Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/e86c036148dd1b7ceef536c8a363077e8c6c5f98
【列島エイリアンズ】 大阪で起きた暴力団幹部の変死事件に関わったとして、ペルー国籍の男ら3人が逮捕された。 【写真】大阪・ミナミのビルとビルの間で男性の遺体が見つかった現場 衆人環視の飲食店内で居合わせた男らに連れ出され、暴行を受けた暴力団幹部が、5日後に遺体で見つかったというこの事件の詳細については、いまだ判然としないところが多い。しかし、地元大阪では南米系不良グループの粗暴化が報告されていた。 その正体について、「名古屋を中心とした東海地方から大阪に流入したという説がある」と明かすのは地元紙記者だ。 「バブル期の人手不足への対策として、1990年に入管法が緩和されたことをきっかけに、ペルーやブラジルの日系人の間で日本への出稼ぎブームが起きた。代表的な受け入れ先の1つが、東海地方の自動車関連工場だった。ところが、その際に、親に連れられて来日した子供たちの一部は、日本語の能力や習慣の違いなどの理由で、学校や社会になじめなかった」 「そうした『出稼ぎ1・5世』たちが、居住地や国籍ごとにつながり、複数の組織が形成されていった。時に地元の暴走族と抗争を起こしたりすることもあり、不良グループとみられてはいたが、大掛かりな組織犯罪を行うようなこともなかった」 そんな彼ら一部が東海地方から移動し始めたのは、リーマン・ショックあたりからだという。 「彼らの多くは永住資格を取得し、自動車関連工や解体工などの職に就いていたが、リーマン・ショックとそれ以降の不況により、地元に仕事がなくなってしまった。そのため彼らの一部は職を求め、東京や大阪をはじめ大都市に数人単位で移動するようになった。製造業やサービス業につきながら、中には日本の反社の小間使いをするような者もいた。数人が定住すると、彼らを頼って地元から仲間が加わる形で、新天地でも新たに相互扶助的な組織が構築されていった」(先の地元紙記者) そんな彼らが、反社会性を高め始めたきっかけが、2020年からのコロナ禍だった。 =つづく ■1都3県に住む外国人は120万人とも言われ、東京は文字通りの多民族都市だ。ところが、多文化共生が進むロンドンやニューヨークと比べると、東京在住外国人たちはそれぞれ出身地別のコミュニティーのなかで生活していることが多い。中韓はもとより、ベトナム、ネパール、クルド系など無数の「異邦」が形成されているイメージだ。その境界をまたぎ歩き、東京に散在する異邦を垣間見ていく。境界の向こうでは、われわれもまたエイリアン(異邦人)という意味を込めて。 ■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき) 1980年、愛媛県出身。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国で現地取材。2008年に帰国後、「国家の政策や国際的事象が、末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに取材活動。16年「週刊SPA!」で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論され、健康保険法等の改正につながった。著書に「ルポ 新型コロナ詐欺」(扶桑社)など。
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