Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/c1ef4b90250c3f20cdb26241434bb75ef553254c
全国各地で新型コロナウイルスへの感染者数が相次ぎ過去最多を更新するなか、新規感染者の9割以上が、感染力が強く重症化しやすい変異ウイルスに置き換わっているとの推計が発表されました。最新の状況を詳しく解説します。
東京で新たに1010人 1週間前より大幅増
13日、東京で新たに1010人の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。4日ぶりに1000人を超え、連休明けだった1週間前の6日より大幅に増加しました。 全国各地でも感染者が増えていて、急拡大している地域もあります。12日の全国の新たな感染者数は7057人で、過去6番目に多い人数となりました。12日から緊急事態宣言の対象になった愛知と福岡では過去最多を更新しています。 ほかにも北海道、福島、岐阜、広島、鹿児島で過去最多となっていて、北海道で529人、広島で218人などとなっています。また、北海道では13日、過去最多の712人となり、このうち札幌市だけでも499人と過去最多となりました。 田村厚生労働大臣も、緊急事態宣言を出して「2週間以上たっても、まだ成果が見えてきていない」と危機感を示しています。
若い世代も死亡
また、12日は全国で106人の死亡が発表されていますが、若い世代が亡くなったケースも明らかになってきました。 先週亡くなった京都市在住の飲食業の20代男性は、一人暮らしで、基礎疾患はありませんでした。先月29日に発熱やせきの症状が出て、今月2日に検査をして陽性を確認。翌3日に市に入院希望を伝えていました。 その後、4日に市に「全身の倦怠感が改善した」と伝えていましたが、5日に市から6回電話するも男性は電話に出ず、5日深夜、男性の知人から119番通報があり、消防などが自宅を訪れたところ、自宅で死亡が確認されました。20代の死亡は京都府内では初で、最年少の死者となりました。 また、神戸市で20代~30代の感染者3人が亡くなっていたことが新たに分かりました。30代以下の患者が亡くなるのは、兵庫県内では初めてのことでした。3人とも基礎疾患があったといいます。3月に亡くなった30代男性は、宿泊療養施設に入所し、その4日後に死亡しました。容体が急変したといいます。別の30代男性と20代女性は、病院で亡くなったということです。
全国で90%超が『N501Y』に…分析結果
こうした若者層の重症化の背景の一つとみられているのが、変異ウイルスの拡大です。12日に開かれた厚生労働省の専門家会議で、全国で90%以上が、感染力の強いイギリス型『N501Y』変異ウイルスに置き換わったとする分析結果が示されました。地域別に見てみると、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県では91%、大阪、京都、兵庫では99%に達したということです。 また、N501Yの変異に感染すると、従来型に比べ重症になるリスクが『1.4倍』になる可能性があることが分かりました。中でも40歳~64歳では、従来型の『1.66倍』重症になるリスクがある可能性も示されました。このN501Yは、これまでより感染力が強いだけでなく、幅広い年齢層で重症になるリスクが高いかもしれないということで、専門家はいっそう強い警戒を呼びかけています。 国立国際医療研究センター 国際感染症センター 大曲貴夫センター長 「変異株では従来株よりも若い世代の重症患者が多く発生している事実もございます」 東京都医師会・猪口正孝副会長 「変異株N501Yは従来株に比べて重症化率、死亡率が高いとの報告があります。あらゆる世代が感染によるリスクを有することを啓発する必要があるとしております」 東京都でのN501Yへの置き換わりの推移をデータでみてみますと、3月下旬には8%ほどだったN501Yの割合が、4月に入ると3割を超え、最近では6割を超えてきています。
「インド型」変異に懸念…政府は対策強化
そして、もう一つ注目なのが『L452R』といわれる新たな変異ウイルスです。インドでの感染爆発の原因の一つとされるいわゆる『インド型』で、東京では先月からこのインド型の検査を行っていますが、最新のデータでは0.8%の割合で出てきています。 全国的にみてみると、インド型の変異ウイルスが検出された人は、今月10日までに70人にのぼったことが分かりました。(*検疫を含む) インド型は従来型と比べると感染力が強い可能性や、ワクチンや治療薬の効き目を弱める可能性が指摘されています。こうした状況などから、国立感染症研究所は、インド型をこれまでの「注目すべき変異ウイルス」から、N501Yなどと同じ「懸念される変異ウイルス」にリスク評価を引き上げました。厚労省もインド型の検査を全国的に行うなど、監視体制を強化します。
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