Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/84dc778778cd1a4dea5bf4c8d6ce586848bc66e2
みなさん、ナマステ(ネパール語でこんにちは)。前回に続き、新大久保で急速に進化するネパールタウン「リトル・カトマンズ」を探索します。裏テーマはモモ(ネパール風餃子)の食べ比べ! 【写真】「ソルティカージャガル」のディープな店内とメニュー ■超ディープな怪しい隠れ家! ガチンコネパール料理店 さて、ネパール料理屋さん2軒目の訪問は、マンションの2階にあるちょっと怪しい隠れ家的お店「ソルティカージャガル」さんです。一見、海外の日用品や食品を扱う小さな商店なのですが、奥には隠れた(?)テーブル席があるという。 そんなディープさと本場の味が玄人ウケする、ガチンコネパール料理店です。この手の店にはワクワクが止まらない! 手前にある美容室を通り過ぎ、軒先に日用品が売られている店内に入ると、小さなスペースにはネパール食材がギッシリと並んでいる。 「果たして、この奥に本当に食べるところがあるのだろうか...?」 ネパール人のパパ店員さんに、ちょっとドキドキしながら店の奥を指差すと、すんなり席に案内してくれた。 奥のスペースにはテーブル席が3つほどあり、壁にはネパールの風景写真やチベット仏教で用いられる五色の祈祷旗「タルチョ」が飾られている。タルチョの青は空、白は風、赤は火、緑は水、黄色は大地を表しており、それぞれには経文が書かれている。 ちなみに、風で揺れるたび、お経を唱えるのと同じ効果をもたらすそうですが、それって効率的ですね! 腰をかけつつまずはメニューを確認すると、日本語も添えられていてちょっと安心。ふと壁に貼ってある「新メニュ」を見ると、目に入ったのは「キ◯タマの炒め」の文字。 「......え!?」 思わず二度見です。
「こ、これ!」 と指差すと、パパは笑いながら 「アハハ、ラスカニ! ヤギラスカニ!」 どうやら山羊のキ◯タマということらしい。 マニアックな店の奥ではこんなおったまげメニューも普通に存在する。旅人のプライド的にここはいっておきたかったけれど、まずはラッシーを頼んで心を落ち着かせた。 そして読者のみなさま、期待に答えられず申し訳ありません。迷いに迷って......、私はとりあえず今回の目的である「モモ食べ比べ」のために水牛(バフ)のモモを頼みました(結局ヤギのそれは白子のようなもので、日本でも石垣島や沖縄では食べられているらしい。意外と一般的......?)。 そして私はキ◯タマ炒めの代わりにせめて何かチャレンジしようと、メニューにある「グンドゥルックのスープ」というものを指差してみた。何かと尋ねると、パパは商店の方からビニールに入ったカラカラに乾燥した葉っぱを私に見せてくれた。見た目は食べ物というよりも、もはやタバコの葉っぱのような感じ......。 これまた謎の食材でしたが、少なくとも「キ◯タマ炒め」よりは食べやすそうなので注文すると、出てきたのは水分を吸ってかなりの量に膨らんだ先ほどの葉のスープ。食べきれるか心配でしたが、何はともあれ口をつけると、 「おお、酸っぱい。発酵食品の乳酸のような酸味がウマイ。そして時々、茎みたいなところが硬いけど、噛めば噛むほど味が出る......!」
「グンドゥルック」とは、青菜を乾燥させて発酵させた、ネパールの高菜や野沢菜のようなもの。酸味の中に時々苦さも感じたけれど、「良薬口に苦し」という感じで体に良さそう。根強いファンもいるようで、新大久保のネパール食材店ではもちろん、通販サイトなどでも入手可能な食材です。 そこに、待ってました! モモ登場! もはやモモに安心感すら感じますが、中身のお肉は水牛です。香り立つ湯気からはワイルドな獣感! チベット式(餃子型)のそれを口に運ぶと、現地で食べたあの味と同じ......! 「うぉー!!!! これこれこれこれ! ネパールで食べたのはこの味よ!」 懐かしい味に旅を思い出し、嬉しい気持ちになりました。目の前にはネパールの第二都市ポカラで見たヒマラヤ山脈、アンナプルナ連峰の景色が広がった(目の前にポスターがあったからですが)。 さすがの水牛パンチ。ゴロゴロと少し硬めのお肉が皮の中からこぼれ落ちる。黄色い油のスープが滴るのを指差して、クミンが入っているのかしらと聞いてみると、キッチンから出てきたシェフらしき男性が、 「NOクミン。タマネギ、ニンニク、ショウガ、ターメリック、タマリンド......」 と教えてくれた。なるほどカレーっぽい味はターメリックだったのか。甘酸っぱさはクミンかと思ったけど、タマリンドだったのね。秘伝のレシピ(?)ゲットです。 この店のオープンは2014年。実は前回訪れた「ネパール居酒屋モモ」に次いで、この街で2番目にできたネパール料理店ですが、日本に染まることなくローカル色全開のスタイルが潔い。本場の味を求める人や、よりディープなリトル・カトマンズを体験したい人には迷わずオススメしたいお店です。 優しいパパとシェフの方、ダンネバード(ありがとう)! 異国情緒漂う雰囲気にちょっとドキドキしながら、小さな旅のような経験ができました。次回来た時はラスカニも食べてみますかに......。 ★ディープな「リトル・カトマンズ」体験をYouTubeでも! ●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。Twitter【marysha98】Instagram【marysha9898】YouTube『旅人まりーしゃの世界飯 Traveler Marysha』
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