Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/6f4ee215554824746bd75f8b9917e4692500aa2b
現在35歳のアルゼンチン代表FWリオネル・メッシは、カタール杯が5度目の大舞台となると同時に、今月6日にアルゼンチンメディアの取材に対して「これが最後になる」と、自身ラストのワールドカップ出場であることを明言した。それだけに、世界王者の称号を得る最後のチャンスに挑むメッシの活躍に、ファンからの期待は過去最高潮を迎える。 世界最優秀選手に贈られるバロンドールを歴代最多の7度受賞し、欧州最多得点者に贈られるゴールデンシューを歴代最多の6度獲得するなど、偉大なる功績を残し続けてきたメッシ。一方で、子どもたちの支援をはじめとする熱心な慈善活動家としても有名だ。
世界の子どもたちのために、レオ・メッシ財団を設立
2007年に自身の名前を冠したレオ・メッシ財団を設立し、子どもたちへ教育や保健福祉の支援を行ってきた。彼自身、子どもの頃に下垂体性の成長ホルモン分泌不全症と診断され、13歳でアルゼンチンからスペインへ移ると同時に、月間900ドル(約12万)の成長ホルモンの治療を受け、その費用をFCバルセロナが負担したことでも知られる。夢を実現するために支えてもらった過去の経験が、今の財団の活動のルーツにもなっているといえるだろう。創設の経緯について、財団HPにこう綴っている。 「世界的なサッカー選手になるまでに、言葉では表現できないほどの困難を乗り越えてきました。その努力と成果から得られたものを、支援が必要な子どもたちへと還元したい。なぜなら、子どもたちの笑顔に私は心を動かされ、彼らの瞳には希望があり、喜びに満ち溢れているからです。それこそが、サッカー選手としての原動力にもなっています」
小児がんの医療施設や研究費への資金提供
15年以上にも及ぶ財団の活動を通じて、小児がんの治療ができる医療施設の建設費や研究費への資金提供に長年取り組んできた。2018年にはFCバルセロナとともに3億円以上を病院建設プロジェクトに寄付し、今年9月にバルセロナ初の国立がん研究センターがオープンした。「計画の一部に貢献出来る事は自分自身にとって栄誉なことです。今後も、がんと戦う子どもたちを助ける活動をしていきたい」と語っている。ほかにも3000人分のC型肝炎治療薬を寄付するなど、医療格差等によって治療の機会を得られない人々への支援を続けてきた。 また、2010年からユニセフの親善大使を務めるメッシは、就任後すぐにシリアの子どもたち5万人へ教材を送ったほか、2017年にはプレハブ式の学校20校を建設するなど、長期的な支援を続ける。現在も続く内戦により、シリアでは約245万人の子どもが今もなお学校に通うことができていないという。 さらに、昨今の気候変動により、サイクロン、干ばつ、洪水など自然災害の影響を大きく受ける東アフリカ・モザンビークでは、子どもたちが貧困や飢餓などによる深刻な影響を受けている。そのため、メッシは栄養バランスの整った学校給食を提供すべく40万ドル(約5600万円)を支援団体に寄付した。そのほかにも、政情不安や自然災害に悩まされてきたハイチやネパールの子どもたちの命を救うべく行ってきた数々のチャリティ活動は数え切れないほどだ。 「世界には病気の子どもたちがたくさんいます。それに、多くの子どもたちが教育を受けられなかったり、栄養不良の状態にあります。ユニセフとともに、私ができることはなんでもやるつもりです」と親善大使任命式で語った通り、10年経った今も子どもたちへの支援を惜しまない。 東日本大震災の際には、メッシの左足をかたどった25キログラムの純金の実物大オブジェ「ザ・ゴールデンフット」を発売し、その収益の一部を財団を通して被災地へ寄付。さらに2014年には岩手県沿岸部の子どもたちをバルセロナに招待したことも、日本で大いに話題となった。 一方、スペシャルオリンピックスとコラボレーションし、スペインのカタルーニャ地方で暮らす障がいのある子どもたちがスポーツに参加できるようなプログラムを提供するなど、インクルーシブな地域コミュニティづくりにも心血を注ぐ。 最近では、2020年3月に世界がパンデミックに陥り各国で医療崩壊が起こる中、コロナ対策として100万ユーロ(約1億2000万円)をバルセロナと母国アルゼンチンの病院に寄付したことも記憶に新しい。 サッカー界における歴史的な活躍だけでなく、世界各地で起きている危機に目を向け、人々を啓蒙する影響力と確かな実行力は、メッシを「歴代の史上最高選手」と称する確たる所以のひとつだろう。
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