Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/2697f3c4e8465210f349da19d60d03712a98c1a4
バンコクの官庁街に2月1日、ミャンマー国軍のミンアウンフライン最高指令官を名指しで糾弾する声が響き渡った。3年前のこの日、クーデターにより全権を掌握した首謀者だ。タイで暮らすミャンマー人数百人が国軍に抗議するため集結し、クーデター直後に収監された民主派指導者のアウンサンスーチー氏の解放を求め、国軍への抵抗を示す3本指を掲げるポーズを取りながら声を張り上げていた。タイには政府が公的に把握するだけでも約172万人のミャンマー人労働者がおり、参加者の多くも母国を憂える労働者だった。 【写真まとめ】ミャンマー大使館前でデモ クーデターから3年 ミャンマーでも同じ日に「沈黙のストライキ」が呼びかけられ、最大都市ヤンゴンなどでは普段よりも人通りが減ったという。厳しい監視の目をかいくぐって示せるわずかな抵抗だ。弾圧を恐れて国内では大規模デモは行えず、バンコクでの集会のように在外ミャンマー人が声を上げることが、国際社会に向けて窮状を訴える機会になっている。集会をまとめたスラット・ギリさん(39)は「国軍が何をしているのか、タイの政治家にも世界の人たちにも知ってもらいたい」と力を込める。 ギリさんはミャンマーとネパール出身の両親の元にタイで生まれ、7歳のころにミャンマー北東部シャン州にわたり約10年間過ごしたが、当時の軍政下では将来はないと1人でタイに戻った。以来、土産物や宝石などを扱う商売をしてきたという。クーデター直後からデモに参加し、タイ語が堪能なことから活動の中心的役割を担うようになった。治安悪化を懸念するタイ警察に身柄を拘束されたこともあるが、「参加者を守るためにもタイ当局とはうまく付き合うよ」とたくましい。 ギリさんの右腕には抵抗運動に専念すると決めた際に入れたアウンサンスーチー氏のタトゥーがある。一度は変革は無理だと諦めてミャンマーを飛び出したが、タトゥーに「革命が成し遂げられるまで諦めない」との決意を込めた。国軍の統治が終わるのを見届けたら里帰りし、その後はバンコクで平穏な生活に戻りたいという。クーデターから3年、外圧になればと何度もデモを呼びかけ、さまざまな国のメディア取材に応えてきた。「今回が最後の集会になることを願っている」という言葉が重い。
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