Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/026438d21fe9e12c3aea1bbf13335fbed7a368c7
昨年10月に職員が在籍するベトナム人留学生を鎖と南京錠で拘束した行為が人権侵害だと認定され、今年9月7日、出入国在留管理庁に日本語学校としての告示を抹消する処分を下された福岡市の「西日本国際教育学院」。同庁は、現在も在籍している留学生約630人についても、転校させるよう指導する方針だという。 【驚愕写真】鎖で留学生を高速、子供用二段ベットのタコ部屋、腐った床…劣悪すぎる日本語学校を写真で見る 今回、西日本国際教育学院の複数の現役職員が 「週刊文春」 の取材に応じ、学院が所有する2つの学生寮に関して、衛生状態を含めた住環境が劣悪であり、9月中に意識不明で緊急搬送される入居者が相次いでいたことを明かした。
職員が留学生を鎖で拘束する動画がSNSで拡散
西日本国際教育学院を運営するのは学校法人宮田学園。法人の代表である総長は宮田道郎氏、日本語学校トップの学院長をその妻・宮田智栄氏が務めている。これまでにネパール、ベトナム、スリランカなどアジア各国から日本で就学・就職を希望する留学生を数多く受け入れてきた。 学院に注目が集まったのは昨年12月。職員が留学生を鎖で拘束する動画がSNSで一気に出回ったのだ。 「昨年10月、ベトナム人留学生が転校を申し出たところ、職員がパスポートと在留カードの提出を要求。これを拒否したところ、職員が自分のベルトと留学生のベルトを鎖でつないで南京錠をかけ、約3時間にわたり拘束しました。留学生はその様子をスマホで撮影していた」(社会部記者) 学院は告示抹消の処分が下った直後、宮田智栄学院長名で謝罪文を発表。〈再発防止に真摯に取り組み、信頼回復ができるよう努めてまいりたいと存じます〉などとコメントした。 だが、現役職員Aさんは「問題はこれだけではありません」と明かす。
子供用ベットを並べて留学生を“すし詰め”に
「学院には学生のための寮が2つあります。学生たちは、入学後6カ月はそこで生活することになっているのですが、その寮の住環境が凄惨な状態なのです」
2つの寮は「シリウス会館」と「高木寮」。家賃は1人部屋3万円、2人部屋2万円で学費とは別である。 「問題が起きたのは高木寮。今年4月から7月末にかけて、本来は居住用の部屋ではないミーティングルームに子供用の2段ベッドを並べて、留学生を生活させていたのです。こうしたミーティングルームを改造した部屋は3つあり、それぞれ8人、8人、21人がすし詰め状態で居住させられていました。2段ベッドの下の段に2人が寝ていたこともあり、“タコ部屋”と言っても過言ではありません」(同前) 小誌は高木寮の写真を複数入手。教室のような空間に、木製ベッドが並べられ、カーテンのみで仕切りがされている。プライバシーが守られた空間とは言い難い。今年3月に入国規制が緩和されたことを受け、「学院は“2年の空白”を取り戻そうと、一気に留学生の受け入れを再開」(同前)したため、留学生が溢れかえっている状況なのだという。 「最大収容人数はどんなに多く見積っても240人。ところが今年7月時点でなんと287人もの学生が詰め込まれていました」(同前)
トイレの水で炊飯も…劣悪すぎる寮生活「廃墟も同然です」
問題はそれだけではない。かなりの築年数が経過し、「幽霊マンションみたいな状態」(近隣住民)だったという高木寮は、内部が「人間が住める場所ではない」(Aさん)ほど荒れた状況なのだという。別の職員Bさんが言う。 「ボロボロで廃墟も同然です。一部の床は腐ってグチャグチャになっており、強烈な悪臭を放っています」 備品の数も足りておらず、 「食事が出ないので自炊が必須なのですが、調理器具の数が足りていない。共用のコンロが8口しかないのですが、居住者は200人以上いるので朝晩長蛇の列ができています。水道の配管が壊れているため、炊事場の水が出ないこともしょっちゅう。学生たちは仕方なくトイレの流しの水を汲んで調理をしています」(同前)
もう一つの寮であるシリウス会館も同様の状態だという。 「ゴキブリの量がすごい。駆除しても駆除しても発生するんです」(Aさん) 不衛生な環境は学生たちの健康を蝕んでいった。そして――。 「9月5日と12日に、学生が意識不明の状態で緊急搬送されました」(Bさん)
すし詰め部屋は「一時的な滞在場所として開放」
西日本国際教育学院に2つの寮の住環境について聞くと、次のように書面で回答した。 ――高木寮のミーティングルームに学生を住まわせていたか。 「本来の来日予定日よりも早く来日されると寮および提携アパートの準備が整っていないため、事前に学生にはご説明をし、ご了承を頂いた上で一時的な滞在場所として開放致しました。留学生の皆様には一定期間ご不便をおかけしましたが、当学園としては可能な限り短期間での調整を試み、順次対応をしておりました」 ――最大収容人数240人を超えて287人を居住させていたことは事実か。 「一時的に収容人数がオーバー致しましたが、市内のアパート等の契約、お部屋の準備が整い次第、それぞれ転居いただいております」 ――居住者の学生が意識不明となって搬送されたことは事実か。 「学生のプライバシーに関わることでございますため、ご回答は控えさせていただきます」 寮の内部で一体何が起こっているのか。現在配信中の 「週刊文春 電子版」 では、大量のゴキブリが発生し異臭を放っている2つの寮の内情、学生が相次ぎ意識不明で緊急搬送された当日の緊迫した様子、経営者である宮田夫妻の人物像、そして小誌取材後に学院が全職員に配布した”口止め誓約書”の存在などを、独自入手した多くの写真、職員が参加するグループLINEのスクリーンショットと共に詳しく報じている。
「週刊文春」編集部/週刊文春
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