2020年4月22日水曜日

いきなり好待遇も!海外旅行経験を武器に就活する「旅人採用」って?

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200422-00288248-bizspa-bus_all
4/22(水) 8:45配信
bizSPA!フレッシュ
 就活シーズンが始まりましたが、学生時代のさまざま経験や知識から、何を選んで履歴書やガクチカ(学生時代力をいれたこと)に盛り込んでいけばいいか。面接での伝え方や履歴書やエントリーシートの書き方に悩んだ人も多いのではないでしょうか。

 なかには趣味の項目まであったりして、どう回答していいか頭を抱えた人もいるかもしれません。そんななか、「海外旅行の経験がある人材」の紹介に特化した就活・転職サービスが「旅人採用」。

 インタビューの前編はサービスが立ち上がるきっかけについて聞きました。後編となる今回は同サービスを運営する株式会社ダイブのマネージャーである田村彰康さんに海外旅行で身に付けられるスキルや、ご自身の体験談を語っていただきました。
アフリカで人生論の授業を開講
――今まで「旅人採用」の登録者で特に印象に残っている方はいますか。

田村彰康(以下、田村): 3か月間アフリカのタンザニアに滞在していた方がいました。

 現地の高校に赴任して教育活動に従事していた方で、「ただ教えるだけでは勉強が将来どのように役立って、未来の成功にも影響することを伝えられない」というのが課題感としてあったようで、タンザニア現地のエンジニアや医者といった、勉強したうえで今の功績を生み出した方々を招いてセミナーを開催したり、キャリアパスとか人生論などを伝える座学の授業を行ったようです。

 勉強だけでは、どんなゴールが待っているのかが見えてこない。そういった課題を解決したいという思いを胸に、3か月の滞在期間をやりきったようです。初めての国で、何もコネクションがない中、ほとんど一人でやりきったのはすごいとしか言いようがないです。主体性の塊のような人ですよね。そういった方が国内で転職するためのお手伝いをするのが「旅人採用」です。
将来は起業という人も多い
――「旅人採用」の登録者には将来起業を考えているような方も多いのでしょうか。

田村:自分でやりたいことがあったとして、それを貫くために1年目から3年目のキャリアを描いている人は多いです。お金儲けだけのビジネス観ではなく、世の中にいいサービスを生み出したい。その想いを叶えるために、必要な能力を身に付けることを意識している方は多いですね。そういった学生は必然と起業も視野に入ってきますね。

 すでに取引している企業の中で、旅人の可能性に共感頂き「幹部候補」の採用ポジションを新卒から用意してくれる企業もあります。幹部候補だと裁量もあり、経営に近いポジションで働けるので、上昇志向の高い学生の希望ともマッチしやすいかと思います。
ヒマラヤ山脈で幸せについて考えた
――旅で得られた経験を元にして、「起業家マインド」に目覚める人も多そうですね。

田村:よくお話しするのは、旅をすることは「メタ認知(※自分を客観的に認知する能力)」に繋がるということです。旅を通じて視野が広がり、自分に何ができるかが見えてくる。何なら起業家の方の中にはメタ認知は海外経験でしか育めないと言い切っている人もいるくらいです。

――田村さん自身、世界一周を経験なさっているそうですが、メタ認知について実感したことなどはありますか。

田村:ネパール滞在時に考えさせられる出来事がありました。ヒマラヤ山脈でトレッキング(山歩き)をしていたんですけど、小中学生くらいの子どもが物資を運ぶ仕事をしていて4000メートルくらいを往復していました。

 僕らがひいひい言うような過酷な状況でも、その子たちは平気でこなしている。しかもすごく明るくていい顔をしているんですよ。それを見たときに自分の姿とか、日本の姿を重ねたり、幸せって何なのかを考えたりしましたよね。

 日本だと幸せは未来にあるみたいな見方が主流だと思うんですよ。例えば、いい家に住んで、いい給料をもらって、いい物を食べてみたい。でもそれは今を頑張らないと手に入らないという。幸せは未来にしかないみたいな感覚が強い気がします。
自分が働く理由をきちんと説明できる
田村:でも世界一周を経てみると「すでに幸せだ」というように捉えられるようになりました。幸せは探すものではなくて、感じるものだと思うようになりました。僕はそのことを「幸せの沸点をコントロールできるようなった」と表現しています(笑)。

 例えばですが、先進国と比べたら日本のインフラはすごく整っていて日本の温かいシャワーを浴びただけで、「インドの冷水シャワーは大変だったな」と思い出し、ホットシャワーを浴びているだけで幸せな気持ちになれたりします。

――御社の他のスタッフも旅経験豊富な方が大半を占めているようですね。

田村:皆ポジティブマインドがありますね。あとは自分が働く理由をきちんと説明できる人が多いです。それは簡単なようで、とても難しいことだと思うんですよね。また多様な価値観を理解している分、協調性があって建設的な話ができます。
持ち運び可能なスキルがあればどこでも働ける
――働き方改革が叫ばれ、場所を選ばない働き方を推進する企業が増えてきていますが、どうお考えでしょう。

田村:最近は海外でリモートで働きたいという人も増えてきていますよね。そのためには「自分の名前で働く」こういった表現をしています。

 具体的には、営業力、マーケ力、デザイン力など自立したスキルを身に付けようと話をしています。そういった自立したスキルを身に付けるには、大手よりも裁量や業務領域の広いベンチャーの方が早く身に付くかと思っております。
今後必要なのは外国人向けのサービス
――他社の就活・転職サービスで特に注目しているものなどはありますか。

田村:高卒専門のサービスがありますよね。履歴書だけでは語れないみたいなところが強みなあたりは、方向としては僕らの世界観と近しいと感じています。

 あとは外国人雇用に関連するサービスが必要になってくるのではないでしょうか。日本の労働人口が減少していっているのもありますし、国内の労働環境がグローバル化することで、外国人の価値観から学ぶべきこともたくさんあると思うので今後活発になっていけばいいと思っています。

――最後に20代の若者にメッセージをお願いします。

田村:僕たちは旅の経験が社会にも活きるということを証明することで、旅に行く人が増えていけばといいと考えています。今の若者に伝えたいのは「自分らしく生きる」見つけてほしいですね。

 そのヒントとして、とにかく何事にもやってみてほしいです。実際にやってみて、「好きだ」「苦手だ」と判断材料が増えてくるので、行動量の多い人の方が「自分らしく生きれる」を見つけている人が多いように感じます。だからこそ、若いうちに旅を経験してほしいですね。

<取材・文/目黒川みより>
bizSPA!フレッシュ 編集部

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