2022年12月13日火曜日

武井外務副大臣のネパール、ブータン及びバングラデシュ訪問(結果)

Source:https://www.mofa.go.jp/mofaj/s_sa/sw/bd/page1_001427.html
令和4年11月25日、Googleニュースより
 11月19日から25日まで、武井俊輔外務副大臣は、ネパール、ブータン及びバングラデシュを訪問しました。この訪問の概要は以下のとおりです。
I ネパール(11月19日~11月21日)
II ブータン(11月21日~11月23日)
III バングラデシュ(11月23日~11月25日)

I ネパール(11月19日~11月21日)

1 ネパール第二回連邦下院・州議会選挙の監視




 11月20日から21日にかけて、武井副大臣は、我が国選挙監視団の団長として、ネパールを訪問しました。そして同国の憲法制定後、2度目の連邦下院・州議会選挙における投票所等の視察を行いました。武井副大臣は、カトマンズ郡に設置された投票所4か所((1)ヴェド・ビダシュラム・ガウシャラ(Ved Biddhashram,Gaushala)、(2)アンナプルナ中学校(Annapurna English Secondary School)、(3)ダルバール広場(Durbar Square)2か所)及び開票所を訪問し、投票実施状況の視察や各選挙責任者から投票所・開票所の運営状況や課題等についての聴取、意見交換を行いました。


2 政府要人等との意見交換

(1)バンダリ・ネパール大統領への表敬




 21日、武井副大臣は、ビディヤ・デヴィ・バンダリ・ネパール大統領(Right Honorable Ms. Bidhya Devi Bhandari, President of Nepal)を表敬しました。
 武井副大臣から、日本の政務レベルとしては2019年以来、また新型コロナ流行拡大後初のネパール訪問であることに触れた上で、2015年に制定された新憲法の下で2回目となる今回の選挙が成功裏に実施されたことへの祝意を伝えました。また、本年はネパール初の国外への留学生として8名の留学生が訪日してから120周年という両国にとって記念すべき年であるとして、両国間の友好関係の基盤である人的交流が促進されていることを歓迎しつつ、引き続き「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて協力していきたい旨を述べました。
 これに対し、バンダリ・ネパール大統領から、安倍元総理逝去に対する哀悼の意が表されるとともに、今回の我が国選挙監視団派遣への謝意が伝えられました。また、これまでの日本の支援に謝意を表明するとともに、今後も人的交流を始めとする幅広い分野での両国関係の発展を期待する旨発言がありました。

(2)ティミルシナ上院議長への表敬



 20日、武井副大臣は、ティミルシナ上院議長(Right Honorable Mr.Ganesh Prasad Timilsina, Chairman of National Assembly)を表敬し、新憲法に基づく2回目の国政選挙が成功裏に実施されたことへの祝意を伝えるとともに、日本としてネパールにおける民主主義定着に引き続き協力していきたい旨述べました。また、新しく選出される連邦議会と我が国国会との議会間交流も活発化させたい旨も述べました。
 これに対し、ティミルシナ上院議長から、武井副大臣のネパール訪問への歓迎と、選挙監視への感謝の意が表されました。さらに本年7月のティミルシナ上院議長の訪日について言及があるとともに、これまで日本が長期にわたり、ネパールにおける民主主義の定着を積極的に支援してきたことに対しても謝意が表明されました。

(3)タパリヤ選挙管理委員会委員長との面会



 21日、武井副大臣は連邦下院・州議会選挙の実施を担うネパール選挙管理委員会のタパリヤ選挙管理委員長(Hon. Dr. Dinesh Kumar Thapaliya, Chief Election Commissioner)と面会しました。
 武井副大臣から、新憲法に基づく2回目の国政選挙が成功裏に実施されたことを祝福するとともに、タパリヤ選挙管理委員長を始めとする選挙管理委員会の方々の努力に敬意を表しつつ、今回の選挙によってネパールの民主主義が更に進展し、政治的安定を基礎としたネパールの経済発展が順調に進むことを願うと述べました。
 これに対し、タパリヤ選挙管理委員長から、武井副大臣を始めとする選挙監視団の訪問及び日本からのこれまでの支援に謝意を表明するとともに、ネパールにおける民主主義の定着には今後も日本の協力が必要であり、引き続き支援をお願いしたい旨発言がありました。

II ブータン(11月21日~11月23日)

1 国王陛下表敬及び政務要人等との意見交換

(1)ワンチュク国王陛下への表敬



 22日、武井副大臣は、ジグミ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク・ブータン国王陛下(His Majesty Jigme Khesar Namgyel Wangchuck, King of Bhutan)を表敬しました。
 武井副大臣から、安倍元総理の逝去に際する国王陛下御自身によるバターランプ法要の実施及び国葬儀へのソナム・デチェン・ワンチュク王女殿下の御出席への謝意を表明しました。また、日・ブータン関係は、皇室・王室間を始めとする交流、長年に亘る経済協力等を通じて良好であり、今後も両国の関係が一層深まるよう取り組みたい旨述べました。
 これに対し、ワンチュク国王陛下より、安倍元総理に対する哀悼の意が改めて表されるとともに、これまでの日本からブータンに対する支援への謝意が表明されました。また、人的交流をはじめとする幅広い分野での両国関係の発展を期待する旨の発言がありました。

(2)ツェリン首相への表敬



 22日、武井副大臣は、ロティ・ツェリン・ブータン王国首相(H.E. Lyonchhen Dr. Lotay Tshering, Prime Minister of Bhutan)を表敬しました。
 武井副大臣より、日本とブータンの関係は、皇室・王室間等の交流、長年の経済協力等を通じて極めて良好であり、今回の訪問を契機に、ポスト・コロナの二国間関係を更に発展させていきたい旨述べました。
 これに対し、ツェリン首相から、これまでのブータンの発展における日本の支援に対し謝意が表明されました。また、本年が日・ブータン青年海外協力隊(JOCV)派遣取極締結35周年であることを踏まえ、これまでの隊員の貢献に謝意が表明され、更なる活躍への期待が表明されました。

(3)ドルジ外相への表敬



 22日、武井副大臣は、タンディ・ドルジ・ブータン王国外相(H.E. Lyonpo (Dr.) Tandi Dorji, Minister of Foreign Affairs of Bhutan)を表敬しました。
 武井副大臣から、コロナ禍への対応のために「新型コロナウイルス感染症危機対応緊急支援借款」など、ブータンの保健・医療体制強化のため支援を実施してきた旨述べました。
 これに対し、ドルジ外相から、日本はブータンの発展における重要なパートナーであるとし、これまでの支援に対し謝意が表明されました。そして、10月にティンプーで実施されたブータン日本週間に言及しつつ、両国間の人的交流、文化交流の更なる発展のため協力していきたい旨述べました。
 また、国際的な課題や地域情勢についても意見交換を行いました。

2 視察等

(1)農業機械公社及び西岡ミュージアム視察
西岡ミュージアム


 21日、武井副大臣は、農業機械公社の敷地内にある農業専門家の故西岡京治氏(注)の業績を紹介する西岡ミュージアムを訪問しました。

【参考】
 故西岡京治氏は、1964年に農業専門家として派遣されて以来、1992年に亡くなるまで28年間ブータンの農業開発に尽力。その献身的かつ誠実な仕事ぶりで、第4代国王陛下(前国王)から“ダショー”(ブータンの爵位)の称号を授けられた(現在まで外国人としては唯一)。

(2)無償資金協力「東部地域における保健医療サービス強化計画」交換公文署名式への立会い



 22日、武井副大臣は、ティンプーにおいて、タンディ・ドルジ・ブータン王国外相(H.E. Lyonpo (Dr.) Tandi Dorji, Minister of Foreign Affairs of Bhutan)とともに、鈴木駐ブータン次期大使(インドにて兼轄)とチョキ・チョーデン・ブータン王国政府外務省二国間局長(Ms. Tshoki Choden, Director, Department of Bilateral Affairs, Ministry of Foreign Affairs of Bhutan)との間で行われた無償資金協力「東部地域における保健医療サービス強化計画」の交換公文署名式に立ち会いました。

III バングラデシュ(11月23日~11月25日)

1 第22回IORA閣僚会合への出席

(1)閣僚会合でのスピーチ




 24日、武井副大臣は、ダッカで開催された第22回環インド洋連合(IORA)閣僚会合に出席しました。同会合において、武井副大臣から、インド洋周辺地域における日本の長年にわたる海洋安全保障分野、防災分野での取組を紹介しつつ、地域の繁栄の利益を全ての国が享受するためにはルールに基づく国際秩序が必要不可欠であり、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けてIORAと引き続き協力していく旨のスピーチを行いました。

A.K.アブドゥル・モメン・バングラデシュ外務大臣
アリ・サブリー・スリランカ民主社会主義共和国外務大臣


 スピーチのほか、閣僚会合の議長を務めたA.K.アブドゥル・モメン外務大臣 (H.E. Dr. A. K. Abdul Momen, Foreign Minister of the People’s Republic of Bangladesh)、次期議長国であるスリランカ民主社会主義共和国のアリ・サブリー外務大臣(Hon. M.U.M. Ali Sabry, Minister of Foreign Affairs of the Democratic Socialist Republic of Sri Lanka)および以下の出席者とも会談を行いました。アハメド・カリール・モルディブ外務担当国務大臣(Mr. Ahmed Khaleel, Minister of State for Foreign Affairs of the Maldives)
アラン・ガヌー・モーリシャス陸運ライトレール大臣兼外務・地域統合・国際貿易大臣(Hon. Alan Ganoo, Minister of Land Transport and Light Rail, Minister of Foreign Affairs, Regional Integration and International Trade of Republic of Mauritius)
メフディ・サファリ・イラン経済外交担当次官(Dr. Mehdi Safari, Deputy Foreign Minister for Economic Diplomacy of Ministry of Foreign Affairs of Islamic Republic of Iran)
カシム・ルツフィ・コモロ・アラブ世界協力担当長官(外務・国際協力大臣(ディアスポラ・フランコフォニー担当))(S.E.M Kassim Loutfi, Secretary of State in charge of Cooperation at the Minister of Foreign Affairs and International Cooperation in charge of Diaspora and Francophony of Union of Comoros)
スレイマン・マサウド・マカメ・タンザニア・ザンジバル革命政府(注)・ブルーエコノミー・漁業大臣(Hon. Mr. Suleiman Masoud Makame, Minister of Blue Economy and Fisheries of the Revolutionary Government of Zanzibar, United Republic of Tanzania)
キャンディス・マシェホ=ドラミニ・南アフリカ国際関係・協力副大臣(Hon. Ms. Candith Mashego-Dlamini, Deputy Minister of International Relations and Cooperation of the Republic of South Africa)
レオン・ジャン・リシャール・ラクトゥニリナ・マダガスカル国防大臣兼外務大臣代理(Léon Jean Richard Rakotonirina, Minister of National Defense and Acting Minister of Foreign Affairs, Republic of Madagascar)

(注)タンザニアは本土タンガニーカと島嶼ザンジバルが合併してできた連合共和国であり、ザンジバルには広範な自治権を有する政府が存在。
アハメド・カリール・モルディブ外務担当国務大臣
アラン・ガヌー・モーリシャス陸運ライトレール大臣兼外務・地域統合・国際貿易大臣
メフディ・サファリ・イラン経済外交担当次官
カシム・ルツフィ・コモロ・アラブ世界協力担当長官
スレイマン・マサウド・マカメ・タンザニア・ザンジバル革命政府・ブルーエコノミー・漁業大臣
キャンディス・マシェホ=ドラミニ・南アフリカ国際関係・協力副大臣
レオン・ジャン・リシャール・ラクトゥニリナ・マダガスカル国防大臣兼外務大臣代理


【参考】環インド洋連合(IORA)
 環インド洋地域における経済面での協力推進を主な目的とした地域機構であり、我が国は対話パートナーとしてIORAへ参加。IORAは重点協力分野として、(1)海上安全保障、(2)貿易・投資の促進、(3)漁業管理、(4)災害リスク管理、(5)学術・科学技術協力、(6)観光促進・文化交流を挙げている。
加盟国:豪州、バングラデシュ、コモロ、仏、インド、インドネシア、イラン、ケニア、マダガスカル、マレーシア、モルディブ、モーリシャス、モザンビーク、オマーン、セーシェル、シンガポール、ソマリア、南アフリカ、スリランカ、タンザニア、タイ、UAE、イエメン
対話パートナー:中国、エジプト、独、伊、日本(1999年参加)、韓国、ロシア、トルコ、英、米

2 政府要人との面会

(1)ハシナ首相への表敬



 24日、武井副大臣は、シェイク・ハシナ・バングラデシュ人民共和国首相(H.E. Sheikh Hasina, Prime Minister of the People’s Republic of Bangladesh)を表敬しました。
 武井副大臣から、本年は日・バングラデシュ外交関係樹立50周年という節目の年であり、2014年に立ち上げた「包括的パートナーシップ」を立ち上げた後も様々な分野で協力を深めてきている、今回の訪問ではIORA閣僚会合に出席する旨述べました。
 これに対し、ハシナ首相からは、IORAという重要な枠組みに武井副大臣が参加されることは喜ばしい、「ベンガル湾産業地域成長地帯(BIG-B)」構想の下実施されてきたこれまでの日本のインフラプロジェクトをはじめとする様々な分野の協力に感謝する旨述べました。
 両者は、ミャンマー・ラカイン州からの避難民問題についても意見交換し、引き続き協力していくことを確認しました。

(2)アラム外務担当国務大臣との会談



 11月24日、武井副大臣は、シャハリアル・アラム・バングラデシュ人民共和国外務担当国務大臣(H.E. Mr. Shahriar Alam, State Minister for Foreign Affairs of the People’s Republic of Bangladesh)との会談を行いました。
 武井副大臣から、外交関係樹立50周年の節目に、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けてバングラデシュと連携していきたい旨述べました。また、第22回IORA閣僚会合議長国としてのバングラデシュの積極的なリーダーシップに対する敬意を表明しました。
 これに対し、アラム外務担当国務大臣から、武井副大臣と5年ぶりに再会できたことを嬉しく思うとともに、更なる二国間関係の強化に向けた協力を進めていきたい旨述べました。また、バングラデシュの持続的成長に資する日本の長年にわたる支援に対する謝意を表明しました。
 両者は、このほか、ミャンマー・ラカイン州からの避難民問題や国際場裡における協力、地域情勢について幅広く意見交換を行いました。

3 意見交換等

(1)国連常駐代表、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)バングラデシュ副代表等との意見交換

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