのか」と米国の研究室に対する疑惑を取り上げた。 このように神経戦が繰り広げられている中、中国の習近平国家主席は中国の新型コロナ防疫貢献を強調している。習主席は26日、ネパール、モンテネグロ、スペインの首脳と相次いで電話会談し、医療物資やワクチンなどの防疫支援を約束した。
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