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HTB北海道ニュース
4月からついに、トラックドライバーの時間外労働の規制強化が始まります。 これまでは時間外に関する規制がありませんでしたが4月からは年間960時間月で平均すると80時間に規制されるんです。 これがどういったことを引き起こすかというと…「2030年には、北海道の39パーセントの荷物が運べなくなる可能性がある」とされています。 物流2024問題、一体何が起きてしまうのでしょうか。 トラック・ダンボール北海道のいたるところに毎日荷物を運ぶトラック。 スーパーに並ぶ食料品ももちろんトラックが運んでいます。 しかし、この当たり前の日常が、4月から変わるかもしれません。 物流企業「シズナイロゴス」の恵庭市にある物流センター。午前1時半、1台のトラックが入ってきました。 トラックドライバー伊藤正太さん32歳 Qお天気凄いですね。「このくらいだったら全然」Qこのくらいの時間の出社は多い?「そうですね。割と普通ですね」 トラックドライバーの伊藤正太さん32歳。 ドライバー歴4年目の若手です。 アルコールチェックなど深夜の時間は、恵庭事務所に人がいないため苫小牧事務所の職員が、オンラインで体調をチェックします。 伊藤さんQきょうの行先は?「釧路に行きます。」Q往復で何キロ?「700キロいかないくらいです」 この日はカップラーメンや飲み物、お菓子などを釧路市内の3か所の物流拠点に届けます。 午前2時、片道およそ300キロの釧路に向けて出発です。 Qなんで夜に出発?「交通量が少ないのと荷受けの問屋さん指定時間が午前中っていうのが多いので、朝でて走ると全然間に合わないので」 あたりを見渡すと、伊藤さんが運転するような大型トラックしかこの時間は走っていません。走り出して1時間半。 占冠のパーキングエリアで最初の休憩です。休憩時間は15分。 Qこの15分はどんな風に使う?「自分はすぐ寝ちゃったりするので仮眠ですね」 トラックドライバーの拘束時間は、2024年4月から1日最大15時間となり今までより1時間、少なくなります。 このため・・・ドライバーが荷物を運べなくなるケースが増えるとされ北海道の物流に与える影響は計り知れなく2030年には、現在の物流量が4割減少するのではないかと危惧されています。 そこでドライバーの労働時間を削減しようと伊藤さんが勤める物流企業では、ある工夫をしています。 日本語学校に通う外国人留学生をアルバイトとして雇い、荷物の積み込み作業を任せているのです。 伊藤さんが運んでいる荷物も、前日の夕方にネパールからの留学生のアルバイトが積んでくれました。 これによりドライバーの労働時間は、1日2時間ほど減ったそうです。 ネパールからの留学生「時々重いものもあるので、一人でやるときはちょっと大変です」「リストにある数があるかないか、リストに日付が書いてあるけどそれがあってるかあってないかの確認、重い荷物は下にして、軽いものは上にのせるようにしています」 シズナイロゴス伊藤功一郎社長「雪の降っていない国の人に雪道を運転しろと言っても難しい、分業化して、運転手は配達することに特化してもらう」 1度目の休憩を終え、運転再開です。 2時間ほど運転し、浦幌町のパーキングエリアで2度目の休憩をとります。 朝ご飯は、自宅から持ってきたパン1枚のみ。 Qご飯は?「休憩の隙間でとったりするんですけど、あまり食べない方ですね食べちゃうと眠くなって運転に支障が出てしまうので」 出発から4時間半が経ち、疲れも見え始めていますが、最初の配達が迫っているため、すぐに出発します。 「路面状況がよくなくて、時間がかかっている予定より30分くらい押している」 午前7時過ぎに釧路に到着し早速1つ目の物流拠点へ。 荷物は、一つ一つ手作業で伊藤さんがおろします。 荷下ろしにかかった時間はおよそ1時間。 運転時間外の業務量が多いのは、トラックドライバーの労働時間を圧迫する大きな問題の一つです。 2件目の拠点ではまた別の問題が。 荷下ろしをするトラックが列になっていました。 前のトラックが荷物を降ろし終えるまで伊藤さんは待つしかありません。 「1~2時間待ったりするときはありますね。」Q早いもん勝ち?「そうです。(車を)つけたもん勝ちなので。」「無駄であり(待ち時間が)なくなった分だけ早く帰れるし違う仕事ができる」 厚生労働省の調査によると、「荷待ち時間」の平均は1時間34分。 国は、荷待ち時間を減らすことがトラックドライバーの労働時間削減につながるとしています。 伊藤さんのこの日の荷待ち時間は、およそ30分。 3件の配送が終わったのは、午前11時半でした。 お昼の時間ですが、休憩はとらずすぐに札幌に戻ります。 Q釧路でお昼をとったりは?「めったにない。中々食べている暇もないので。」 朝ご飯同様、お昼ご飯もコンビニで買ったパンやおにぎりで済ますことがほとんどです。 伊藤さんが恵庭に戻ってきたのは、午後5時ちょうど。 午前2時に恵庭を出たので拘束時間は、15時間ピッタリでした。 4月からの規制に則ると、ギリギリの時間です。 「少し荷待ちの時間もあって帰りの高速の事故で高速道路が使えないとなったのが大きな原因状況によっては、(15時間)は厳しいというのはある」 トラックドライバーの1日を見てみると、今の状況はかなり過酷ですよね。 北海道の雇用や労働問題に詳しい北海学園大学の川村雅則教授に2024問題について私たちに出来ることを聞きました。 ▼これまでは運送業者や運転者の負担や犠牲の上に輸送が成り立っていたと言える ▼消費者はどうしても安い商品を選びがちだったがその商品はなぜ安いのか背景に誰かの犠牲はないのか思いを馳せることも必要 トラックドライバーの働き方改革がようやく始まるわけですが、私たちも物流に対する考え方を少し変えていかなくてはいけないですね。 以上特集でした。
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