Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/2341df109fe8dfc3d179dce343fddf1bac694fa9
2024年に旅行するとしたら、最も安全な国はどこだろう? 最も危ない国は? 医療と旅行の安全支援サービスを提供するインターナショナルSOSが、毎年恒例の「リスクマップ」の2024年版を発表した。今年、旅行するのに最も安全な国、最も危険な国、そして旅行者が直面するかもしれない大きな問題の予測など、旅行者にとって貴重な知見を提供している。 世界の安全保障から地政学的な緊張に至るまで、旅行時の不確実性が高い時代において、最も安全な渡航先を知ることはこれまで以上に重要だ。 インターナショナルSOSのリスクマップは、安全や医療、メンタルヘルスなど、いくつかの分野に焦点を当てている。世界的な気温上昇に伴い、今年は気候関連のリスクも追加された。カテゴリーごとに各国を5段階で評価している。 ■世界で最も安全な国 2024年に最も安全な旅行先はどこだろうか。インターナショナルSOSの安全評価は、政治的な動機による暴力、社会不安、暴力犯罪や軽犯罪の発生率など、様々な要因に基づいている。そのほか、交通インフラや労使関係、警備・救急サービスの有効性、自然災害の発生しやすさなども考慮している。 このリスクマップによると、安定性と効果的な統治で知られるスカンジナビアの国々が引き続き安全な旅行先の上位にきている。トップはアイスランド。暴力犯罪の発生率の低さ、政治的な動機による暴力の少なさ、外国人に対する暴力の少なさなどが理由だ。 第2位はルクセンブルクで、同国では旅行者に対する安全上の脅威は極めて小さい。そしてノルウェー、スイス、デンマークと続く。これら上位国は、政治情勢が安定していること、法執行機関がしっかりしていること、犯罪や暴力の発生率が低いことが評価された。 スロベニア、フィンランド、グリーンランドも上位に入っている。 米国も日本も、低リスクとされているが、最も安全な国というわけではない。5段階で2番目の評価だ。 安全性のリスク評価が下がっている地域もある。最も顕著なのは、ネパールの一部とエルサルバドルで、多くの要素が持続的に低下傾向にあることで評価が下がった。 最も安全な国々の安定性は、最もリスクの高い国々の状況とは対照的だ。高リスク国は政情不安を抱え、政府による管理が弱い。世界で最も安全性のリスクが高い国は南スーダンで、続いてアフガニスタン、シリア、リビア、ソマリアとなっている。
医療や気候の面で安心して渡航できる国は?
■医療リスク 旅行中に医療を受けられるかどうかは最も重要な懸念事項だ。インターナショナルSOSによると、旅行者の60%が、旅行保険に加入するのは主に緊急時に医療を受けられるようにするためだと答えている。医療リスクに関しては、医療へのアクセスから、救急医療サービスの水準、医薬品の供給、そして文化的、言語的または行政的障壁まで、地域特有の様々な要因に基づいて評価している。 低リスクなのは米国、カナダ、日本、オーストラリア、欧州のほとんどの国、英国など。先進的な医療インフラとサービスが主な要因だ。 逆に医療リスクの高い国は北朝鮮、アフガニスタン、イラク、ソマリアなど。 ■気候変動リスク リスクマップに気候変動が新たに加わったことは、旅行計画において環境という要素の重要性が高まっていることを浮き彫りにしている。その評価は、INFORM気候変動リスク指数のデータに基づいている。 「欧州は2023年に史上最も厳しい熱波に襲われたが、猛暑が引き起こしたさまざまな現象は今後、普通のことになるかもしれない。猛暑が身体に与える影響に加えて、メンタルヘルスにも重大な悪影響が及ぶおそれがある」と、インターナショナルSOSのグローバル・メディカル・ディレクターであるアイリーン・ライ医師は声明で指摘した。 気候リスクが最も少ない国は、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマークのほか、カザフスタンやアラブ首長国連邦、ニュージーランドなど。 米国や日本は、5段階で2番目に低リスクの評価だ。リスクが最も高い国としては、マリやチャド、エチオピア、モザンビークなどアフリカ中央部に位置する国々が挙げられている。そのほか、フィリピンやパプアニューギニア、インドなども、気候変動の影響によるリスクが高いとされた。 ■メンタルヘルスリスク インターナショナルSOSは、うつ病や不安障害、双極性障害、摂食障害、統合失調症など、メンタルヘルスの問題を抱える人口の割合に基づき、メンタルヘルスに関わるリスクを国別にランク付けしている。評価には米ワシントン大学の保健指標評価研究所がまとめたデータを使用している。 メンタルヘルスリスクが最も少ない国はベトナム。逆に最もリスクが高いのはスペイン、ポルトガル、アイルランド、イランだ。米国もリスクが高めで、5段階で2番目に高いとされている。日本はちょうど真ん中の3番目だ。
Laura Begley Bloom
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