2022年7月21日木曜日

世界の野球 "世界の野球"ヒマラヤを北に望む国ネパールの野球「第4回世界野球ソフトボール連盟総会」

 Source:https://www.japan-baseball.jp/jp/news/press/20220720_1.html

2022年7月20日、Googleニュースより

文・写真=NPO法人日本アジア球友団ラリグラス(小林 洋平)

 これまでのコラムでも述べてきたが、最近のネパールではコロナ禍や国家スポーツ評議会の混乱から、野球を含めたスポーツ界全体が活動の停滞を余儀なくされていた。しかし、ここへ来てそういった問題も落ち着きを見せ、6月にはネパールにおけるサッカーの統括団体である全ネパールフットボール協会(All Nepal Football Association)の役員選挙が行われるなど、ネパールのスポーツ界も再び動き始めている。

 一方、世界に目を向ければ、去る7月3日から5日にわたり世界野球ソフトボール連盟(WBSC)およびアジア野球連盟(BFA)の総会が台北で行われた。総会は2年に1度行われ、本来であれば昨年開催される予定であったが、コロナ禍により今年に延期されていた。また、台湾ではコロナ感染防止のために入国にあたっての厳格な水際対策が行われているが、今回の総会では、台湾の関係省庁や自治体との調整により、東京オリンピックでも使われた「バブル方式」が特例として採用された。そのため、各国からの参加者は空港到着後に専用車両で会場のホテルに直行、総会の期間中は外出を禁止された状態での参加となった。

 総会にはネパールからネパール野球ソフトボール協会のディパック・ネウパネ事務局長およびビベック・スベディー氏が参加した。ディパック・ネウパネ事務局長はこれまでにもWBSCやBFAの総会に何度か参加していることから各国からの参加者とも顔馴染みで、今では国際舞台でのネパール野球の顔としての役割を担う人物となっている。

 WBSCの総会では7月5日に役員の選挙も行われ、会長にリカルド・フラッカリ氏が再選されたほか、副会長には中華台北野球協会会長の辜仲諒(ジェフリー・クー・ジュニア)氏が新たに選任された。また、WBSCの総会に先立って7月3日には、アジア野球連盟の総会でも役員選挙が行われ、辜仲諒氏が新たに会長に選出されるとともに、全日本野球協会会長の山中正竹氏が副会長に再任された。

 辜仲諒氏はWBSC副会長就任にあたり「世界でのWBSCの役割は不可欠である。今後、野球やソフトボールが世界に普及することで、諦めない精神と精進する精神を広め、スポーツを通じた社会の融合を促進し、民族紛争を無くし、より公正で健康的で平和な環境作りに貢献したい」と述べている。辜仲諒氏の言葉は「スポーツの力」に言及したものとして捉えることもできる。私たちもこれまで野球というスポーツの力でネパールとの交流やネパールのより良い社会づくりに貢献できればとの思いで活動を続けてきたので、辜仲諒氏の言葉には大いに共感できるところがある。

 また、今回のWBSC総会では、新たにブータン、ブルガリア、カーボベルデ、ラオス、サウジアラビア、トンガの加盟が認められた。一緒に世界の野球を盛り上げていく仲間が増えていくことは嬉しい限りである。ネパールも2013年に新加盟してからはや9年となるが、加盟したことでネパール野球が世界で認知されることにもつながり、交流の輪も広がっていった。今後も世界の国々とともに、スポーツの力でより良い世界作りのために貢献していく。

 今回のWBSCやBFAの総会もそうだが、野球界ではコロナ禍で停滞していた様々な活動が再開している。ネパールでも延期になっているネパール野球ソフトボール協会の役員選挙が早晩行われることになるであろう。上述のディパック・ネウパネ事務局長も「今回のWBSCやBFAの総会に参加して、長らく停滞していたものが動き出していることを実感した。ネパールでも活動を制約していたものが徐々に解消されているし、今後またネパールの野球を盛り上げていきたい」と述べている。ネパール野球も再び動き出している。

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