台湾、軍や医療従事者の海外渡航を制限 まん延阻止へ
(台北中央社)新型コロナウイルスの感染が世界的に広がる中、台湾は感染がまん延する事態を想定し、軍や医療従事者を対象に、感染のリスクがある国・地域への渡航を禁止・制限する措置を打ち出している。

▽ 国防部、海外渡航中止を勧告

国防部は22日、韓国の軍内部で複数の感染者が確認されたのを受け、国軍関係者に対し感染リスクの高い29カ国・地域への不要不急の渡航を中止するよう勧告した。

対象地域は中国、シンガポール、香港、日本、韓国、タイ、マレーシア、ベトナム、ドイツ、オーストラリア、米国、フランス、マカオ、イギリス、アラブ首長国連邦、カナダ、インド、フィリピン、イタリア、ロシア、スペイン、スリランカ、フィンランド、カンボジア、ネパール、ベルギー、スウェーデン、エジプト、イラン。

同部は、国家の安全保障のため、軍内部での集団感染発生は絶対に許されないとした上で、「最悪を想定し、最善を尽くす」との考え方の下で分業や相互支援を行っていると説明した。

▽ 対策本部、医療関係者の海外渡航を制限

医療従事者は、中国、香港、マカオへの渡航が禁止される。日本、韓国、シンガポール、タイ、イタリア、イランへの渡航は許可を得ることが前提条件となる。衛生福利部(保健省)の担当者が24日、明らかにした。新型コロナウイルス対策を担う中央感染症指揮センターは23日、人手不足に備え、医療従事者の海外渡航禁止を発表したが、関係者から反発の声が上がったため、適用範囲や対象地域が緩和された。

台湾では現在、30人の感染者が確認されている。
(陳韻聿/編集:荘麗玲)