Source:https://www.asahi.com/articles/ASP7N7QW9P79UHNB001.html
新型コロナウイルスで医療が逼迫(ひっぱく)するネパールの病院に小型のX線装置を贈るため、群馬大学付属病院(前橋市)で研修中のネパール人医師が奔走している。在日ネパール人らの寄付だけでは費用が足りず、日本人にも支援の輪が広がっている。
医師はスマン・シェスタさん(34)。2015年にカトマンズから来日し、群馬大大学院で博士号を取得。付属病院で放射線診断と核医学を研修している。
ネパールではコロナが猛威を振るう。カトマンズから西に約700キロ離れたインド国境近くのアッツァム村のバヤルパタ病院は重症患者も多い。インドに働きに行く住民も多く、インドで見つかった変異株(デルタ株)の感染者が増えているという。
医療機器も不十分で、持ち運びができる小型のX線装置があると役に立つという。病院には固定式のX線装置はあるが、歩けない重症者などには使えないからだ。
シェスタさんは「コロナで多くの人が困っている。できるだけ早く、X線装置を贈りたい」。コロナが収束すれば、肺結核の診断に役立てる。小型X線装置は充電式で背負って持ち運べるため、山間部に入って診療できる。
X線装置は、医療機器会社が大幅に値引きしてくれるが、送料を含めて費用は約200万円。ネパール人らの寄付で120万円集まったが、あと80万円ほど足りないという。
シェスタさんは週1回、前橋市内の公民館で英会話を教えている。そこに参加する日本人も寄付に協力している。元中学校長の渋川武雄さん(69)は「ネパールの医療に少しでも役に立ちたい」。エベレスト登頂などヒマラヤ登山で何度もネパールを訪れている前橋市の八木原國明さん(75)も「ネパールは第二のふるさと。協力したい」と山仲間らに呼びかけている。
連絡は、シェスタ医師(drsuman.stha@gmail.com)か、「ネパールにレントゲンを贈る会」事務局の渋川さん(090・5432・6080)へ。(柳沼広幸)
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