Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/82aa9494a57ff1e14b6138945b10dd6964999e44
【列島エイリアンズ】 中国出身で、香港在住だった雷仁昌さん(仮名、47)は、同地で日増しに強まる北京による統制を嫌い、日本へと再移住した。そして日本入国から約1年間で、永住資格まで取得した。 【写真】市民デモに催涙ガスを発射する警察当局=2019年 1100万円―。雷さん曰く、それが日本の1年間で永住資格を取得するために支払ったコストだという。 「まず、永住資格取得を支援してくれた移住コンサルタントへの報酬が400万円。さらに彼の指示に従って、1年間で永住資格を取得する目的での収入要件を満たすために、当初は日本で立ち上げた会社からの自身への給与を年間2500万円に設定していたので、所得税や住民税として700円万円以上支払った」 永住資格の取得を目的に〝水増し〟された年収とはいえ、相応の税金を納めているのであれば、日本にとっても無益ではないのかもしれない。ただ、雷さんは「永住資格を取ってからは年収200万円に減額したので、今はほとんど税金支払っていないけど」と明かす。 同様の永住資格取得スキームは、香港からの移住者だけではなく、あらゆる国籍の人物が利用可能とみられる。 しかし雷さんは指摘する。 「パンデミックの終息も宣言されていないなか、日本への移民に興味があるのは中国人くらい。ただ中国政府は、本土からの資金持ち出しを厳しく規制しているので、中国本土の外に、ある程度の資金がある人でないと、この方法は使えない。つまり、香港から脱出する中国人のためにあるような制度」(雷さん) 一方で、「日本に持ち込める資金が少ない中国人でも、日本に住み続ける方法はある」と話すのは、雷さんが依頼した人物とは別の中国系移住コンサルタントだ。その方法について、次号でお伝えしたい。 =つづく 1都3県に住む外国人は120万人とも言われ、東京は文字通りの多民族都市だ。ところが、多文化共生が進むロンドンやニューヨークと比べると、東京在住外国人たちはそれぞれ出身地別のコミュニティーのなかで生活していることが多い。中韓はもとより、ベトナム、ネパール、クルド系など無数の「異邦」が形成されているイメージだ。その境界をまたぎ歩き、東京に散在する異邦を垣間見ていく。境界の向こうでは、われわれもまたエイリアン(異邦人)という意味を込めて。 ■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき 1980年、愛媛県出身。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国で現地取材。2008年に帰国後、「国家の政策や国際的事象が、末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに取材活動。16年「週刊SPA!」で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論され、健康保険法等の改正につながった。著書に「ルポ 新型コロナ詐欺」(扶桑社)など。
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