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全国公開中のアニメーション映画「神々の山嶺(いただき)」。柴田錬三郎賞受賞の夢枕獏の傑作小説を、フランスで絶大な人気を誇り、2011年にフランス政府から芸術文化勲章シュヴァリエを授与された漫画家・谷口ジローが漫画化した作品の映画化。谷口は残念ながら17年に他界。 【写真】『神々の山嶺』の場面カットの続きはこちら
取材でネパールのカトマンズを訪れた雑誌カメラマンの深町誠が、長らく消息不明になっている登山家、羽生丈二を目撃する。しかも羽生は、伝説的な登山家ジョージ・マロリーの遺品とおぼしきカメラを所持していた。もしもマロリーのカメラを手に入れ、そこに装填されたフィルムを現像すれば、エベレスト初登頂の歴史を塗りかえる一大スクープをモノにできるのではないか。そんな野心に駆られた深町は、謎多き羽生の悲劇的な過去を調べ始める。 やがて尋常ならざる執念で危険な山に挑み続ける羽生の人間性に魅了された深町は、エベレスト南西壁で人生最大の挑戦に身を投じようとしている羽生との対面を果たすのだが……。 本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)
■渡辺祥子(映画評論家) 評価:★★★★ 「なぜそんな危険を冒してまで登るのか」という問いに「理由などない。登りきっても歩き続けるだけ」と答える登山家の心の奥底まで照らすような山々の厳しい輝き。アニメならではの純粋な美がドラマに深みを与えている。 ■大場正明(映画評論家) 評価:★★★★ 山や天候のスケール感や臨場感から凝縮された脚本や心理描写、時代考証まで、丹念に作り込まれている。日本の風景や生活も違和感がない。主人公たちの人生が交わり、異なる意味で解放されていく姿に心を揺さぶられる。 ■LiLiCo(映画コメンテーター) 評価:★★★ 過酷な山を一緒に登った気になったほど、身体の節々に程良い筋肉痛を感じ、奇麗な星空に感動し吹雪に寒さも体感した。そうか、アニメだよねと自分に驚く。そこまで引き込まれました。この暑い夏にちょうど良い作品だ。 ■わたなべりんたろう(映画ライター) 評価:★★★★ 日本で実写映画として一度映像化されているが、今回のアニメ化のほうが成功。理由はクライミングの過酷さのディテールまでが伝わる描写力と登場人物の心理描写が精緻な点だろう。原作マンガを生かした画風なのも良い。 (構成/長沢明[+code]) ※週刊朝日 2022年7月22日号
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