Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/2ceebf51b0b366f651fee0a0b3f0db57e8471489
配信、ヤフーニュースより
コロナ禍の生活が長引く中で、広島県内の外国人労働者は日本人以上に厳しい状況に直面しています。従業員とその家族、雇用を守ろうとする経営者が今、懸命の努力をしています。 広島市南区の商業施設にあるインド料理店「ビュッフェレストラン・モナール広島店」。この店で働く従業員5人の内4人がネパール人です。彼らが作るのは本場のネパール料理。数種類のカレーとネパールの家庭料理が食べられ大人から子供まで人気の店です。 オーナーの小林弘治さん。去年3月、店の経営を引き継ぎました。その途端、新型コロナが猛威をふるいました。 【ファストフリー・小林弘治社長】 「最初の内はすぐ収まるかなと思っていたのが正直なところです。ただ、いきなりゴールデンウィーク前から店が休みになって、5月の20日あたりまで休みだった」 店の売り上げは例年の6割ほどに落ち込みました。苦しい経営の中、コロナ禍でも店を存続させるにはどうすればいいのか?小林さんはネパール人の従業員に対する責任を感じていました。 【ファストフリー・小林弘治社長】 「(就労ビザが)コックの免許で日本に来てますから、雇用をやめてしまうと、家族もつれて来ています。一緒に日本から(ネパールへ)帰らなければならなくなるので何としても雇用は続けていかなければならないと感じました」 広島県内で働く外国人労働者の数は去年10月現在でおよそ3万8000人。過去最高を記録しています。 国籍別ではベトナムが全体の38%を占め、次いで中国がおよそ23%となっています。 産業別では、製造業が46・5%と最も多く人数にすると1万8000人あまりいます。コックのビザで日本に入国しているネパール人の従業員たちはコック以外の仕事はできません。 今の仕事がなくなればコロナ禍の飲食業界で他の仕事が見つかるとは思えない。従業員たちを思う小林さんの苦悩は尽きません。 マハラジャさんは広島市内で奥さんと子供2人の家族4人で暮らしています。中学3年生のアズ君は地元の中学校に通い、サッカー部に所属しています。長女のイヴァさんは今年、中学校に入学しバレーボールを始めました。 【マハルザン・イヴァさん】 Q:日本とネパールどちらがいい。 「日本」 Q:日本で進学したいと思う? 「そこまでは考えていない」 コロナ禍での生活はまもなく1年半になろうとしています。マハラジャさんは今、大きな不安を抱えています。 【マハルザン・マハラジャさん(35)】 Q:何が一番心配ですか? 「今はコロナがあるので、仕事も今、みんなの仕事で給料も下がっている。それが今、一番心配」 外国人労働者とその家族。店の将来に多くの人の人生がかかっています。コロナ禍で客が減少する中、小林さんはあるアイディアを思いつきました 【ファストフリー・小林弘治社長】 「待っていてもなかなかお客は来てもらえないというところを考えて、新たな分野でここで作ったものを何とかよそで売ることが出来ないかと考えて、キッチンカーをスタートしようと考えました」 待っていても来ないならこっちから行けばいい。今月1日から東広島市でキッチンカーを使った営業を始めました。 【ファストフリー・小林弘治社長】 「ある程度、一人の給料だけでも稼げればと思って始めましたので、そんなに大きくたくさん売れなくてもいいかなという部分があって、」 本当にお客さんが来るのか不安が募ります。 キッチンカーを担当するのはラビンダラさん。日本に来て5年目。奥さんと子供2人は、いまもネパールで生活しています。 キッチンカーで販売するのはキーマカレーとグリーンカレーの2種類。価格はワンコインにこだわった税込み500円です。 店で作ったカレーを冷凍し、車で最終的な調理をしてテイクアウトで販売します。種類は2種類ですが、辛さは注文に応じて調整できます。 お昼過ぎ、お客さんがやって来ました。道路わきのキッチンカーはやはり気になるようで…。 【お客さん】 「ここよく通るんです。タイ料理とかが好きで辛い物が食べたいので、1回は食べてみないと」 Q:きょうが初めてですか? 「初めてです」 Q:気になっていましたか? 「気になっていた。めっちゃ気になっていた」 スタートして2週間。販売数はまだ、1日、30食から40食ですが、徐々にお客さんも増え始めました。リピーターもいるといいます。本場の味に加えて、ラビンダラさんの人柄も人気のひとつです。 【ラビンダラさん】 「ありがとうございました。ゆっくり食べてください。またのご来店をお待ちしています。ありがとうございました」 日本で働く外国人労働者たち。いまや労働を担うだけの人材ではなく大切な隣人として社会に溶け込みつつあります。彼らもまた、日本で働くことに大きな期待を持っています。 【ファストフリー・小林弘治社長】 「最初にマハラジャさんと話をしたときに、日本がいいかネパールがいいか聞いたことがあるのですが、子供たちのことを考えたら日本がいい。日本は素晴らしいと最初に言ってくれた。そう思って日本に来ている彼らなので、日本にずっと居て欲しいという想いがあるので、我々はちゃんと雇用を続けていきたいというのは私の想いではあります」
広島ニュースTSS
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