Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/f2e91340e2e5b71178acc63b12c670bc64898741
ドーハの鶏肉の販売事情について「ニンジャラーメン」総料理長の三原さん(連載11回)は、「カタールで販売されている鶏肉は国産かブラジル産のほぼ二択」と話し、同店でもブラジル産鶏肉を使用しているとのことだった。 カタールで消費される鶏肉の約70%がブラジル産であるとのニュースが昨年のワールドカップの時期に紹介されていた。
確かにドーハのどのスーパーマーケットを訪ねても、鶏肉を収めた冷凍庫にはブラジル産ブランドのSADIAやPERDIGÃO、SEARAのほか、カタールを含めた中東向けのブラジル産鶏肉の各種ブランド商品が販売されていた。ブラジルにいるのかと錯覚するくらいの冷凍鶏肉売り場の光景である。 カタール政府は国産にも力を入れており、品質の良い冷蔵鶏肉も販売されていたが、飼料は輸入で、暑さの中での飼育設備への費用もかかることは想像に難くなく、ブラジル産はカタール産よりも割安の印象であった。
ブラジル産の主な商品の一つは丸鶏で、ブラジルフードサービス社(小寺健一社長)の調査によると、今年1月から8月までの丸鶏のブラジルからアラブ諸国への輸出は、カタールは8位(約3万4千トン)で全体の5%を占める。 ブラジルと海外の鶏肉ビジネスに携わる小寺社長は、「ブラジルで販売されている丸鶏は一つ2キロ以上が主流だが、アラブ諸国に販売されるのは主に1キロ前後」といい、その言葉通り、スーパーには600グラムから1・4キロの丸鶏が大半だった。 インド料理店で人気のグリルチキンを注文すると、ちょうどそのくらいのサイズの丸鶏が出てきて、庶民層のニーズを感じさせた。
イスラム教国のカタールで認められるハラル肉を生産することのできるブラジルは、ハラル肉の世界への主要輸出国でもある。 ABPA(ブラジル動物タンパク質協会)のデータによると、近年、アラブ諸国への鶏肉輸出量は増加を続け、昨年の上半期にはブラジルの鶏肉生産量の15%~20%、年間200万トン強がアラブ諸国に輸出された。 特にカタールは昨年、上半期に量が約4万8千トン(前年比45%)、売上が9400万米ドル(前年比84%)と大幅に増加した。
ブラジル産冷凍鶏肉製品の中でアラブ諸国らしかったのが、アラブのサンドイッチであるシャワルマ用に加工したパック詰めである。 サンパウロではレバノンやシリアの出身者がよくシャワルマを販売しており、ブラジル産鶏肉を贅沢に使える環境で、本場以上のボリューム感のあるシャワルマが食べられていると言える。
鶏肉売り場を見るために今回まわったドーハ市内のスーパーマーケットは、フランス系のカレフールやモノプリ、インド人オーナーによって中東でチェーン展開するルル、カタール政府も出資する半官半民のアルメーラである。 どのスーパーも様々な国籍の外国人労働者がごく自然に働いていて、システムもブラジル以上にスムーズであった。(続く、取材:大浦智子)
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