Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/8dc96b93c7f5c6bb8160b81ae21c0071ac7e6379
外国人労働者の増加を背景に、両親とも外国人の子どもが福島県内で増え、日本の学校文化に戸惑う声が上がっている。お便りの内容が分かりにくい、入学式に何を着ればいいのか、持ち物はランドセルに…。外国人の子どもと保護者に十分に理解されていない現状がある。行政の支援が乏しい中、郡山市のこおりやま日本語教室は来年2月、就学前の子どもと保護者が学校生活で困らないよう事前に通知文書の読み方などを教える「プレスクール」を県内で初めて開講する。 ■ お便りの内容が難解、入学式の服装は? 福島民報社が取材した、戸惑った経験がある事例は【図】の通り。文房具への名前書きから部活動の評定への影響まで多岐にわたる。 10年ほど前に出身地の中国から夫と来日した佐藤恵美さん(35)=須賀川市=は、今春、小学校に入った長女萌美さん(6)の入学式での服装に頭を悩ませた。今後、長男遙飛(はると)ちゃん(4)の入学を控えており、「遠足のお弁当に何を入れるべきかなど、入学前に分かれば助かる」と外国人目線での対応を求める。
住民基本台帳に基づく総務省の統計で、県内の0~9歳の外国人居住者数の推移は【グラフ】の通り。2022(令和4)年度は513人で、10年前の2倍以上になっている。仕事で来日する外国人が増加しているとみられ、県雇用労政課は「働き手確保のため外国人材を求める企業が増えている」と指摘する。 県教育庁義務教育課によると、2022年度、県内の公立小学校に162人、中学校に82人の外国人が在籍している。現在、県教委による就学前の外国人向けの支援策はない。同課の担当者は「言語をサポートする県国際交流協会の派遣事業や、文部科学省の研修動画などを市町村、学校に案内して外国人教育を支えたい」としている。 ■「伝わりにくい」を教材に こおりやま日本語教室きょう研修会 こおりやま日本語教室のプレスクールは入学前の2月と3月に計4回開く。保護者が困惑し、市内の小学校教員が外国人に伝わりにくいと感じたことを教材の参考にする。県がプレスクールのマニュアルを策定している愛知県など先進地の事例も盛り込む。
プレスクールは無料で、元教員ら日本語教室のメンバーが講師を務める。26日に市内で研修会を開き、愛知県のプレスクール運営者の講話を聞く。県内外から約40人が参加を予定している。4月以降も保護者へのアンケートを実施し、多言語資料としてホームページで公開する。開講を視野に入れる他団体と運営のノウハウを共有する。事業は国際協力機構(JICA)の基金を活用する。来年度以降も継続する予定だ。 県国際交流協会は外国人教育の取り組みを歓迎し、「行政による支援も広がってほしい」と期待する。 日本語教室は小学生から高校生を対象に2013(平成25)年に開設された。中国、フィリピン、ベトナム、ロシア、ネパール出身の約20人が月2回受講している。代表の三田真理子さん(65)は「日本の教育環境に適応できるよう子どもたちを支えたい」と話している。
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