Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/06f5e6ca5a75839914b0c5858d0a0f5d1cda0ddb
日本語学校が教師の確保に苦慮している。新型コロナウイルス禍が落ち着いて留学生の来日が増える一方、教師の数が追いつかない。国は2024年に日本語学校の認定制度や日本語教師の国家資格を新設する予定で、関係者はこれらが人材確保に及ぼす影響を注視している。 【グラフ】中国地方の在留外国人数、過去最多12万6086人 広島市安佐南区のIGL医療福祉専門学校は23年秋、日本語学科の定員を14年比1・9倍の280人に拡大した。コロナの落ち着きとともに「ネパールやベトナムからの入学者が急増した」という。09年に学科を開設して以来、過去最多の245人が在籍する。220人が通う福山国際外語学院(福山市)も「コロナ禍は生徒が一時ゼロになったが、今は以前の水準に戻った」とする。 留学生の増加に伴い、現場では「教師の取り合い」が起きている。IGLは「23年度は求人サイトからの応募がほとんどない」と嘆く。他にも「コロナ禍で転職し、その後復帰しない人もいる」などの声が上がる。 文化庁の20年度の調査では、日本語教師の多くは非常勤雇用で、授業1こまの報酬は数千円だ。常勤でも年収300万円以上400万円未満が多く、待遇面では魅力に乏しい現状もある。 そんな中、4月から新法が施行され、日本語学校を取り巻く環境が変わる。留学生を受け入れる「認定校」で指導する人は、新たな国家資格「登録日本語教員」の取得が必要になる。 IGLの篠藤(しのとう)航司・日本語学科長は「国家資格になることで教師の社会的地位や待遇が上向けば」と期待する。他方、ある学校経営者は「資格取得に向けた再勉強や取得費用の負担感から、引退するベテランも出てくるのでは」と懸念する。 留学生の授業料以外にまとまった収入源がない日本語学校も多い。85人が学ぶ三原国際外語学院(三原市)の本庄佐智子校長は「日本語学校は、外国人受け入れの重要な入り口。教師を国家資格にするのなら、国は何らかの公的支援を検討してほしい」と注文する。 <日本語学校の認定制度> 日本語教育機関認定法の2024年4月施行により、国が教育内容や施設を審査して認定する。学校が外国人を「留学」の在留資格で受け入れるには、認定が必須になる。さらに認定校の指導者には、国家資格「登録日本語教員」の取得が義務化される。施行後5年間は経過措置として、国家資格がない現職教師も指導できる。
中国新聞社
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