Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/c4147c1daeee3b4345e3e1d379bf070fbaba9873
新型コロナウイルスの長期化で、生活に困窮する外国人留学生が増えています。留学生の就職支援などに取り組む一般社団法人「YOU MAKE IT」(福岡市)が6日、福岡市内で留学生らに食料を無償配布しました。「貯金が1000円しかない」「バイト代の2万円で生活している」「航空チケットが高くて帰国できない」。配布会場を訪れた外国人のSOSに耳を傾けました。(福岡ふかぼりメディアささっとー編集部 山根秀太) 【写真】外国人留学生が次々に来場し、会場には保健師も常駐
食べることもままならない
食料の無償配布は、YOU MAKE ITが協力企業から支援物資の提供を受けるなどして実施。事前に行った留学生へのアンケートでは、回答した約半数がコロナ禍で生活が困窮し、食べることすらままならない状況に陥っていることが分かったそうです。 配布会場となった福岡市博多区の「冷泉荘」には、ベトナムや中国、モンゴル、インドネシア、ネパールなどから来日した留学生や元留学生ら約40人が訪れました。彼らに話を聞きました。
バイト代2万円、生活ムリ…
IT系の専門学校に通っているモンゴル人の男性(25)は「居酒屋のアルバイト収入が月に9万円くらいあったのに、緊急事態宣言で店は休業中です。印刷会社で短期バイトも始めたけど、収入は2万円くらい。生活はムリです」と打ち明けます。ITエンジニアとして就職が決まっていますが、入社する来年春までの生活費のめどが立たないと語ります。また、同じくモンゴル人の女性は「貯金があと1000円しかない。家賃が払えない」と窮状を訴えました。 4年制大学に通う中国人の女性(23)は、コンビニのバイトがシフト減で激減。医薬品メーカーで働く夢を持って来日し、来年春に卒業を控えますが、「もう帰国したい。でも、飛行機のチケットが高くて買えない」と力なく話しました。 専門学校で接客サービスを学ぶネパール人男性(23)は、社会福祉協議会などから当面の生活費として数十万円を借りたと明かし、「バイトが減って月4万円くらいしか稼げないから、食べるのを減らすしかない。お金も返さないといけないから不安です」と切実でした。 4年制大学に在学し、日本語能力試験の最難関「N1」を取得しているベトナム人の女性(25)はコロナ禍のさなか、激しいめまい発作に見舞われる「メニエール病」を発症して一時入院。再発の不安を抱えながら、学業とアルバイトの両立に苦心しています。来日した理由を聞くと「ベトナムであった日本のお祭りを見て日本が好きになりました。将来は通訳として働きたい」と語りました。
困窮はエリート留学生にも拡大
YOU MAKE ITの代表理事・楳木健司さんは「外国人留学生は雇用の調整弁にされやすい上、就業時間に上限があって稼ぎは元から少ない」と指摘。コロナ禍以降、それまであまりなかった4年制大学の留学生の相談が増えているそうです。「日本語学校や専門学校の留学生は日本語ができるのでアルバイト先が見つかりやすい。一方、研究目的で来日した英語しか話せないエリート層が帰国・就職できずに困窮するケースが増えています」 出入国在留管理庁によると、昨年12月の時点では、コロナ禍の影響で帰国が困難な元留学生は全国で約9400人いました。 福岡県と福岡市の外国人向け生活相談窓口には400件を超える新型コロナ関連の相談が寄せられています。「アルバイト先を解雇された」「家賃を払えず、退去を求められている」など生活困窮の訴えが多く、「ワクチン接種はどうすればいいのか」といった戸惑いの声もあるといいます。 楳木さんは「数万円のアルバイト収入を命綱にしている留学生は、家賃や光熱費、通信費といった固定費を払うと、必然的に食費を削らざるをえない。彼らはコロナ禍で必死に闘っていますが、状況は日に日に悪化しています。希望を持って来日した彼らへの生活サポートが急がれます」と訴えます。団体では引き続き、外国人留学生への食糧支援を検討しています。
読売新聞
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