Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/91bd9f0c250b9c3851a20be5567bb86855d82bd5
【ニューヨーク=平田雄介】国連安全保障理事会は12日、国連憲章に違反するロシアのウクライナ侵略などで揺らぐ「法の支配」に関する公開会合を開いた。1月の安保理議長国の日本が議題を設定した。力ではなく、ルールに基づく国際秩序を支持する声が米欧に加え、アフリカなどグローバルサウス(南半球を中心とした途上国)にも広がる中、ロシアと中国が反論した。 安保理会合としては異例の多さの77カ国・地域が参加。シンガポールやリヒテンシュタインの代表が、法的拘束力を持つ安保理決議に違反する北朝鮮の弾道ミサイル発射も相次いだ昨年を振り返り、「法の支配が当然ではなくなった」と強調。力による支配に脆弱(ぜいじゃく)な「中小国の危機感」(国連外交筋)が示された。 グテレス国連事務総長は基調演説で「武力の行使や威嚇によって他国の領土を併合することは国連憲章や国際法違反だ」とロシアの試みを批判し、北朝鮮の核ミサイル開発も「違法だ」と断じた。 林芳正外相が「大小を問わず、全ての国は、法の支配の下でこそ、野蛮な力の恐怖から自由になることができる」と訴えると、非常任理事国のモザンビーク代表が「法の支配はルールに基づく国際秩序の基礎となる」と支持を表明。常任理事国の米英仏の代表も「法の支配を尊重することが国際平和と安定につながる」などと強調した。 これに対し露代表は「われわれが同意できない西側諸国の考え方を押し付けようとしている」と反論。ウクライナ危機の「真の原因は他国の利益を考慮しない西側の偽善だ」と訴えた。中国代表も「ごく少数の国が自らの偏狭な国益を優先するためにルールに基づく国際秩序を唱えている」とロシアに同調した。 しかし、中国の領土侵入を受けたと主張するネパール代表が「ルールに基づく国際秩序を強く支持する」と述べ、民間施設を攻撃されたウクライナ代表が「ロシアの戦争犯罪を裁く特別法廷を設置すべきだ」と訴えるなど、露中を支持する動きは広がらなかった。
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