Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/2747ba59a56331fb8b9e51cf2a8ce2999df617ec
【列島エイリアンズ】白タクと外国人編(3) 警察の取り締まりをかいくぐりながら、SNSを駆使して同胞相手に営業を行う外国人白タクは、正規のタクシーよりも高い収益率をたたき出していた。 【年収を比較してみる】タクシードライバーと男性労働者の違い 一般的に白タクが問題視されるのは、法律違反であるということはもちろんのこと、安全面や事故が起きた際の補償対応に懸念があるからだ。しかし、こと外国人白タクに限って言えば、その多くが不法就労であり、日本人や正規の就労資格を持つ外国人の就労機会を奪っているという点も大きな問題である。 一方で、彼らを摘発することの難しさについてはこれまでに触れたとおりである。中国、ベトナム人ら同胞同士のSNS内のコミュニティーで完結するビジネスであるため、犯罪の実態を把握し、現場を押さえるのに困難を極めるためだ。 だが、彼らを一網打尽にする方法が1つだけある。それはライドシェアの全面解禁である。 「日本でライドシェアが利用できるのなら、わざわざ違法営業のドライバーを利用することはない」 そう話すのは、来日のたび、白タクを利用している知人の中国人ビジネスマンだ。 この言葉は、白タクを利用する外国人の多くに共通する本音だろう。つまり、有償送迎サービスをタクシー・ハイヤー業界が独占しているこの現状こそが、白タクの温床といってもいい。しかも業界は空前のドライバー不足にあえいでおり、全国的なタクシー・ハイヤー不足につながっている。白タクがはびこるのも自明の理というものだ。 白タク行為の厳罰化や取り締まりの強化をうたうことは簡単だが、おそらくそれでは根絶どころか、彼らは地下に潜ってますます栄えるだけだろう。ちょうど、禁酒法の時代にマフィアが密造酒ビジネスで巨万の富を築いたのと同じ構図である。 ライドシェアを解禁し、就労資格や事故歴の確認などをした上で、外国人ドライバーにもその門戸を開く。これぞ、外国人白タクを一網打尽にする唯一にして最も効果のある方法だ。 =この項おわり ■1都3県に住む外国人は120万人とも言われ、東京は文字通りの多民族都市だ。ところが、多文化共生が進むロンドンやニューヨークと比べると、東京在住外国人たちはそれぞれ出身地別のコミュニティーのなかで生活していることが多い。中韓はもとより、ベトナム、ネパール、クルド系など無数の「異邦」が形成されているイメージだ。その境界をまたぎ歩き、東京に散在する異邦を垣間見ていく。境界の向こうでは、われわれもまたエイリアン(異邦人)という意味を込めて。 ■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき) 1980年、愛媛県出身。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国で現地取材。2008年に帰国後、「国家の政策や国際的事象が、末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに取材活動。16年「週刊SPA!」で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論され、健康保険法等の改正につながった。著書に「ルポ 新型コロナ詐欺」(扶桑社)など。
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