2021年10月20日水曜日

アフガニスタン:全土でポリオ予防接種が再開~タリバンも支援を決断【プレスリリース】

 Source:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001826.000005176.html

ヘラートの保健センターで、ユニセフが支援する新生児医療ケアの一環として、ポリオワクチンの投与を受ける生後5日目のスラーヤちゃん。(2021年8月撮影) © UNICEF_UN0511142_Bidelヘラートの保健センターで、ユニセフが支援する新生児医療ケアの一環として、ポリオワクチンの投与を受ける生後5日目のスラーヤちゃん。(2021年8月撮影) © UNICEF_UN0511142_Bidel

【2021年10月18日 カブール(アフガニスタン)/アンマン(ヨルダン)/カトマンズ(ネパール)発】

ユニセフ(国連児童基金)とWHO(世界保健機関)は、タリバンの指導者が、アフガニスタン全土での戸別訪問によるポリオの予防接種の再開を支援する決断をしたことを歓迎します。

この11月8日に開始されるポリオの予防接種キャンペーンは、3年ぶりのもので、これまでこうしたキャンペーンを行えなかった地域に住む330万人以上の子どもたちを含め、アフガニスタンのすべての子どもたちを対象としています。また、パキスタンで12月に予定されているポリオ予防接種キャンペーンに合わせて、2回目の全国的な予防接種キャンペーンの実施も合意されています。
 

中部のウルズガン州で、ポリオ感染により麻痺の症状がある16歳の姉を持つ、ラヒマちゃんとファリッドちゃん姉妹。(2021年1月撮影) © UNICEF_UN0399568_Fazel中部のウルズガン州で、ポリオ感染により麻痺の症状がある16歳の姉を持つ、ラヒマちゃんとファリッドちゃん姉妹。(2021年1月撮影) © UNICEF_UN0399568_Fazel

2021年は、これまでに報告された野生株ポリオウィルスによる症例はわずか1件のみであり、アフガニスタンはポリオを根絶するためのまたとない機会を得ています。国内でのポリオの再流行を防ぎ、国をまたぐ感染拡大や、世界的な感染のリスクを軽減するためには、今、予防接種を再開することが非常に重要です。

ユニセフ・アフガニスタン事務所代表のエルベ・ルドビック・デ・リスは「この決断は、ポリオ根絶に向けての大きな一歩です。私たちはパートナーと共に、アフガニスタン全土のすべての家庭のすべての子どもが予防接種を受け、ポリオを完全になくすことを目指しています」と述べました。

また、今回のキャンペーンでは、生後6カ月から59カ月の子どもたちにビタミンAの投与も行われる予定です。

ポリオ根絶プログラムは、全国的な予防接種キャンペーンを速やかに実施するための準備を開始しています。これは、アフガニスタンの人々の保健ニーズに迅速かつ緊急に応えるために、国連とタリバンの指導者の間で行われているハイレベル会合の結果です。
 

カンダハールで行われたポリオの予防接種キャンペーンで、ワクチンを受けた印を小指の爪につけてもらった子どもたち。(2020年10月撮影) © UNICEF_UN0353279_Shahカンダハールで行われたポリオの予防接種キャンペーンで、ワクチンを受けた印を小指の爪につけてもらった子どもたち。(2020年10月撮影) © UNICEF_UN0353279_Shah

アフガニスタンの保健システムは、依然として不安定な状態です。感染症の症例数や死亡者数増加のリスクを軽減するために、すべての当事者は、はしかと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防接種キャンペーンを直ちに開始する必要があることに合意しました。またこれに合わせて、ポリオ根絶プログラムへの支援と、国の予防接種拡大プログラム(EPI)を通じた、命を守る他の予防接種を緊急に開始するアウトリーチ活動が行われる予定です。

ユニセフ・南アジア地域事務所代表のジョージ・ラリア・アジェイは「ポリオの予防接種キャンペーンの再開は、この地域からポリオを根絶するという共通目標の達成に一歩近づくものです。私たち全員が、予防接種キャンペーンを中断することなく進め、すべての子どもたち、特に一度も予防接種を受けたことのない子どもたちに、ワクチンを届ける必要があります。これが、アフガニスタンとパキスタンの子どもたちをこの恐ろしいウイルスから守る唯一の方法なのです」と語りました。

保健員の安全と安心は、ポリオ根絶プログラムにおいて最も憂慮すべき点です。タリバンの指導者たちは、最前線での活動への女性が参加や、ポリオの予防接種キャンペーンを実施するための必須条件である、全国の保健員の安心と安全の確保に取り組むことを表明しています。

ユニセフとWHOは、当局やコミュニティのリーダーに対し、保健・医療支援の中立性を尊重、維持し、現在そして将来のキャンペーンのために、子どもたちへ確実に支援を届けられるよう呼びかけています。

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ユニセフ「人道危機緊急募金」ご協力のお願い
世界中で起きている紛争や武力衝突、感染症の流行など人道危機に苦しむ子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「人道危機緊急募金」を受け付けております。アフガニスタンの子どもたちを含む、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるために、ご協力をお願い申し上げます。

1. クレジットカード/コンビニ/ネットバンクから
https://www.unicef.or.jp/kinkyu/humanity/2008.htm

2. 郵便局(ゆうちょ銀行)から
   振替口座:00190-5-31000/口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
 *通信欄に「人道危機」と明記願います。
 *窓口での振り込みの場合は、送金手数料が免除されます。

※ 公益財団法人 日本ユニセフ協会への寄付金には、特定公益増進法人への寄付として、所得税、相続税、法人税の税制上の優遇措置があります。また一部の自治体では、個人住民税の寄付金控除の対象となります。

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