Source:https://www.jiji.com/jc/article?k=2024022000594&g=int
配信、Googleニュースより
【ニューデリー時事】ウクライナ侵攻を続けるロシア軍に、南アジアの小国ネパールから200人以上が雇い兵として加わった。ネパール政府は歴史的に関係が深い英国とインドを除き自国民が他国の軍隊に加わることを禁じているが、それでも戦場に向かう人が出る背景には国の貧しさがある。故郷に戻ることなく戦闘で命を落とした人もいる。
◇父親に治療を
中部ガンダキ州シャンジャ郡出身のハリ・プラサド・アリヤルさんは、ロシアに渡って約2カ月後の昨年12月に亡くなった。33歳だった。
兄のラジュさん(35)ら複数の親族によると、ハリさんはもともとネパール軍に所属。月給は日本円で約2万2000円だった。ぜんそくに苦しむ父親に良い治療を受けさせようと、高額報酬を得られる仕事を探していた。
ロシア軍に加入すれば約33万円相当の月給を稼げると信じ、昨年10月にモスクワ入りした。「とても危険だが、生き延びたら良い報酬を得られる。死んだら家族が恩給を受けられる」。ロシア行きをあっせんした業者がハリさんにそう約束したのだという。
SNSには従軍中の自らの姿を頻繁に投稿していた。しかし、昨年12月9日以降投稿が途絶え、家族と連絡がつかなくなった。後にネパール当局などを通じ死亡したと家族に伝えられたが、詳しい経緯は不明だ。
遺体が戻らない中、家族は今年1月21日、ヒンズー教で神聖視されている植物でハリさんをかたどった人形を作り、葬儀を行った。
◇家族、入隊知らず
西部スドゥパシュチム州カイラリ郡出身のバラット・シャーさんはロシア軍に入隊後の昨年11月、ウクライナでの戦闘中に負傷し、36歳で亡くなった。交通警察に7年勤務した後、警備員として働くためアラブ首長国連邦(UAE)のドバイへと渡った。
兄のプラカシュさん(40)によれば、バラットさんはドバイからあっせん業者を介してロシア入りしたとみられ、戦闘参加の対価となる「ロシアの市民権取得が目的だったのでは」と推察する。
故郷には妻と子供2人を残していた。プラカシュさんは「父や母は(バラットさんが)ドバイにいると思っていた。続いている戦争が早く終わってほしい」と話した。
ネパール政府によれば、これまでロシア軍所属のネパール人少なくとも13人が戦闘で死亡した。ロシア政府は補償金を出すことで遺族と合意したが、具体的な金額は不明だ。捕虜としてウクライナ軍に拘束されたネパール人兵士もいる。
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