Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/4f0f340d2422ae5a148e36ccbe12ed9891b9d263
留学生を鎖で拘束する人権侵害が明らかになった日本語学校「西日本国際教育学院」(福岡市南区)が出入国在留管理庁から新規の留学生受け入れを認めない処分を受けて、14日で1週間となる。日本語教育機関としての告示を抹消され、在校生約630人の転校を指導されながらも同学院は通常通り授業を続けている。学生らが転校を求めても十分な説明はないといい、先行きを不安視する声が広がっている。 【写真】留学生が職員を鎖でつないだ様子を映した動画 同学院は13日までに公式ホームページでコメントを発表。日本語を含む6カ国語で問題について謝罪し「学生の意向に沿った対応ができるよう進める」とした。担当者は取材に「転校については対応を協議している。希望者がいればまずは話を聞きたい」と語った。 一方、西日本新聞の取材に応じた複数の在校生は同学院の対応に不安や不満を訴える。ネパール人学生(21)は処分から2日後、教室に設置されたテレビ画面越しに説明を聞いた。「このまま在籍しても卒業できるが、転校を希望する場合は相談してほしい」との内容だった。 だが、週が明けて教職員に転校の相談をしても、はぐらかされるばかり。学院に残るよう求められ、応じないと帰国をほのめかされたという。日本の大学で経済を学ぶことを目標に、5月に来日したばかり。寮費を含む学費約120万円は一括で納めた。「返金の話はできておらず、今後のことを考えると勉強に集中できない」と声を落とす。 別のネパール人学生(23)が心配するのは在留資格の問題だ。「取り消されないか家族も心配している」と不安げに語る。支援者によると、アルバイト先から在留資格を問題視されたのか、仕事をやめるよう告げられた学生もいるという。 入管庁は、在校生の在留資格をすぐに取り消すことはなく、更新手続きについても「学生に責任がないことを考慮し、授業を受けていれば『留学』として個別に判断するのが現時点の考え方だ」と説明する。 ただ、同学院の存続などの認可を持つ福岡県は「基本的には告示を抹消された同学院では授業を続けられないとの認識だが、現段階で申し上げられることはない」としており、学生の立場は不安定なままだ。 入管庁は処分と同時に転校を促したものの、新型コロナ対策の入国制限が緩和されたばかりで、日本語学校の多くは定員に余裕がなく、年度途中での受け入れ先探しは今後も難航が予想される。 外国人の問題に詳しい指宿昭一弁護士は「何よりも留学生を保護し、権利を守る必要がある。入管などの対応は問題があり、処分だけではなく事後処理も万全にすべきだ」と指摘した。 (山口新太郎、小林稔子)
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