2024年1月23日火曜日

世界の野球 "世界の野球"ヒマラヤを北に望む国 ネパールの野球「1st National Baseball5 Championship 2024」

Source:https://www.japan-baseball.jp/jp/news/press/20240115_1.html

2024年1月15日、Googleニュースより

文・写真=NPO法人日本アジア球友団ラリグラス(小林 洋平)

 去る1月10日と11日の2日間にわたり、ネパールで初めてとなるBaseball5の全国大会「1st National Baseball5 Championship 2024」が首都カトマンズでネパール野球ソフトボール協会(NBSA)の主催により開催された。参加チームは男女混合の7チーム。ネパール全7州から選ばれた選手たちが各州を代表して熱戦を繰り広げた。決勝戦はバグマティ州とマデシ州の対戦となり、6対5でバグマティ州が勝利して初代王者に輝いた。また、大会の開会式には国家スポーツ評議会のタンカ・ライ・ギシン秘書官、閉会式にはネパールオリンピック委員会のジーバン・ラム・シュレスタ会長が出席するとともに、大会の様子がネパールのメディアに取り上げられるなど、大会はネパール国内でも注目を集めた。

23年9月スジーワベースボール5 レクチャー

 Baseball5は2017年に野球・ソフトボール振興の一環として世界野球ソフトボール連盟(WBSC)によって提案された競技である。Baseball5は野球やソフトボールに比べてルールが簡単、使う道具が少ない、少ない人数で小さな場所でもプレーできるなどの利点がある。今回のネパールの大会も国家スポーツ評議会付属の屋根付きホール(体育館のような施設)で行われた。2017年以来、WBSC は世界でのBaseball5の普及に努めている。Baseball5は道具や設備が無くて野球の普及が進まない地域でも手軽にできる競技として急速に広まってきており、現在は100カ国以上でプレーされている。2022年にはワールドカップやアジアカップも初めて開催された。また、昨年1月からはWBSCの世界ランキングも発表されるようになった。

 今回の大会はネパールで最初の全国大会となったわけだが、それに先立って、昨年9月にNBSAの役員らが来日した際には(2023年10月2日 付「福島県×ネパール シャクナゲ交流」参照)、Baseball5のWBSC公認インストラクターであるスジーワ・ウィジャヤナーヤカ氏による講習会も行われ、NBSA役員がBaseball5の基本について学ぶとともに自らもプレーを体験した。この日本での講習会がネパールにとってのBaseball5の始まりとなっていて、その時の様子はWBSCのウェブサイトにも記事が掲載されている。

24年1月10日ベースボール5 開会式

 WBSCを中心とした世界的なBaseball5普及の流れの中で、NBSAも今後ネパール国内でのBaseball5の普及にも取り組んでいく。ネパール野球ソフトボール協会のディパック・ネウパネ会長は大会前のニュース映像の中で「Baseball5は1チーム5人で小さな場所でもできる。バットやグローブが必要ない」とBaseball5が手軽にできる競技であることを説明していて、その普及に意欲を見せている。

 ネパールでは、Baseball5をきっかけにして野球にも関心を持ってもらい、野球を知る人が増えることで、野球人口の増加にも繋げていきたいと考えている。その意味でも、ネパール初となった今回の大会はネパールのBaseball5にとって大きな第一歩となった。

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