2018年8月8日水曜日

“留学ビザ”でも目的は“労働” 増え続ける外国人留学生たちのシビアな現実〈AERA〉

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180803-00000036-sasahi-pol
8/6(月) 、ヤフーニュースより

 安倍政権は外国人労働者の受け入れ拡大に向けて動きを早めている。7月24日に最初の関係閣僚会議を開いた。年内に対策をまとめる方針だ。だが、現実は、はるかに先をいく。そして、深刻な人手不足が拍車をかける。
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 視界に入る外国人の姿を点で結び、地図なしで会場に着いた。7月18日、東京・新宿であった外国人留学生向けの専門学校進学相談会(東京都専修学校各種学校協会<東専各>主催)には1430人が参加した。この時期は同様のイベントが各地であり、日本語学校に通う外国人留学生でいっぱいだ。日本語学校は最長2年間だが、日本企業が求める日本語能力を非漢字圏の学生が身に着けるのは難しい。専門学校や大学に進学してさらに日本語能力を伸ばし、就職を目指す。東専各事務局長の真崎裕子さんは話す。

「多くは中国、韓国、台湾でしたが、2014年あたりからベトナム、ネパールの留学生が増えています」

 7月、群馬県の専門学校を訪ねた。

 大学全入と言われる時代に直近5年間で学生数が23倍、入試倍率は1.5倍だ。群馬県庁の目と鼻の先に校舎を構えるその学校の名前は、NIPPONおもてなし専門学校(前橋市)。実習中心にホテルや介護現場で学ぶおもてなし学科に、今年から和食を学ぶおもてなし調理学科が加わった。

 13年4月に開校し、現在の学生数は553人。日本人の学生は一人もいない。国籍別に見ると、ベトナム人が202人、ネパール人が189人、スリランカ人が84人など、合計16カ国からの学生が共に学んでいる。

 学生募集担当の高山浩貴さんは「日本人のなかでも群馬県の知名度は低いのに、外国人が知っているはずがない」と自嘲するが、なぜこれだけの外国人留学生が群馬に集まるのか。鈴木良幸校長は迷いなく即答した。

「彼らの目的は日本で働くこと。その意志に応える教育がここにある。就職という出口を準備することが重要だ」

 授業を見学すると、日本文化やパワーポイントの使い方を教えるクラスや、調理実習や採用面接のシミュレーションをするクラスなど、就職を意識した授業内容が組まれている。今春卒業した同校の就職希望者115人のうち、107人は内定を獲得したという。

 おもてなし専門学校の学生は皆、日本語学校の出身者だ。今年度入学した345人の内訳は群馬県内の系列の日本語学校から100人、残りは他府県で、沖縄からの入学者もいる。07年から外国人労働者問題を取材するジャーナリストの出井(いでい)康博さんはこう話す。

「15年には奄美大島、16年には佐渡島、17年には東京都奥多摩町に日本語学校、今年は岡山県瀬戸内市に外国人留学生をターゲットにした専門学校も開校した。瀬戸内は自分の生まれ故郷だが、カキの養殖現場や漁網を編んだり、田舎は田舎で人が足りない。廃校になった校舎の再利用や空き家対策もできるとあって、地域活性化という名のもと外国人留学生の受け入れが進んでいる」
●7割は借金を背負って来日、富裕層は英語圏を選ぶ

 人手不足はもはや全国的な問題だが、日本語学校は13年の467校から17年の643校にまで増加。留学ビザを取得した外国人は同期間で約19万人から約31万人に増えた。なぜか。

 そこに、留学ビザの資格外活動として認められている週28時間のアルバイトがあることは間違いない。

 ベトナムの首都ハノイにある日本語学校を経営するベトナム人男性に接触した。日本国内のベトナム人数は12年に比べ約5倍と他国を圧倒している。ハノイには現在、日本語留学ブームで350校ほどの日本語学校があるという。男性は「ベトナム人が日本に留学に行く目的は仕事」と断言し、こう続けた。

「2、3年前までは日本に行けば月30万、40万円稼げるなどと煽って、借金をさせてでも留学生をとにかく送るブローカーが多かった。日本の日本語学校から1人当たり約10万円のコミッション(紹介料)をもらえるからね。だけど、田舎の若者でもスマートフォンを持つ時代。今はSNSですぐに留学生からの生の情報が出回り、うそはばれる。留学ビザでは週28時間しか働けないこともわかっている」

 週28時間、金額にすると月10万円ほど。それでも、日本への留学を希望する若者は後を絶たない。

「ベトナムは大卒の初任給が日本円で月3万円弱。30万円は稼げなくても、まだまだ魅力はある。週28時間を超えて働く人がいることも知っている」

 日本を目指すのは、

「高校を卒業した、地元で仕事がない若者が大半です。7割は借金を背負って留学に行く。富裕層はカナダやオーストラリアなど英語圏へ留学します」

 留学ビザを取得するには銀行の残高や親の収入を証明する書類が必要だ。あくまで「留学ビザ」で、働くことは前提としていない。

「親の職業は農民だけど銀行員と書く。銀行員にわいろを渡し、入国管理局からの電話に対応するよう伝えておく。そうしたことがまだまだまかり通る。書類も、いくらでも偽造できる」

 ベトナム同様に日本への留学生が増えるネパールの日本語学校関係者からは、こんなエピソードを聞いた。

「日本から技能実習を拡大するというニュースが流れた瞬間、日本語学校から学生も入学希望者も消えた。技能実習制度であれば、日本語学習や渡航の費用を自分で負担しなくてすむ。要は、誰も日本語を勉強したいわけじゃなく、日本で働くことが目的なんです」

 取得するのは留学ビザでも、目的は出稼ぎ。学校側も授業料が入るのだからと、それを「黙認する」と語るのは、都内の日本語学校幹部だ。

「日本政府は08年、『留学生30万人計画』をぶち上げ、さらには11年の東日本大震災で多くの留学生が国に帰っていったため、入国しやすくなったと考えている関係者も多い」

 政府としても計画に近づくなら出稼ぎ目的でも多少は目をつぶるということなのか。この「不都合な真実」への甘えに深刻な人材不足が拍車をかける。
●留学ビザで単純労働に従事、温泉街の宿で正社員に

 ベテラン日本語教師の女性は今年に入り、日本語学校を新設しようとする四つの団体から電話を受けた。

「二つは病院関係で、残る二つは介護施設でした。話を聞くと、日本語学校を入り口にして外国人留学生を集め、労働力として使いたいだけでした」

 必要なのは単純労働。だけど、そんなビザはないから、留学ビザで来日してもらう。人材派遣会社や建設会社などが母体の新設校のなかにはそんな思惑のケースも少なくない。日本語学校には運送会社の仕分けバイトの募集広告が必ず貼ってある。コンビニで外国人を見ることも珍しくなくなった。コンビニ弁当の工場やホテルのベッドメイキングなど、もはや単純労働は外国人なしでは成り立たないという。

 7月、記者は前出のおもてなし専門学校の学生たちが通うアルバイト先を訪ねた。群馬県内のクリーニング工場では、インドネシア人のイマニュエルさん(22)が洗濯物の仕分け作業をしていた。平日4時間、土曜日8時間と週28時間働く。同社のスタッフは、「同じ条件で求人を出していたが、日本人がとれなくなった。今は留学生がいなければ仕事が止まります」。

 群馬を代表する温泉街である伊香保温泉の晴観荘(渋川市)では、おかみの茶木(ちゃき)万友美さんに話を聞いた。

「人手が足りなくなったら、もうハローワークではなく、日本語学校に電話します。3、4年前くらいから、ハローワークに求人を出しても人がこない」

 同旅館の従業員はアルバイトを含め18人。6人が留学生で、そのうち3人は正社員になった。日本人と差はつけず、基本給は17万円にした。

「まだ言葉の問題はありますが、仕事ぶりが一生懸命なので。お客さまからクレームが来ることはありません。将来的には幹部になってほしい」

 おもてなし専門学校が新しくキャンパスを開いた人口約3800人の高山村(群馬県吾妻郡)にも足を延ばした。後藤幸三村長は村の活性化に期待を示す一方、「学生に十分なアルバイト代を与えられるかどうか。村の農家と話し合いを続けている」と不安を見せた。同村の牛舎を訪ねると、スリランカ人のラディさん(28)が搾乳作業のアルバイトをしていた。こうした仕事も外国人留学生に支えられている。

 留学生たちも支えているばかりではない。週28時間の上限を無視して働き、学校は寝るためにくるという学生もいる。新設校のなかには「学生が入れば後は知らない」というところもある。
●在留期間を区切ることで、「移民政策をとると考えない」

 日本語学校同士もバラバラだ。かつて日本語学校の審査・認定は日本語教育振興協会(日振協)が行ったが、民主党政権時の事業仕分けで許認可権が法務省に移った。日振協の佐藤次郎理事長はこう話す。

「認定した学校を3年ごとに再審査する制度まで廃止されるなど、チェック機能が弱まった。現在、日振協に加盟する教育機関は法務省が告示した学校の半分に満たない。新設校と学校運営のノウハウなどを共有する場所もなくなり、横の連携が切れた」

 もっとも、日本語学校と書いてきたが、各種学校の分類に入る「私塾」に過ぎず、補助金をもらっているわけでもない。仮に一部の国の学生が取れなくなれば、出稼ぎだけが目的だと分かっていても、他の学生を入学させて経営を安定させようとするのが世の常だ。そもそも、零細企業が多い日本語学校に、外国人の受け入れを丸投げしてきたことがおかしい。国と地方自治体に責務があると初めて明記した「日本語教育推進基本法」の成立を目指す、超党派の「日本語教育推進議員連盟」会長代行の中川正春元文部科学相は、

「安倍政権は移民という言葉自体を認めず、外国人を労働力としか思っていない。好き嫌いにかかわらず、外国人は日本に入ってくる。外国人を受け入れる社会基盤の準備が必要だ」

 その上で日本語学校について、

「出稼ぎ目的でくる人、進学を目指す人、日本語学校への留学目的がいろいろ。類型化が必要だ」

 と語る。安倍首相は6月に決定した「骨太の方針」で外国人労働者の受け入れに大きく舵を切ったが、在留期間を区切ることなどから「移民政策をとる考えはない」と明言している。一方、国連が定義する移民は「通常の居住地以外の国に移って少なくとも12カ月以上居住する人」とあり、増え続ける外国人留学生もこれに該当する。

「安倍さんを強固に支持する右側の支持者の手前、移民とは言えない」(閣僚経験者)

 ここにも不都合な真実があるようだ。(編集部・澤田晃宏)

※AERA 2018年8月6日号

田村市、ネパールの事前キャンプ地に 東京五輪・パラ 協定書を締結

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180804-00001053-fminpo-l07
8/4(土) 、ヤフーニュースより
 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックに出場するネパールのホストタウンに認定されている福島県田村市は三日、ネパールオリンピック委員会(NOC)と一般社団法人アスリートソサエティ(AS)との三者間で協定書を締結し、東京五輪に向けたネパールの事前キャンプ地に正式決定した。 
 協定書には、ネパール陸上チームの田村市での事前キャンプ実施、同国陸上選手の強化、継続的なスポーツ・文化交流の実施が盛り込まれている。 
 協定締結は元陸上男子四百メートル障害五輪代表でAS代表理事を務める為末大さんがNOCスポーツ親善大使を務めている縁で実現した。元マラソン女子日本代表の中村友梨香さんが特別コーチとして東京五輪を目指すネパールのマラソン選手やコーチ陣を支援する。 
 調印式はネパール・カトマンズで行われ、皮籠石直征副市長、ジーバン・ラム・シュレスタNOC会長、青木崇行AS事務局長が協定書に署名した。 
 本田仁一市長は「交流や合宿を通じ、田村市とネパールの友好関係を築いていきたい」、シュレスタ会長は「田村市やアスリートソサエティの協力を得ながら競技力向上に努める」、為末さんは「日本の子どもたちとネパールの選手の可能性が拓(ひら)かれることを目指したい」とコメントした。 

元女子マラソンの中村友梨香氏、ネパール特別コーチ

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180803-00288950-nksports-spo
8/3(金) 、ヤフーニュースより

 福島県田村市が3日、2020年東京オリンピック(五輪)に参加するネパール陸上チームの事前キャンプ地に決定したと発表し、2008年北京五輪の女子マラソンに出場(13位)した中村友梨香氏(32)が特別コーチとして同国をサポートしていくことも明らかにした。

 田村市、ネパール五輪委員会(NOC)、一般社団法人アスリートソサエティ(AS)の3者による調印式が同日に同国の首都カトマンズで行われた。協定では、事前キャンプを田村市で行うこと、同国陸上選手の強化を行うこと、継続的にスポーツ・文化交流を行うことが合意され、東京五輪に向けて3者間で交流や協力をしていくことを確認した。

 今回の協定締結は、AS代表理事を務める為末大氏がNOCスポーツ親善大使として同国で陸上クリニックを開催してきたことを契機に、事前合宿受け入れ地である田村市との調整を経て実現した。

 また、NOCはマラソンチームの強化を希望していることから、ASを通して中村氏が特別コーチとして東京五輪を目指すマラソン選手や、同国代表のコーチ陣をサポートすることになった。

 田村市の本田仁一市長は「東京五輪パラリンピックは復興五輪という位置付けであり、これまでの世界各国からのサポートにお応えする機会と捉えています。一方で、ネパールも2015年の大地震からの復興に向けて、作業が一歩一歩前に進んでいます。今回、少しでもネパールの復興を後押しできるよう、五輪に関わる交流や事前合宿を通じ、代表チームをサポートするとともに、文化交流なども含め、2020年以降も、田村市とネパールの友好関係を築いていきたいと考えています」とコメントした。

 そして今回の調印式に同行し、ネパールマラソン代表チームの特別コーチとなった中村氏も意気込みを語った。

 「私は現在、アスリートの競技力向上の為に私の経験してきた事を伝えたいと思い活動しています。今回田村市の東京五輪事前合宿事業を通じて初めて海外のアスリートに関われる機会をいただき大変うれしく、私にとっては難しいチャレンジだと感じています。2008年北京オリンピックに出場しました。あの場で戦えるアスリートはごくわずかです。五輪を目指す中で多くの失敗や成功をたくさん経験しました。私がオリンピックを目指し競技生活を送った中で一番よかったと思うことは、人生で本気で何かに打ち込んだことがあるからこそ得られた“困難に立ち向かう力”を身につけることができたことです。それは競技をやめた今でも残っています。このような私が感じたスポーツ・オリンピックの価値をネパールのアスリートや田村市の子供たちに伝えられたらと考えています」

 五輪で培った心と体で両国の架け橋となることを誓った中村氏は、さっそく4日にはネパール市内の競技場で陸上選手へのクリニックを行う。

これからどうなる? ニッポンの外国人:世界第4位の外国人労働者受け入れ大国

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180801-00010000-nipponcom-soci&p=2
8/1(水)、ヤフーニュースより
芹澤 健介

コンビニから日本の外国人労働問題を見つめた話題のルポルタージュ『コンビニ外国人』の著者が、日本人と外国人のあり方を問う。
いま日本に外国人が増えている。

京都の情緒、北海道の大自然、六本木や秋葉原のけん噪を楽しむ観光客の話ではない。――日本で生活する外国人のことだ。

日本で暮らす外国人の数は2017年末の時点で250万人を越えた。これは法務省が統計を取り始めてから過去最高の数値であり、前年と比べても約18万人増えたという。都内に限っていえば、いまでは20代の10人に1人が外国人という割合だ。

街を見渡すと、ドラッグストアやファミリーレストラン、ハンバーガーショップ、牛丼チェーンなどなど、さまざまな場所で働く外国人の姿であふれている。とくに都内のコンビニは、外国人スタッフだけで営業している店舗も少なくない。実感でいえば、ほんの2、3年で急激にこうした状況になった印象だ。

彼らの出身地もまたさまざまである。中国をはじめ、韓国、ベトナム、ネパール、スリランカ、ウズベキスタン、タイ、ミャンマー、インドネシア……。コンビニなどで働く彼らは、ときにNHKの国際放送で働く同僚のアメリカ人よりも流ちょうな日本語を使う。

「お箸は何膳にいたしますか?」

「お支払いは一括でよろしいでしょうか?」

「袋は(温かいものと冷たいものを)別々にしますか?」

もちろん世界的に見れば、日常的に外国人が多いという状況は珍しいことではない。だが、日本政府は、「断じて移民政策はとらない」と明言しているのだ。難民についても、昨年認定されたのはわずか20人である。これはいったいどういうことだろうか。

政府が掲げる政策と実態に大きなねじれがあるのだ。そして、その根底には日本が大好きないわゆる「タテマエとホンネ」の文化が横たわっているように思える。
100万円の借金を背負って来日する留学生
コンビニで働く外国人のほとんどは、アジア諸国の中流階級出身の留学生である。

政府はこの10年間、「留学生30万人計画」を掲げてきた。すでに当初の目標値を超え、留学生の数は31万人となっているが、このプロジェクトは、もともとは“日本をより開かれた国とし、学習環境の整った日本で学んでもらうことで、人的交流を活性化させよう”というもの。

ねじれの一端となっているのは、政府が彼らにアルバイトを認めていることだ。留学生は、法に則りながら、「原則的に週28時間までのアルバイト」は許されているのである(「原則的に」というのは、夏休み期間などは週40時間のアルバイトが認められるため)。

世界的に見ると、この制度はかなり緩い。たとえば、アメリカやカナダなどは、学生ビザでは原則的にアルバイト不可というのはご存じの通り。

つまり、彼らは、留学生であると同時に、一方では労働力としても期待されているのである。背景には日本の人口減に伴う深刻な人手不足がある。実際、留学生の9割以上が何らかのアルバイトに携わっている。

コンビニなどで働く留学生のほとんどは、日本語学校に籍をおいているが、彼らは入学金や授業料などで100万円近くを前払いする必要があり、その多くが借金を背負って来日しているという。

しかし、原則28時間という労働時間を守っていたのでは、生活費を賄うのがやっとだ。中には借金を背負ったまま、帰国する留学生も少なくない。日本政府はこうした状況を知りながら、手を差し伸べるのでもなく、「では、さようなら」と手を振るばかりだ。

日本語学校を卒業して大学まで通い、日本で就職したいと願う留学生たちも、3割程度しかその夢を叶えることができない。

「『ガイジンは苦手』と言ってる場合じゃない」
一部には、彼らを「出稼ぎ留学生」と呼ぶ声もある。たしかにそういう人も中にはいるだろう。そのような「出稼ぎ留学生」が日本人の雇用を奪っているという声も聞かれる。

しかし、実際は逆だ。現場では人手が足りず、日本人の穴を外国人が埋めているというのが真実である。

ユネスコの「無形文化遺産」に登録された和食もいまや外国人の労働力なしには成り立たない。コンビニに並ぶおにぎりや総菜は外国人が売っているだけでなく、製造工程においても多くの外国人の労働力に支えられているのである。深夜の食品工場を見れば、外国人の割合が高く、和食に欠かせないだしの元となるかつお節やコンブの加工工場、さらには漁船にもいまや技能実習生が乗っている。もちろん農家でも多くの実習生が働いている。

おそらく多くの日本人がそうした事実を知らなかったはずだし、いま、ようやくその状況に気付いたところだろう。「日本に移民はいない」と思っていたのに、気付けば250万人もの外国人がすでに日本で暮らしているのである。

OECDの発表では、日本はすでに世界第4位の外国人労働者受け入れ国だそうだ。

さらに、政府は新たな在留資格創設による外国人労働者の受け入れを目指して、関係閣僚会議を設置。安倍晋三首相は「即戦力となる外国人財を幅広く受け入れていく仕組みを構築することが急務だ」と述べている。

地方でも外国人との共生に取り組む自治体が増えはじめている。2010年から多文化共生推進プランを押し進め、外国人を積極的に呼び込んでいる自治体のトップランナーのひとつ、広島県安芸高田市の浜田一義市長はこう言っていた。

「今後、ウチのような過疎の自治体が生き残っていく道は世界中に外国人のファンを作ることだ。『ガイジンは苦手』と言ってる場合じゃない。多文化共生は私たちの必修科目です」

いま、外国人との関わりにおいて、日本が新しいフェーズに入りつつあることは間違いない。

2018年7月31日火曜日

コンビニで外国人店員急増 留学生がバイトに精を出す理由

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180726-00000004-pseven-soci
7/26(木)、ヤフーニュースより
 私たちの生活に身近な外国人労働者といえば、コンビニの店員だろう。全国のコンビニで働く外国人は、大手3社(約5万店舗)だけで4万人を超えた(2017年)。特に首都圏では、日本人店員をほとんど見かけない店舗すらある。彼らの多くは、現地の日本語学校や留学斡旋業者を経由して来日した留学生だ。だが、留学先の日本語学校には問題が多い。『コンビニ外国人』を上梓した芹澤健介氏が解説する。
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「留学ビザ」で在留しているコンビニ外国人たちは、無制限に働けるわけではない。「出入国管理法(出入国管理及び難民認定法)」で「原則的に週28時間まで」と上限が決まっている(夏休みなどは週40時間)。実はこの規制は世界的に見ると相当ユルい。アメリカやイギリスでは学生ビザでのアルバイトは原則禁止。カナダやフランスでは週20時間程度までだ。
 日本で学ぶ留学生たちはほとんどが週28時間を超えて働いていると暗に教えてくれる子がいた。コンビニを掛け持ちすれば、法定時間以上働いてもバレることはほとんどないそうだ。
 なぜ、彼らはそうまでしてバイトに精を出すのか。規定通り、週28時間働けば時給1000円として1か月で11万円を超える稼ぎとなる。が、これでは生活するのがやっと。実家から仕送りをもらっているのでなければ、学校の授業料のほか、家賃、光熱費、食費などの生活費を稼ぐ必要がある。さらに、来日時に留学斡旋業者から100万円超の借金をする場合が多く、その返済にも追われる。
 留学先の多くを占める日本語学校にも問題が多い。まず挙げられるのが授業料の高さだ。1日あたり3、4コマの授業のために年間70万~80万円を支払う。日本語学校には教員1人に対して生徒を40人以下にしなければならない決まりがあるが、学校によっては100人以上と、教育機関の体をなしていない学校もある。コンビニなどでの長時間勤務で疲れ果てた留学生たちが、授業中に寝ている光景は珍しくないそうだ。
全国の日本語学校は去年より80校増えて、今では643校になった。この5年間で200校以上増えている。目立つのは、異業種からの参入だ。不動産会社や健康食品会社のほか、珍しいところではビル清掃会社まである。傘下の日本語学校に留学生を集め、アルバイト先として本業であるビル清掃の仕事を斡旋しているという。人手不足を解消するために日本語学校を設立するという、本末転倒の現象が起きている。
 一部の日本語学校は、海外にある日本語学校、ブローカーなどと複雑につながっている。日本で学びたい(働きたい)若者に借金を背負わせ、「留学生」の名目で送り込むという、搾取の構図を作り上げている。
 ベトナムを取材した折、現地の安宿で働く若い女性から、その宿のオーナーがベトナムの日本語学校と日本の日本語学校をつなぐブローカーであると耳打ちされた。その宿には日本人ブローカーも多数集まるらしく、女性が「あの人が」と教えてくれた日本人は、いかにもその道の人という風貌であったため、身の危険を感じて取材を断念した。
 こうした“国際貧困ビジネス”がまかり通る筋道は、政府が示しているともいえる。なにしろ日本政府は、2008年に13万人程度だった留学生を2020年までに30万人に増やす計画をぶち上げ、日本語学校に補助金を出してきている。その結果、昨年末の時点で留学生は31万人まで増えているのだから。
 日本人の働き手が減っているのにコンビニの店舗数は増え続けているため、コンビニの人手不足は深刻だ。私が取材した沖縄のネパール人留学生はコンビニのオーナーから給料以外に1万~2万円のお小遣いをもらい「辞めないでほしい」と懇願されるという。
「コンビニに行けば安価な食べ物や飲み物がいつでも手に入る」という便利な生活は、外国人に支えられていると言って間違いない。
【PROFILE】芹澤健介(せりざわ・けんすけ) 1973年、沖縄県生まれ。横浜国立大学経済学部卒。ライター、編集者、構成作家。コンビニを軸に日本の外国人労働者の現状をレポートした近著『コンビニ外国人』(新潮新書)が話題。
●取材・構成/岸川貴文(フリーライター)
※SAPIO2018年7・8月号

コンビニ店員20人に1人が外国人 大手3社だけで4万人超

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180724-00000003-pseven-soci
7/24(火) 、ヤフーニュースより
 私たちの生活に身近な外国人労働者といえば、コンビニの店員だろう。特に首都圏では、日本人店員をほとんど見かけない店舗すらある。ここ数年はその国籍も多様になってきている。彼らはどんな事情で来日し、なぜコンビニで働いているのか。『コンビニ外国人』を上梓した芹澤健介氏が解説する。
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 レジで向かい合った客が記入する宅配便の伝票の住所(漢字)を反対側から判読し、即座にレジに打ち込む。百種を超えるタバコの銘柄を、略称まで覚える。客が支払いに使う電子マネーがどのタイプかを瞬時に判別してレジを操作する私が取材したコンビニで働く外国人たちはそんな業務を難なくこなしていた。
 学生だった二十数年前、コンビニのバイトの採用面接で「暗い」と言われて不合格になった私からすれば、そこに採用されただけで彼らは尊敬の対象だ。しかも、慣れない日本語を学びながら働いているのだから、たいしたものだと思う。
 全国のコンビニで働く外国人は、大手3社(約5万店舗)だけで4万人を超えた(2017年)。全国で均(なら)すとスタッフ20人のうち1人が外国人という数字である。
 私がこれまで取材してきた「コンビニ外国人」のほとんどは留学生で、日本語学校の生徒がその多くを占めていた。特に首都圏、中でも山手線中央線沿線の店舗に多い。彼らは来日直後から2年目ぐらいの留学生たちで、その国籍は実に多様だ。中国、韓国はもとより、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、ネパールなどの東南アジア、南アジアが多いほか、ウズベキスタン人が目立つ地域もある。
 2011年の東日本大震災直後はコンビニ外国人も激減したが、2012年頃から中国人や韓国人たちが戻り始め、ここ数年は東南アジアや中央アジアからの留学生がぐっと増えた印象だ。
 彼らの多くは、現地の日本語学校や留学斡旋業者を経由して、日本に留学している。学校に通いながら、アルバイトとしてコンビニで働くのだ。彼らがアルバイト先にコンビニを選ぶ理由を聞くと、ある程度覚えてしまえばオペレーションが比較的単純であることや、仕事を通じて日本語がうまく話せるようになることのほか、「廃棄弁当をもらえるので食費を浮かせられる」といった声も聞かれた。先輩の留学生からコンビニを勧められることも多いようだ。
積極的に、外国人スタッフを“育成”するコンビニもある。
 ローソンはベトナムと韓国に計5か所の研修施設をつくり、レジ打ちや接客など、店舗作業の事前研修を行っている。ローソンの店舗スタッフ向けに人材派遣業務を請け負っている関連会社・ローソンスタッフでは、日本に来た留学生に対して最低30時間以上の実地研修を行いながら、日本語能力に応じて職場を紹介するという。ローソンはベトナムで2009年から奨学金制度も始めている。
【PROFILE】芹澤健介(せりざわ・けんすけ)●1973年、沖縄県生まれ。横浜国立大学経済学部卒。ライター、編集者、構成作家。コンビニを軸に日本の外国人労働者の現状をレポートした近著『コンビニ外国人』(新潮新書)が話題。
●取材・構成/岸川貴文(フリーライター)
※SAPIO2018年7・8月号

2018年7月23日月曜日

留学生、福岡経済潤す 波及229億円、屋台の4倍 市外郭団体16年度試算

Source:https://www.nishinippon.co.jp/feature/new_immigration_age/article/434793/
日本語学校や専門学校で学ぶ留学生を福岡市で受け入れる経済波及効果が年間約229億5千万円に上るとの試算結果を、市の外郭団体「福岡アジア都市研究所」がまとめた。福岡名物となっている屋台の約4倍、福岡マラソンの9倍以上に当たるという。政府は外国人労働者の受け入れ拡大へとかじを切る方針で、少子高齢化がより進む地方経済界でも「移民」への関心が高まりそうだ。
 2016年度を対象にした試算で、福岡市では約6300人の留学生が日本語学校や専門学校で学んでいた。約9割がアルバイトをしている計算で、商品・サービス供給面での効果は66億5500万円。需要面は校納金(約95億円)や生活費などの総消費支出(約65億円)で、計約229億5千万円の経済波及効果があったとされる。
 市によると、福岡マラソンの経済波及効果は約25億円(15年推計)、観光資源でもある屋台は約53億円(11年推計)。試算をまとめた報告書は「外国人材の職業教育機能を拡充し、都市の成長、活性化の一要素としていくことは、福岡市だけでなく日本経済にとって重要」と提言する。
 一方で、同研究所は福岡市で急増するベトナム人やネパール人などの留学生にアンケートを実施。計269人の回答を分析した結果、1週間の平均就労時間がベトナム人は32・8時間、ネパール人は34・3時間で入管難民法の就労制限(週28時間)を超えていた。留学目的として「お金を得るため」を挙げる回答も目立った。
 留学生がアルバイト漬けで勉強できず、日本語や技能の習得が不完全になった結果、就職の内定を得ても専門学校の専門と異なり、在留資格を得られなくなってしまう人も少なくない。今回の試算には違法状態で働く「出稼ぎ留学生」の経済波及効果も含まれるとみられ、岡田允・前特別研究員は「途上国の人々が日本で働いて所得を得るための方法が留学しかないことに根本的な問題がある」と指摘する。
=2018/07/22付 西日本新聞朝刊=