Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/08ef83c02e9c161a9b5c22ea13c905451b8d4b7b
配信、ヤフーニュースより
リアリティー・チェック・チーム、BBCニュース 今年3月から新型コロナウイルスの感染者や死者が一気に急増したインドは、今ではピークを脱したもようだ。しかしアジアではそのほかの国々が今、被害の悪化に苦しんでいる。 アジア地域では（一部の例外を除き）ワクチン接種率は全般的に低い。一方、デルタ変異株への懸念が高まっている。 ■感染者数の推移は 世界保健機関（WHO）は6月25日に、インドで最初に確認されたデルタ変異株を、「これまで特定された中で最も感染力が高い変異株」と呼んだ。 ネパール、パキスタン、スリランカといったインドの近隣諸国は5月に感染者が急増した（現在は減少傾向にある）。 特に被害が大きかったのはネパールで、感染者の激増によって各地の医療インフラは逼迫（ひっぱく）した。 アフガニスタンでは6月に感染者数が過去最高になった。ワジド・マジルー保健相は、首都カブールで確認される症例の6割がデルタ株に感染していると話した。 WHOはこのほど、バングラデシュ、インドネシア、タイ、モンゴルでも感染者が増加していると報告した。 各国の状況を見ていく。 ■バングラデシュ インドと長い国境を共有するバングラデシュでは、5月半ばから感染者が増え続けている。 5月25日～6月7日の期間を対象にした政府調査によると、首都ダッカで確認された感染者の68％がデルタ株に感染していた。 デルタ株の威力を懸念した政府は、全国的なロックダウンを実施した。 ロックダウンを前に、ダッカで働く出稼ぎ労働者の多くが地元へ移動したため、今後は首都以外でデルタ株が広がる可能性がある。 ワクチン接種事業の開始は比較的早かったものの、なかなか進まず、4月には一時中止を余儀なくされた。 バングラデシュ政府は、インドから調達したアストラゼネカ製ワクチン160万回分を国民に接種した。しかしその後4月に、インドがワクチンの輸出を停止した。 バングラデシュ政府は中国から寄付されたシノファーム製ワクチンの接種と、限定的ながら6月22日に開始した。 6月30日の時点で、2度の接種を終えた人は人口の3％未満。 ■インドネシア インドネシアも7月20日まで国の一部でロックダウンを実施している。 6月初めから感染者と死者の数が増え続けており、政府はデルタ株が原因だとしている。 保健省によると、過去3週間で陽性が判明した人の6割近くが、デルタ株に感染していた。 ワクチン接種のペースは上がっているものの、接種を終えた人は人口の5％に満たない。 ジョコ・ウィドド大統領は、1日100万回接種を目標として掲げ、8月までにそれを倍増するとしている。 国際赤十字・赤新月社連盟はこのほど、病床と医療用酸素の供給について懸念が急激に高まっており、状況は破局寸前だと警告した。 ■タイ タイ保健省の医療科学局によると、国内でこのところ感染者と死者が増えているのは、部分的にはデルタ株の影響だという。 今月初めに同局は、首都バンコクで1週間の間に報告された感染者の26％がデルタ株に感染していたと発表した。 最近では、観光業復興のため外国人観光客の受け入れを再開した人気リゾート、プーケット島などでも、デルタ株が見つかっている。 しかし、タイでは6月末の時点でワクチン接種を終えていたのは人口の約4％だった。 プラユット・チャンオチャ首相は最近、外国人観光客の受け入れについて報道陣に質問され、リスクはあると認めつつ、「タイ国民が今後も生計をたてられるよう、リスクを受け入れなくてはならない」と答えた。 ■モンゴル モンゴルではワクチン接種を完了した人が人口の5割以上と、接種率は比較的高い。そのほとんどは、中国のシノファーム製ワクチンを受けている。 政府はかねて、国民に「COVID-19のない夏」を約束していた。 しかし、人口規模で比較するとモンゴルの最近の感染者・死者の急増はアジアでも特に高い。 中国製ワクチンに大きく依存した国と、感染者の急増には、相関性があるのではないかという指摘も出ている。 しかし、モンゴル政府関係者は6月に、感染者・死者が増えているのはロックダウンを解除したからであって、中国製ワクチンが効かないからではないと発言した。 インドネシアで使われるワクチンの85％以上は中国製だが、シノヴァック製ワクチンを2回受けた医療従事者が10人以上死亡したという報告もある。 インドネシアの感染症専門家たちは、シノヴァック製ワクチンがデルタ株にどれくらい有効なのか調査している。 3回目の注射、つまり追加接種が必要なのかどうか、現在インドネシアで議論されている。ただし、WHOはまだこれを推奨していない。 WHOはシノヴァック製とシノファーム製の両方について、緊急使用を認めている。 （英語記事 Delta variant: Which Asian countries are seeing rising cases？ ）
(c) BBC News
0 件のコメント:
コメントを投稿