Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/ea06f9277a65ba3347255362e4a20431ca65036c
配信、ヤフーニュースより
高齢化が進む中県の試算では3年後の2025年に県内で介護職員が4000人不足するとみられています。そうした深刻な担い手不足を解決しようと介護士を目指す外国人留学生が通う“養成所”を取材しました。 日本で就職すれば豊かな暮らしが待っている。留学生は家族を支えるため…夢を抱いて異国の地へやってきました。 JR新潟駅から歩いて5分のところにある日本こども福祉専門学校です。外国人留学生のみが在籍するこの学科・・・去年4月に開設しモンゴルやベトナムなどから訪れた留学生38人が在籍しています。日本語学校と合わせて3年間学び介護福祉士の国家資格を目指すいわば“介護の養成所”です。 【ネパール人留学生・プラティマさん】 「貯金して家族にお金を送る。就職していい介護士になるため、がんばっています」 ネパールから来たプラティマさん、23歳。授業では「日本語」や「介護の実習」など即戦力として働くためのスキルを身につけます。 漢字も出てくるテキスト…内容を理解するのは楽ではありません。 <授業でのやりとり> 講師)「“軸”」 留学生)「じく?」 講師)「わかった?軸」 留学生)「わからない…」 「軸」という意味をどう伝えればいいのか…指導するほうも、ひと苦労です。 片方の足が不自由な人を安全に車いすへ移動させる際“体の軸”を意識した介助が必要となるのです。 【ネパール人留学生・プラティマさん】 「車いすに乗るとき前側の足がケガしないように気をつけることが難しい」 急速に進む「少子高齢化」。厚生労働省によると団塊の世代が後期高齢者となる3年後の2025年、介護職員が全国で32万人不足するという試算があります。 県内でも3年後には介護職員が4000人不足するとみられています。 人材不足が深刻化する介護現場・・・上越市の特別養護老人ホームでは外国人の職員を採用しているほか移動を補助する機械を導入するなど対応を進めています。 【特別養護老人ホーム・悠久の里 施設長 関原礼敏さん】 「いまの職員の態勢を維持していくとなると既存の地域の方々ではどうしても間に合わない。外国人の方が少しずつメインに変わってくるのかなと思います」 求められる外国からの労働力…一方で、技能実習生や経済連携協定(EPA)などで来日し、すぐに介護の仕事に就く場合、言葉や文化の違いで挫折するケースも少なくないといいます。 このため人材不足であっても外国人労働者を敬遠する施設もあるということです。 そこで、こちらの専門学校では留学生の就職先となる介護施設と連携…ミスマッチをできるだけ減らすため就職する予定の施設でアルバイトとして経験を積みます。 【日本こども福祉専門学校 佐々木昌仁さん】 「介護の業界は、ロボットとかAIではできない手のぬくもりやコミュニケーション力が非常に問われる職種だと思うので、ここ(専門学校)に3年かける価値や意味はあるだろうと思っています」 留学生のプラティマさん。同じくネパールから来た留学生の女性と2人でアパートで暮らしています。友人を招いての夕飯づくり。 日本でも、ふるさとの味は欠かせません。作るカレーは毎日2種類から3種類…国民の多くがヒンドゥー教徒のネパールでは牛が“神”とされているため牛肉は食べません。 来日から3年。アルバイトをして生活費を稼いでいますが就労ビザではないため週28時間まで…ネパールの平均月収の3倍にあたる月に9万円から10万円を稼いでも家賃や食費、スマホ代に加え学費の一部をまかなうので精一杯・・・家族に仕送りするお金はほとんど残りません。 友人たちと過ごすひと時が何よりのリフレッシュの時間です。プラティマさんたち留学生は来年1月に「介護福祉士の国家試験」を受験します。本番まで半年…「受験対策の授業」も増えてきました。 日本語の複雑さに直面する日々…試験対策はもちろん、実際に介護現場で働くためには正しい理解が求められます。 中には、こんな授業も… 施設の利用者も趣味で行う“習字”日本の文化に触れることで距離を縮めようという狙いです。 思い思いに筆を走らせる留学生たち・・・。書いた文字は? <留学生は> 「私は『合格』来年の国家試験に合格したいと思ってましたから」 「『成功』です。これからいろいろなものをするときは頑張りたいです」 前向きな言葉が並ぶ一方、不安を気持ちをつづる留学生も。 <ネパール人留学生は> 「1週間ぐらい実習をやったんだけどあんまり利用者さんと合わないかもしれないと思って、やると慣れるかもしれないんだけどやったことがないからちょっといま大変だと・・・」 言葉や環境の違いに戸惑いながら介護を学ぶ日々。新型コロナの影響で帰国はできずにいますが、遠く離れた家族はテレビ電話でいつも背中を押してくれます。 【プラティマさんの父・スーリヤさん】 「新型コロナのときはとても心配しました。でも頑張る娘を信じて いつも無事を祈っています」 【ネパール人留学生・プラティマさん】 「日本に来るときにはいっぱいお金がかかったんですね。だから自分もお父さんのためにお金を貯金して送ってあげたいだから、いま頑張っています」 深刻な担い手不足という課題を抱える介護現場。日本の介護の未来を異国の若者たちが担おうとしています。
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