Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/5c00c883cd40f5e2c7b95520979dd561caa5249f
【列島エイリアンズ】カモられる外国人編(4) 「面接受け放題」をうたい文句に、就職活動中の外国人から登録料を徴収していた都内の就職支援団体A。この団体に対し、インターネット上では「契約不履行」の被害報告が多数寄せられていた。さらにこの団体は、就職希望者だけでなく、採用希望の企業に対しても違法な勧誘を行っていたことが判明した。 団体Aの営業担当者から外国人人材の斡旋を持ちかけられた建築会社経営のS氏の話。 「単純労働とされている現場作業員の場合、外国人は就労ビザを得ることができず、フルタイムで働ける外国人作業員としては技能実習生を雇用する方法しかない。その技能実習生の来日がコロナ禍でストップしてしまい、われわれの業界は人員確保が難しくなった。しかし、(団体)Aの営業担当者は『外国人作業員を雇用する裏技がある』と豪語していました。『CAD(※設計や製図に使われるソフト)技術者として雇用するなら労働ビザが下りる』と」 S氏が続ける。 「で、採用することになったら1人当たりの成果報酬は15万円ということでした。ただ、うちはCAD業務は扱っていないんです。そのことを伝えると営業担当者は『扱ってなくても自己申請で問題ない。よそもみんなやってますよ』と言い放つんです。事実と異なる業務で就労ビザを申請することが、入管法違反であることは私でも知っている。すぐに『そんなことはできない』と突っぱねました」 それでも団体Aの営業担当者は食い下がってきたという。 「『だったら採用しなくてもいいから面接だけでも受けてやってほしい』と言うんです。『コロナ禍で面接すら受けられない外国人の就職希望者が大勢いる。彼らに希望を持たせてやってほしい』と。しかし、採用できないにもかかわらず、わざわざ期待させて面接に来させるのも酷な話です。今思えば、『面接受け放題』で登録料を取った外国人留学生に、形だけの面接を受けさせることを目的に、うちを利用しようとしていたんです」 就職希望の外国人と人材不足にあえぐ企業をともに食い物にする団体A。筆者が取材を申し込んでみると…。 1都3県に住む外国人は120万人とも言われ、東京は文字通りの多民族都市だ。ところが、多文化共生が進むロンドンやニューヨークと比べると、東京在住外国人たちはそれぞれ出身地別のコミュニティーのなかで生活していることが多い。中韓はもとより、ベトナム、ネパール、クルド系など無数の「異邦」が形成されているイメージだ。その境界をまたぎ歩き、東京に散在する異邦を垣間見ていく。境界の向こうでは、われわれもまたエイリアン(異邦人)という意味を込めて。 ■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき) 1980年、愛媛県出身。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国で現地取材。2008年に帰国後、「国家の政策や国際的事象が、末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに取材活動。16年「週刊SPA!」で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論され、健康保険法等の改正につながった。著書に「ルポ 新型コロナ詐欺」(扶桑社)など。
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