Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/d670454e8152a7f34052db89ea2bbb969fd2e6c8
【列島エイリアンズ】 「転売行為は商売の基本」 「十分な量を供給しない販売元も批判されるべきだ」 売り上げの大半が転売行為による稼ぎだという貿易商の中国人女性、劉民華さん(仮名、45)は、前回そう持論を展開した。 その一方で、「転売業者対策が厳しくなればなるほど、われわれのビジネスは儲かる」とも明かす。 「例えば最近、限定品の販売などで多いのが、整理券配布や事前抽選。しかし、マンパワーを動員できる転売業者にとってはいずれの対策も大した障壁とはならない。逆に一般の購入者にとっては取得困難になるので、転売相場もつり上がって好都合」 そんな劉さんが、「過去一番儲かった転売品」とするのが、2020年11月に発売されたPS5だ。 「家電量販店はPS5の販売を提携クレジットカードを持っている人に限っていたので、中国人の並び屋は使えなかった。そこでツイッターで集めた日本人に並んでもらい、1台1万円から2万円を上乗せして買い取った。それはすべて中国の買い取り業者に、定価の2倍前後で売り渡した。約2年間で4000万円ほどの儲けになった。その買い取り業者は、ネット上で消費者に販売したはず」(劉さん) 何と中国系業者によるPS5転売に日本人が加担していたというのだ。 「中国人の並び屋の多くは、ノウハウを盗んで自分で転売業者になろうとするので、ライバルがどんどん増えていく。その点、日本人の並び屋はそういうことは考えないので使っていて安心(笑)」(同) 転売の対象とされている商品の販売元や、フリマサイトなどではさまざまな転売防止策を講じているが、今後も転売行為が根絶されることはなさそうだ。 =この項おわり 1都3県に住む外国人は120万人とも言われ、東京は文字通りの多民族都市だ。ところが、多文化共生が進むロンドンやニューヨークと比べると、東京在住外国人たちはそれぞれ出身地別のコミュニティーのなかで生活していることが多い。中韓はもとより、ベトナム、ネパール、クルド系など無数の「異邦」が形成されているイメージだ。その境界をまたぎ歩き、東京に散在する異邦を垣間見ていく。境界の向こうでは、われわれもまたエイリアン(異邦人)という意味を込めて。 ■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき) 1980年、愛媛県出身。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国で現地取材。2008年に帰国後、「国家の政策や国際的事象が、末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに取材活動。16年「週刊SPA!」で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論され、健康保険法等の改正につながった。著書に「ルポ 新型コロナ詐欺」(扶桑社)など。
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