Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/cb8a0ea0e64264a415c8c25ab5a1c091f68f5180
言葉の壁を取り除き、熊本県内で暮らす外国人が運転免許を取りやすくしようと、熊本市と菊池市で自動車学校を運営する民間企業「くまもとKDSグループ」は外国人の従業員を雇用し、多言語での教習や営業に力を入れている。自動車学校の業界では、全国でも珍しい取り組みという。 免許取得を求めるアジア圏出身者が増えたため、2018年に日本語が話せる外国人の採用を始めた。現在はベトナム、ネパール、ミャンマー、香港出身の計5人が働く。フィリピンのタガログ語を話す日本人と合わせ、英語を含む6カ国語に対応する。 外国人の従業員たちは、教習生と日本人の教習指導員の通訳やテキストの翻訳のほか、生徒募集などの営業活動も担う。 ベトナム出身で入社4年目のグエン・ティ・トゥー・タオさん(31)は「エンジンをかける」「発進」など教習で使う日本語と母国語を交流サイト(SNS)で発信したり、道路標識を紹介する映像を作ったりしている。「ベトナムと日本の交通ルールは違う。専門的な言葉も多いので、理解してもらうのが何よりも大切だ」と寄り添う。
細やかな支援が評判を呼び、年間10人ほどだった外国人教習生は、21年には約10倍の99人に増えた。今年も8月末までに80人に上り、年間では前年を上回る見込みだ。 車を扱った日本の人気アニメ「頭文字(イニシャル)D」に影響を受け、20年に入社した香港出身の温詩豪さん(29)は9月、中国人向けの教習指導員になった。「日本語能力をさらに高め、ほかの外国人や日本人を教える有能なインストラクターになりたい」と意欲を燃やす。 全日本指定自動車教習所協会連合会が20年にまとめた調査によると、18年に全国の指定自動車学校を卒業した外国人は約2万6千人に上る。一方で、外国人の指導員や通訳・一般事務職員は、それぞれ40人ほどにとどまる。外国語が話せる日本人指導員も少なく、日本語が苦手な外国人の入校を断る学校もある。 くまもとKDSグループの永田佳子社長は「日本の交通ルールをしっかり身に付け、熊本での生活を豊かにしてほしい。多文化共生にもつなげたい」と外国人支援の意義を語る。(中原功一朗)
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