Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/bd9739a1b287f31c6aa758b1495010aca010801d
【列島エイリアンズ】 3年ぶりの爆買い再燃となるのだろうか。 昨年末、それまで続けてきた強権的なゼロコロナ政策を転換した中国は1月8日、入国者・帰国者に対する隔離措置も撤廃した。これにより、気軽に国外へ出て帰国することが可能になった中国人の間で、海外旅行への関心が一気に高まっている。おりしも22日からは、1週間の春節休みが始まるのだ。 【写真】中国人観光客らによる春節爆買いの様子 中国の大手旅行会社、Trip.comの統計によると、中国周辺国のなかでは日本が一番の人気旅行先となっている。 実際には、中国からの航空便の運行がコロナ前の9割減となっていることや、パスポートの発給が8日まで停止されていたことで、有効なパスポートを持つ中国人が限られていることなど、爆買いの完全復活にはハードルもある。 それでも日本の観光地や関連事業者からは、中国人の爆買いに期待を寄せる声も上がっている。 一方で気になるのが中国の感染状況だ。公式データでは、ゼロコロナ政策転換後もそれほどの変化は認められない。しかし、中国がWHO(世界保健機関)から新型コロナ関連の死者数を過少報告していると指摘されていることは周知のとおり。火葬場に行列が出たり、著名人が相次ぎ死亡したりしていることから、深刻な状況となっている可能性もある。 そんななか、日本政府は中国からの入国者・出国者に限っては、抗原定量やPCR検査を実施するなど水際対策を強化した。 「感染者の入国は阻止しながら、チャイナマネーだけは国内に取り込みたい」というのが政府や関連事業者のホンネだろう。だが、現在、入国者・帰国者に対して取られている検疫体制の体たらくを見る限り、そんないいとこ取りは難しいように思える。 筆者の実感としては、「少々の感染状況悪化には目をつぶって中国人による爆買いに期待するか、爆買いはお預けにしてでも感染状況悪化を阻止するか」の二者択一しかない。 次回は、筆者がそう思うに至った、全国の国際空港で行われている新型コロナに対する水際対策のザル具合、茶番ぶりをお伝えする。 =つづく 1都3県に住む外国人は120万人とも言われ、東京は文字通りの多民族都市だ。ところが、多文化共生が進むロンドンやニューヨークと比べると、東京在住外国人たちはそれぞれ出身地別のコミュニティーのなかで生活していることが多い。中韓はもとより、ベトナム、ネパール、クルド系など無数の「異邦」が形成されているイメージだ。その境界をまたぎ歩き、東京に散在する異邦を垣間見ていく。境界の向こうでは、われわれもまたエイリアン(異邦人)という意味を込めて。 ■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき) 1980年、愛媛県出身。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国で現地取材。2008年に帰国後、「国家の政策や国際的事象が、末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに取材活動。16年「週刊SPA!」で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論され、健康保険法等の改正につながった。著書に「ルポ 新型コロナ詐欺」(扶桑社)など。
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