Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/2a3de5bfd4126443a2921fb616a00451a1481542
【列島エイリアンズ】 大手自動車メーカーの偽造エアバッグを販売したなどとして、群馬県伊勢崎市在住でパキスタン国籍の中古車販売業の男ら4人が警視庁生活経済課に逮捕された。 産経新聞によると、逮捕容疑は2022年5~6月、トヨタやホンダ、日産の偽のエンブレムがついたエアバッグ5個を、オークションサイトを通じ、神奈川県の男性ら2人に計10万9200円で販売し、各自動車メーカーの商標権を侵害したことだという。 男らは、海外からエアバッグの部品や偽のエンブレムを輸入し、群馬県内の工場で組み立てており、21年4月~22年10月に偽造エアバッグ926点が販売され、計約1700万円を売り上げたとみられる。 この「パキスタン国籍の中古車販売業」という肩書は、しばしばニュースで耳にするキーワードだ。 直近の報道を振り返ってみても、埼玉県春日部市で自動車の保管を行うヤードと呼ばれる施設を、必要な届け出を出さずに運営していたとして20年2月、県条例違反の容疑でパキスタン国籍の中古車販売業の男が逮捕された。 さらに日本国内で盗難車を海外に運び出していたとして、18年12月に盗品等有償譲り受けや関税法違反などの容疑で捕まったのもパキスタン国籍の中古車販売業の男だった。 ちなみに16年公開の綾野剛主演の映画「日本で一番悪い奴ら」でも、盗難車をロシアに転売するパキスタン人の中古車販売業が登場する。 言うまでもないが、中古車販売業を含む大多数の在日パキスタン人は、善良な隣人である。では、「パキスタン国籍の中古車販売業」による事件がしばしば報じられる理由は何なのか。 考えられるのは、単純にその数が多いからである。 「日本には約2万人のパキスタン人が在住しているが、おそらくその半分くらいが中古車販売業とその家族です」 そう明かすのは、元中古車販売業で今は都内パキスタン料理店で働く来日8年のアブドゥルさん(仮名)だ。 確かに日本国内でも、周辺に中古車のオークション会場が点在する埼玉県八潮市や、中古車の一大輸出港を抱える富山県射水市は、パキスタン人住民が集中していることで知られている。 だが、それにしても、中国でもインドでもなく、なぜパキスタンなのか。そこにはある程度の必然があった。 =つづく 1都3県に住む外国人は120万人とも言われ、東京は文字通りの多民族都市だ。ところが、多文化共生が進むロンドンやニューヨークと比べると、東京在住外国人たちはそれぞれ出身地別のコミュニティーのなかで生活していることが多い。中韓はもとより、ベトナム、ネパール、クルド系など無数の「異邦」が形成されているイメージだ。その境界をまたぎ歩き、東京に散在する異邦を垣間見ていく。境界の向こうでは、われわれもまたエイリアン(異邦人)という意味を込めて。 ■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき) 1980年、愛媛県出身。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国で現地取材。2008年に帰国後、「国家の政策や国際的事象が、末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに取材活動。16年「週刊SPA!」で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論され、健康保険法等の改正につながった。著書に「ルポ 新型コロナ詐欺」(扶桑社)など。
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