Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/5f21f367663cf5ed164b6e7359b6064529faecdf
シャイで人間から気付かれず インド北東部にあるマナス国立公園で、世界最小のイノシシであるコビトイノシシの群れが自然へ返された。背丈約25センチ、長さ約60センチ、重さ7~9キロと小柄なコビトイノシシは、インドやネパール、ブータンにまたがるヒマラヤ山脈の草原地帯でひっそりと暮らしていた。だが、現在その生息数は400にまで減少し、絶滅の危機に瀕している。 【画像】世界一小さいイノシシ奇跡の復活 そこで、この小さなイノシシの絶滅を食い止めようとインドで発足されたのが、コビトイノシシ保護プログラム(PHCP)だ。マナス国立公園では、昨年も14頭が放たれている。インド紙「タイムズ・オブ・インディア」によれば、今回の12頭を合わせて計142頭のコビトイノシシが、PHCPによって自然に戻されたことになる。 英「デイリー・メール」紙によれば、コビトイノシシに関する記載が初めてされたのは、1847年のこと。小さいだけでなく、シャイな性格から人間に目撃されることはあまりなかった。しかし、農業の発展に伴い草原が消滅するにつれ、彼らは住処を失った。 そしてついに1990年代初頭には、その大半が地球から消滅したと思われた。だが幸いにも1971年に、コビトイノシシの存在が再び発見される。そこで1996年に、前述のPHCPが6頭の野生コビトイノシシを捕獲して、繁殖計画に取りかかったのだ。 また、米「ナショナルジオグラフィック」誌によれば、このプログラムにインスピレーションを受けたほかの科学者たちも2008~2020年にかけて、アッサム州にある2つの国立公園と2つの野生動物保護区で130頭のコビトイノシシを放っている。 PHCPでフィールド・サイエンティストを務めるドリティマン・ダスはこう話す。 「今後4年間で、60匹のコビトイノシシを自然に返すことを目標にしています。そうすれば、彼らは自力で個体数を増やすことができるでしょう」 さらに同プログラムでは、彼らの生息地となる草原の再生も目指している。この恥ずかしがりで小さなイノシシたちが、再び安心して暮らせるようになる日はもうすぐかもしれない。
COURRiER Japon
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