伊万里市の「いまり山岳会」とネパール警察の合同登山隊が、ヒマラヤ山脈の未踏峰、チャオヒマール(7080メートル)の登頂に成功した。ヒマラヤの未踏峰制覇は佐賀県の山岳団体では初めての快挙だった。
 登頂したのは現地時間の13日午後1時10分。井本重喜隊員=当時、同市南波多町在住=らアタック隊が最終キャンプを出発し8時間がたっていた。頂上は快晴で、紺碧(こんぺき)の空と白銀の峰々が広がっていた。
 いまり山岳会は1984(昭和59)年にヒマラヤのメラピーク(6654メートル)に登頂。その時の縁でネパール警察との合同隊編成が実現した。地方の小さな山岳会がヒマラヤの未踏峰に挑むのは異例のことで、現地へ出発する前から注目を浴びた。遠征には佐賀新聞の記者も報道隊員として同行した。
 当時は通信技術が今ほど発達しておらず、県民は登頂成功を5日後の本紙1面トップ記事で知った。「山に人生をかけていた」と総隊長を務めた岡崎正伸さん(77)=同市新天町。山岳会は2014(平成26)年3月に解散した。(新元号まであと200日)