Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/a4e08267381b69b31ada4f0aa6063679c9727544
岸田文雄首相が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との「絶縁」を宣言した。 教団と党所属議員の関係が次々と明らかになり、内閣や党に対する世論の批判が強まっていることへの危機感からだ。ただ、具体的な対応策をめぐっては実効性を疑問視する声が早くも出ており、問題の幕引きにつながるかは不透明だ。 【図解】内閣支持率の推移 「自民党総裁として率直におわびを申し上げる」。先月31日、新型コロナウイルスの療養明けに合わせて記者会見に臨んだ首相は、テレビカメラの前で頭を下げた。 首相は会見で(1)党所属議員と教団の関係の点検結果をまとめて公表(2)関係を断つよう党内に徹底(3)社会的に問題とされる団体と関係しないよう党のチェック体制を強化―の3点を党に指示したと説明した。同じころ、茂木敏充幹事長も党本部で会見し、指示を踏まえた具体策を発表。「守れない議員は同じ党で活動できない」と強調した。 一連の段取りは先週来、首相が療養中に茂木氏と電話で連絡を取り合って練り上げた。「電話は1日1回ではきかないほどだった」(首相周辺)。 もっとも、自民党の対応策には早くも疑問の声が出ている。教団との関係点検は茂木氏も「調査ではない」と明言しており、各議員の自己申告任せなのが実情。実際、党内からは「教団関係と知らなかった団体との接点を報告するつもりはない」(中堅)との本音が漏れる。閣僚経験者は「点検が不十分なら、どんどん深みにはまる」と懸念を示した。 地方議員は点検対象になっておらず、立憲民主党の泉健太代表は1日、「不十分だ」と批判した。共産党の志位和夫委員長は、首相が安倍晋三元首相と教団の関係の検証に否定的だったことに触れ、「ふたをすることは許されない」と非難した。 関係断絶をどこまで徹底できるかも不透明だ。7月の参院選で教団から組織的支援を受けたとされる井上義行参院議員は31日、教団の賛同会員を辞めたと明かしたが、信者はボランティアなどとしてさまざまな陣営に入り込む。別の閣僚経験者は「選挙の手伝いに来てくれる人たちにいちいち信者かどうか確認するのか」と憤る。 ベテラン議員によると、地方には信者の議員も少なくない。「関係断絶を強く求めれば信教の自由に抵触しかねない」(党関係者)との指摘もある。教団以外の問題団体と関係を持たないようにするためのチェック体制をめぐっても、基準が不明確で「問題団体の線引きは難しい」(同)。 一方、野党は山際大志郎経済再生担当相に照準を合わせつつある。山際氏はネパールなどでの教団関連イベントへの出席について「出席したと考えるのが自然だ」などと曖昧な説明を繰り返している。 公明党の北側一雄中央幹事会長は1日の会見で「しっかり説明責任を果たしてほしい」と苦言を呈した。与党内では「山際氏は持つのか」との懸念も出ている。
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