Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/23928d538c5c3bdaff35b265a3b83753d2207531
早稲田大学探検部(以下、探検部)が大隈記念講堂を会場に「ナカタン氷河遠征報告会」を1月9日、開催した。(高田馬場経済新聞) 【写真】早大探検部が持ち帰った3つの「武蔵野アブラ学会」の丼 探検部は1959(昭和34)年創部のインカレサークル。未踏洞窟の測量調査、未踏峡谷の遡行(そこう)、未確認生命体の調査など、これまで150の遠征を行った。OBには、ノンフィクション作家で探検家の角幡唯介さん、ノンフィクション作家で翻訳家の高野秀行さんなどの著名人もいる。 「ナカタン氷河遠征」は、2018(平成30)年に探検部がヒマラヤに遠征した際、未調査の巨大な氷河を発見したことがきっかけになった。「ナカタン氷河」と名付け、氷河調査の計画を立てたが、新型コロナの影響で延期を繰り返し、昨年9月3日~10月3日、探検部5人で遠征した。 報告会の第1部では、遠征した隊員5人のプレゼンや約40分に及ぶ記録動画を上映。現地の人たちとの交流や高山病に苦しむ様子、クレバスへの落下や隊員の間で起こった葛藤、標高約6000メートルにある目的地を目指す中で想定と異なる状況に直面し、別ルートを模索する様子などを伝えた。 調査の結果、「ナカタン氷河」は溶けにくい寒冷氷河であることが分かり、気候変動の影響を受け、今すぐ溶け出す可能性が低いことが分かった。氷河の融解水を生活用水にしている下流の村で水質調査も実施。きれいな状態で、周辺の生活が環境負荷の低いものであることを確認した。報告書も作成しており、「今後、現地調査が行われる際、先行調査として価値あるものを残したい」(探検部)という。 第2部のトークイベントでは角幡唯介さんとその弟で早大近くの油そば専門店「武蔵野アブラ学会」の共同創業者である陽平さんがゲストで登壇。陽平さんから提供を受けた油そばを標高6000メートルで調理し、沸点が低かったことから思い通りにならなかったが食べたというエピソードも披露された。 唯介さんは「思うがまま、むき出しの冒険みたいなことをしたかったので、学術調査という目的は考えもつかなかった。報告もなかなかできることではない。仲間と喜び、悲しみを分かち合うということがうらやましいと思った」と自身の経験も踏まえながら、ねぎらいの言葉を贈った。 陽平さんは「『油そばを6000メートルで食べたいので提供してほしい。人類初なので』と言われて訳が分からなかったが、映像を見て、この状況で油そばを食べている場合じゃないだろうと思った。探検の深い部分は分からないが、すごいことをやってくれたと感じた」と振り返った。
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