2020年4月14日火曜日

「廃業するしか」 東京都の休業要請で居酒屋経営者に不安

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200410-00000625-san-hlth
4/10(金) 21:58配信、ヤフーニュースより
産経新聞
 新型コロナウイルスの感染拡大に備えた国の緊急事態宣言を受けて10日、東京都が休業要請の対象となる業種・施設を公表した。長引く自粛の影響を受けている居酒屋は、都の当初案からの変更で対象から外れたが、営業時間が午後8時まで、酒類の提供が同7時までと制限を受けることに。「支援はあるのか」「廃業するしかないかも」。翻弄された経営者らの表情は一様に厳しい。

【表】緊急経済対策の主な内容と事業規模

 普段は人であふれる新宿区歌舞伎町。本来なら書き入れ時の夕方以降もシャッターを下ろした店が並び、臨時休業を告げる張り紙が目立った。

 「本当に支援を受けられるのか、はっきりと示してほしかった」。昨年9月にオープンした居酒屋「まぐろ屋 蓬」を1人で切り盛りする店主、蓬田秀一さん(51)は、小池百合子知事の記者会見を伝えるテレビ中継を見つめ、語気を強めた。

 3月の売り上げは1月に比べ6割以上減。家賃や光熱費などの固定費が重くのしかかる。換気を徹底し、除菌作用のある電解水でドアノブやテーブルを入念に拭き上げ、霧吹きで店内に噴霧するなど感染防止対策を徹底しながら営業を継続。昼間のテークアウトや配達サービス導入に活路を見いだすが、予定していたアルバイト募集はやめた。

 都は要請や依頼に全面的に協力する中小事業者に50万~100万円の「感染拡大防止協力金」を支給すると表明している。懸念した休業要請はなく、営業時間短縮に応じれば協力金も支給されるはずだが、「資金が枯渇するとどうしようもない」。がらんとした店内を寂しそうに見つめた。

 渋谷区の雑居ビルでバーを併設したネパール料理店「マンダラ」を営むサキャ・スニルクマルさん(50)は「営業時間をどうするかの次元ではなく、閉店を考えている」と嘆く。

 国の緊急事態宣言後は夜間帯の来客はゼロ。ランチタイムに600円のカレー弁当を200円で販売し始めたが、客足は8割以上減少。赤坂の姉妹店は17日を最後にたたむという。

 平成11年から店を営業しているというサキャさんは「街から人がいなくなった。本当なら花見のいい季節なのだが」。客に配る布マスクをミシンで縫いながら「収束がいつになるのか分からない以上、経営はたちゆかない」とため息をついた。

 JR神田駅(千代田区)近くのダイニングバー「ワニバル」は通常営業を続けてきたが、11日からの休業を決めた。店主の斉木英聖さん(34)は「神田を出歩くのはリモートワークができない会社員が中心。仕事終わりは午後5~6時。8時閉店では集客は見込めない」と話す。

 ゴールデンウイーク明けの5月にも再開したいが、長期休業も覚悟している。電車で1時間近くかけて通勤するアルバイトもおり、「1人だったら続けたかもしれないが、この状況で(感染の)リスクを負わせたくない。お客さんの命も守るためにも、閉めることで協力したい」と厳しい表情で語った。

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