Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/60c5da386a1e1de017a5c39b2646cc1f6f490154
トルコ南部とシリア北部の複雑な国境線の周辺を襲った大地震と、その後の大きな余震は、地域の住民たちの生活を一変させている。被災した人々が直面する現在の状況は、おそらく想像を絶するほどのものだろう。 【写真】トルコとシリアでマグニチュード7.8の大地震 トルコ政府は2月6日(現地時間)、地震発生後すぐに、一時的に避難するためのシェルターや宿泊施設を必要とする人は、38万人を超えると発表している。また、現段階で死者は2万人を超えるとされている。
被災地の状況は?
ヨルダンとレバノンに拠点を置き、アラブ地域の女性や若者たちをサポートする活動を行っている団体「アクションエイド(ActionAid)」のサビーン・アビ・アードさんは、UK版『ウィメンズヘルス』誌に対し、被災地の現状について次のように語っている。 「被災した人たちの大半は、シリア国内の紛争を逃れてきた避難民や、住む家を失った人たちです。つまり、(人によっては)すでに何度か、住む場所を奪われているということです。そして今回また、大きな打撃を受けました」 「その恐ろしい状況は、極度の寒さによりさらに厳しいものになっています。がれきの中からの被災者の救出活動は、大雨や氷点下の気温に阻まれています」
緊急事態時に女性がさらされる危険
2010年にハイチで、2015年にネパールで起きた地震の被災者支援などにあたってきたアビ・アードさんは、過去の経験から、緊急時にはあるパターンがみられると指摘する。 そのひとつが、食料もシェルターも不足する混乱した状況のなかでは、女性と少女たちが性的搾取の危険にさらされる可能性が高まるということ。 家をなくした女性たちは、プライバシーも失う。さらに、家族が亡くなったり負傷したりしていた場合、たったひとりで路上で寝起きすることになったりした場合には、そうした危険は常時つきまとうことになる。 また、「もう娘には何もしてあげられない」と考える家族が出てくることにより、児童婚が増加する可能性も高まる。そのほか、極度にストレスが高まった状況では、ドメスティックバイオレンスが増加することもすでに統計で明らかになっている。 家事の大半を担い、子どもや高齢者の世話をする女性たちの負担は、こうした危機的な状況下で、さらに大きくなるのだ。 そして女性には、生理用品や妊娠中の適切なケア、授乳のための十分な栄養の摂取といった現実的な問題がある。だがいっぽう、人道支援チームのメンバーは、ほとんどが男性ということが多い。そのため、こうした女性ならではの問題が適切に理解されないことがある。 アビ・アードさんは、「女性のニーズを理解しているのは女性」だとして、この問題についてできることは、危機的な状況に置かれた女性たちを支援する側の女性のプレゼンスを高めることだと述べている。 女性が主導する支援団体により多くの資金が提供されるべきであり、現場で人道支援活動を行うより多くの女性スタッフが必要だという。
私たちにできることは?
・寄付 経済的に余裕があまりない状況でも、「いくらかの寄付はできる」という人もいるはず。「アクションエイド」がメンバーとして加わるイギリスの災害緊急委員会(DEC)など、多くの組織・団体が、被災地への支援活動のための寄付を募っている。 シリアで救助活動を行うボランティア組織「ホワイト・ヘルメッツ」(正式名称はシリア民間防衛隊)に寄付することもできる。もちろん日本からでも、「WFP(世界食糧計画)」や「国境なき医師団」、「日本赤十字社」、「駐日トルコ共和国大使館」、「国連UNHCR協会」や「Yahoo!基金」などさまざまな団体や組織を通じてドネーションをすることができるので、気になる人は調べてみて。 ・関心を持ち続ける こうした危機的な状況に関するニュースや、寄付に関する情報をオンラインでシェアすることも、多くの人にこの災害に関心を向けてもらい、支援活動を行う団体が必要とする資金をより多く集めることにつながる。
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