Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/f467ea62f919deb76b449eeeec241751c41deba9
能登半島地震で津波警報が出た際、兵庫県域で放送する「サンテレビ」(神戸市)が8言語で避難を呼びかけ、日本語が不自由な「災害弱者」への支援策として注目を集めている。阪神大震災と東日本大震災を経験した社員の発案で、国籍を問わず正確な情報を届けようと準備していた。同社は「災害はいつ起きてもおかしくない。一人でも多くの命を救うことにつなげたい」としている。(上田友也) 【写真】中国語、ベトナム語、タガログ語で避難を呼びかける人たち
最大震度7を記録した1日の能登半島地震では石川県に大津波警報が出され、発生から約10分後の午後4時22分に兵庫県北部にも津波警報が出された。
正月特番を放送していた同社は、午後4時半頃に事前収録した6分間の動画に切り替え、男性アナウンサーが「命を守るため今すぐ逃げてください。できる限り高いところに逃げてください」と訴えた。続いて、英語、韓国語、中国語、ベトナム語、ネパール語、タガログ語、ポルトガル語を母語とする人が順番に登場し、それぞれの言葉で同じ内容を繰り返した。
聴覚障害者向けに、各言語を書き込んだフリップを提示する配慮もみられた。警報発令から約3時間後の午後7時20分には、同県豊岡市で最大40センチの津波が観測された。
SNSでは、「さすが震災を経験したローカル局」などと称賛のコメントが相次いだ。同社にも、「外国人の知人が状況を理解し、落ち着いて行動できた」と感謝の声が届いた。
用意した映像を流すというアイデアは、ニュースキャスター藤岡勇貴さん(39)が発案した。阪神大震災では、神戸に住んでいたベトナム人ら海外にルーツを持つ人も多く被災。日本語が分からず、不安になったり、物資を受け取れなかったりしたことが課題として指摘された。
藤岡さんは、小学4年の時、阪神大震災を経験した。「災害報道に貢献したい」と青森朝日放送(青森市)に就職し、2011年の東日本大震災では、アナウンサーとして津波からの避難を視聴者に呼びかけた。15年にサンテレビに入社し、津波からの避難を呼びかける映像の収録を進めた。多言語で伝える「FMわぃわぃ」(神戸市長田区)に協力を求め、昨年12月に完成したという。
藤岡さんは「情報が届きにくい人に、いかに迅速に伝えるかが問われている。できる備えを積み上げていきたい」と話している。
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