3月25日から、全土でロックダウン(封鎖)措置が取られているインド。多くの工場だけでなく商業施設が閉鎖となり、バスや車も道路から姿を消した。

 それにより大幅に大気汚染が激減し、市民らはおよそ30年ぶりに遠く離れたヒマラヤ山脈の絶景を見ることが可能になっているという。『esquireme』『Insider』などが伝えている。
【都市封鎖で大気汚染が一気に改善】

 インドでは、3月25日から新型コロナウイルスの影響を受けて全国的に封鎖措置が取られているが、この数週間で劇的に変化したことがある。

 それは、空気質指数だ。

 都市封鎖により、自動車、バスが道路から消え、地下鉄も運行を停止。フライトも全てキャンセルとなった他、人口13億6千万人を支える全ての工場が閉鎖となったことで、国全体の大気質が一気に改善されたのだ。

 インド中央公害規制委員会は、デリーで大気汚染レベルがロックダウン前日と比較して最大44%減少したこと、インド全土の85都市がロックダウン最初の週に揃って大気汚染が軽減したことを明かした。

【4月初旬に約200km離れたヒマラヤ山脈の絶景を確認】

 これにより、インド北部パンジャブ州ジャランダールなどの都市から、4月初旬に200kmほど離れたヒマラヤ山脈の絶景が確認された。


 全国的な封鎖が発表されて17日経った時点で、ジャランダールの大気質は世界の大気汚染を示す「リアルタイム空気質指数(World Air Quality Report)」で編集されたデータによると、その16日間が「良好」と測定されているという。

 ジャランダールでは、去年の同じ17日間は1日も「良好」の大気質を記録できず、今年3月の17日間でも「良好」と測定されたのは、たった3日間だけだったそうだ。

 データでは、インドは世界で最も汚染された30の都市圏のうち21を占めており、ワースト10のうちの6つに入っている。

【経済的打撃の一方で美しいヒマラヤの絶景に感動する市民】

 ロックダウンにより、工場などが閉鎖され経済的な打撃を受けている一方で、大気汚染が激減し、新鮮な空気が流れ込んだおかげで、30年ぶりとされるヒマラヤの絶景を見ることができた市民らは感激し、その美しい景色を自宅から撮影してSNSでシェアした。



 中には、自宅からヒマラヤ山脈が見えたのは生まれて初めてという人もいたようだ。



 ちなみに、パキスタンやネパールからも美しいヒマラヤ山脈が見えた。



 現在、インドでは政府により必要以外の外出を全ての市民に禁じているが、ロックダウンとなっている他国同様、食料品店や地方自治体サービス、消防、水道や電気局などは通常通り稼働している。

 なお、ヒマラヤへの登山も既に1か月近く禁止になっている。ネパールと中国の両サイドからできるエベレストへの登山も、3月初旬には閉鎖になったということだ。

written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:都市封鎖で空気がきれいに。30年ぶりに蘇ったヒマラヤ山脈の絶景に市民感激(インド) http://karapaia.com/archives/52290073.html