Source:https://www.asahi.com/articles/ASQCR7G7BQCQUHBI02X.html
世界の尾根ヒマラヤ山脈を望む標高2千メートルの村で育ったネパール人のビヌ・グルンさん(26)が、神戸市西区の住宅街にたつ特別養護老人ホーム「ときわ」で働き始めて11月で丸2年になった。
地元の大学を中退して、福岡県の日本語学校に留学。その後、同県内の大学に進んだものの、卒業できないまま2018年に帰国した。
1年後、日本が外国人労働者の受け入れを増やすため新たな在留資格「特定技能」を導入したとのニュースをネットで知った。応募し、試験にパスした。
ネパール人の夫も「特定技能」を取得し、11月から「ときわ」で働いている。
グルンさんは「5年間の特定技能を終えたら、国家試験を受けて介護福祉士になる。ネパールで義父母と暮らす子どもを呼び寄せ、家族で日本に住みたい」と言う。
「ときわ」には、グルンさんの他に10人の特定技能のネパール人がいる。10人とも介護福祉士になって日本に住み続けるつもりだ。
「ときわ」を運営する社会福祉法人「洗心会」は、グルンさんら既婚のネパール人が数年後に、子どもと配偶者を呼び寄せることを考え、保育所や預かり所の併設を検討している。
池田省平理事長は、ネパール人を受け入れて「共生」を強く意識するようになった。「少子高齢化が進む日本に『住みたい』といってくれるのはありがたいこと。家族も安心して生活できる環境こそが共生社会の基盤となる」と話す。
「ほとんどが帰国しない」定住志向強いネパール人
ネパール人の日本移住の意欲は強い。
日本学生支援機構が21年に留学生を対象に実施したアンケートによると、多くの回答があったアジアの7カ国・地域出身で、「日本での就職を希望している」と答えた割合は、ネパールがダントツで86・6%。全体平均を約20ポイントも上回った。
外国人労働者問題に詳しい東海大の万城目正雄教授は「東南アジアには産業があり、送り出した国も本人も帰国マインドを一定の割合で持っている。ネパールなど経済発展が遅れた南西アジアは全く違う」と語る。
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