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全国旅行支援が年明けから再始動へ。最新トレンドは土産店より「旅先スーパー」!山奥の個人店から “県民御用達” ローカルチェーンまで、スーパーマーケット研究家の菅原佳己さんに九州・沖縄の名店を聞いた。 【写真あり】トキハインダストリー 春日浦フードスタジアム/大分県・大分市 ●<ダイキョーバリュー弥永店/福岡県・福岡市> ◎スイーツもカレーも実力派すぎる 福岡と長崎の五島に4店舗。全店で開催する「日曜朝市」と「木曜夕暮市」で食べるべきは、九州のご当地食で、同社特製の焼き豚足。柔らかく茹でた後、塩胡椒を振り、カリッと焼き上げた自信作だ。 店の向かいには、同社が運営するスイーツ店「おこめのおめかし」が。オリジナルのはぎトッツォは一見ウケ狙いだが、2018年に5万点以上がエントリーした「お弁当・お惣菜大賞」のスイーツ部門で最優秀賞を受賞したフォークで食べる八女抹茶のクリームおはぎがベースとなっている。 さらに同店は、カレーとスパイスコーナーが本格的すぎると話題だ。仕入れをまかされたネパール人のコイララ・カマルさんが作る週替わりのコイララチキンカレーが、毎週水曜日に惣菜コーナーで販売されている。 ●<トキハインダストリー 春日浦フードスタジアム/大分県・大分市> 大分や別府の中心部にそびえる百貨店・トキハのグループ企業で、県下に23店舗。同店は大分県立春日浦野球場跡地に建てられ、スタジアムを模した外観や、大分出身のプロ野球選手を紹介するコーナーなど、随所に野球へのオマージュが。ご当地食のとり天や、地元のフンドーキン醤油を求める地元住民のほか、高校野球ファンも訪れる。 ●<まいづるキャロット西唐津店/佐賀県・唐津市> 創業89年、県民が信頼するまいづる百貨店。総合スーパーと食品スーパー部門は合わせて10店舗あり、衣料品店やコンビニも展開する。 取り寄せでも有名な佐賀の温泉名物の温泉とうふと温泉とうふ調理水は、スーパーなら安価。鍋で煮るうち、豆腐が溶けてまろやかになる。つまみは、ピリ辛な練り物フライの馬郡のミンチ天(馬郡蒲鉾)を。 ●<ナガノヤ芳士(ほうじ)店/宮崎県・宮崎市> グループ10店舗の名物は、逆ギレ弁当と称する弁当群。ビリー南蛮逆ギレ弁当は、元ネタになった歌手のビリー・バンバン公認で、店内にはサインが。中身は九州産米と九州産若鶏のチキン南蛮で、タレは自家製無添加と、逆ギレしながら根はマジメ。世間は値上げラッシュだが、現在も弁当のほとんどが200円台。なお、「逆ギレ」の由来は「特にない」(店長談)。 ●<サイキ美津島店/長崎県・対馬市> 対馬島内に3店舗。各店に設置された生産者直売所が大人気。希少なニホンミツバチの対馬はちみつや、真珠の珠出しの12~1月のみ食用として出るあこや貝の貝柱は限定品。ネバネバの海藻カジメや、サツマイモが原料の郷土食の六兵衛などレアな味ばかり。ところで、対馬は国境の島でもある。韓国風豚焼き肉のとんちゃんも忘れずに。 ●<全日食 高遊原(たかゆうばる)店/熊本県・西原村> 阿蘇の雄大な高遊原台地にあり、コンビニほどの広さながら県内外から人が集まる店。買うのはフタエゴ、アキレス、タテガミなどの馬肉だ。開業当時、馬肉の取り扱いは多くはなかったが、新鮮で安いと口コミで広がり、品揃えは馬肉中心になっていった。惣菜の馬メンチや馬スジ肉煮込み、熊本のブランド牛のあか牛の牛丼は家庭的なウマさ。 ●<A-Zあくね/鹿児島県・阿久根市> 24時間年中無休、商品数40万点超の巨大スーパーセンター。たとえば、醤油は280種類以上。あまりに広く、店の端まで見通せない。地元ではつけあげと呼ばれる、少し甘めのさつま揚げや、あんこをカステラと餅で巻いたあか巻なども必見の大量陳列。土産は地元の鶴翔高校3年A組の豚みそで決まりだ。県内に、さらに巨大なA-Zが2つある。 ●<知念商会/沖縄県・石垣市> ◎知念商会石垣島B級グルメの代表格「オニササ」! 週末は台湾からも観光客がやって来て、1500食が完売するというオニササ。おにぎりとささみなどのフライをギュッと握って合体させ、好みの調味料で食べる、自分好みの味をすぐに食べられる石垣島のファストフードで、知念商会が発祥だ。 オニギリ+ササミフライ=「オニササ」というわけだが、おかずがポーク天(ランチョンミート天ぷら)ならオッポーという呼び名になる。 八重山そばは、だしと麺が別々に売られており、島スパイス・ぴーやしを加えるのが島スタイル。ご当地乳酸菌飲料のゲンキクール(八重山ゲンキ乳業)やマリーブ(マリヤ乳業)、伝統的お米飲料・みきを飲めば、癒やしの味で暑さも心地よい。 菅原さんの研究家への道を開いたのは、「せみ餃子」との出会いだーー。(以下、菅原さん) きっかけは約30年前。夫の転勤で、東京を離れて暮らした愛知で見た光景でした。 後にこれこそが “ご当地感” だとわかったのですが、関東人好みの醤油せんべいは1種類のみ、あとは通路一列、全面がえびせんべいだったのです。 同じころ、旅先で手にした「せみ餃子」。関西人なら誰もが知る商品でも、当時「せみ」の由来は知られていませんでした。 そこで京都のメーカーに問い合わせてみると「うちー、珉珉(みんみん)食品いいますねん」。このときの「こんなおもしろい話、みんなに教えなきゃ!」という思いが、 “スーパーマーケット研究家” となるきっかけでした。 現在までに、47都道府県、800店以上のスーパーを訪ねました。そして新聞や雑誌、テレビなどを通して、全国のスーパーや、そこで買える地元食の魅力を発信しています。 財布の紐が堅くなる昨今ですが、各店の弁当、惣菜のレベルアップはすさまじく、「スーパーの惣菜でごめんね」の時代から、今では「あのスーパーの○○が食べたい」と、その地域の押しも押されもせぬ名物になっています。 私のように、わざわざ遠くのスーパーを訪れるファンは少なくありません。 たとえば、スズキヤ(神奈川)のお茶漬けも楽しめる「鮭と彩り野菜の茶々のり弁」や、主婦の店さいち(宮城)の、毎日、町の人口を上回る数が売れる「おはぎ」。そんな名物を手にしたときの喜びは、地元の人以上かも。 菅原佳己 スーパーマーケット研究家。執筆やテレビ出演、講演活動をこなしながら、自腹で全国のご当地スーパーを行脚。日常食を発掘し、魅力を伝えている。「朝日新聞」の『be』(土曜別刷り)で「お宝発見 ご当地食」を連載中。新刊に『47都道府県 日本全国地元食図鑑』(平凡社) ※今回紹介するご当地商品には、限定品や季節限定品など、現在は店頭にないものも一部含まれます。スーパーの独自商品以外の特定の商品やブランドを紹介する場合、メーカー名を明記しています。価格は取材当時のものです。 写真・菅原佳己(一部、スーパー運営会社より提供)
週刊FLASH 2022年12月20日号
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