Source:https://www.asahi.com/articles/ASS2N45P6S2JUHBI011.html
ロシアによるウクライナ侵攻から24日で2年。戦闘の長期化で犠牲者が増えるなか、無関係のはずの途上国の若者らが激戦地に送り込まれている実態がわかってきた。
雪に覆われたヒマラヤ山脈をのぞむネパールの首都カトマンズから車で3時間ほど進むと、トタン屋根の家が点在するラスワの村に着く。
スンダル・モクタンさん(36)が村を出ていったのは昨年の夏だった。
妻のパタリさん(34)や高齢の母には「クロアチアに出稼ぎに行く」と言った。渡航許可代などとして借りた約100万ネパールルピー(約112万円)を、あっせん業者に支払った。
スンダルさんは10代後半で入隊したネパール軍に約6年間勤め、マレーシアで警備員もした。村に仕事はなく、帰国後も家族と離れて建設現場で働いた。
パタリさんも6年前から子どもを母親に預け、中東オマーンに学校の清掃員として出稼ぎに出た。
「2人の子どもに良い教育を受けさせたい」
親としてのささやかな願いだったが、稼ぎは月数万円にしかならなかった。
昨年8月上旬、TikTokの投稿で、夫がロシア国旗が描かれた軍服を着ていることに気づき、すぐ連絡を入れた。
「なぜロシアにいるの?」
「家族を養わないといけない。ここなら月の給与で27万ルピーもらえる」
「そんなの必要ない。早く帰ってきて」
「1年辛抱したら、ロシアの市民権や子どもの教育費ももらえるんだ」
「お金よりも命を大事にして」と何度も言ったが、夫は「ここは安全だ」と言い、業者やロシア側の兵士に聞いたという「特典」を強調した。ロシアのどこにいるかは教えてくれなかった。10月中旬を最後に、音信は途絶えた。
届いた録音メッセージ
2カ月以上たった12月30日、パタリさんのスマホに録音メッセージが届いた。
「スンダルさんは、前線で戦…
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