Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/4a794bed080d034abaadaa1b3271b2033de65f08
配信、ヤフーニュースより
福岡県内には、約8万人の外国人が暮らしています。そうした中、地域に住む外国人とともに再生に取り組んでいる商店街が福岡市にあります。『吉塚市場リトルアジアマーケット(福岡市博多区)』です。そこには、多様性を認め合う社会づくりのヒントがありました。 外国人店主: 「これはヤギの肉ですね。ヤギにも種類がある。骨なし、皮なし。」 買い物客: 「この料理を食べたら、家族といっしょにいる気持ちになるので、食べたいなと思って。」 商店街には、アジア各国の料理店や輸入食材を扱う店が並んでいます。 食事に来た大学生: 「あー辛い。タイ料理に慣れるため、練習に来たんです。タイに1月から留学に行くんですよ。」 商店街はかつて、大型店の進出や高齢化で活気を失った“シャッター通り”でした。もう一度、“にぎわい”を取り戻そうと、大規模なリニューアルに踏み切ったのが、2年ほど前です。掲げたテーマは、商店街の近くに多く住むアジアの人たちとの共生です。 駄菓子屋の女性:「名前がちょっと覚えられん。」 ネパール人店主:「僕の名前ですか?クマルと申します。」 駄菓子屋の女性:「おもしろいのよ、この方。明るくって。」 商店街のみんなから「クマちゃん」と呼ばれているのは、ネパール出身のクマルさんです。新型コロナウイルスの感染拡大後、勤めていた飲食店が閉店したことから、ここに自分の店を出して、勝負することにしました。 クマルさん: 「この周辺は、アジア圏の人たちが買い物をしに来る。出店するには、いい場所なんじゃないかなと思って。」 日本人店主: 「看板ができた?いいじゃん。英語が少し分かる人間だったらいいかもしれんけど、おじいちゃん、おばあちゃんは分からんけんな。」 クマルさん: 「上の看板は、全部日本語で書き換えるかな。」 クマルさんは、商店街の空き家を改装した店で、母国・ネパールの食材を販売し、自慢のカレーを提供しています。 クマルさん: 「日本の文化を勉強しました。あとは商店街のルールとかマナーとかいろいろあるから、最初は合わせるのが難しかったです。」 商店街がリニューアルした当初は、「外国人が怖い」といった声や、「うるさい」「商店街の中を自転車で走る」などといったクレームが寄せられることもあったといいます。一方、外国人にとっても、協調性を重視する日本の文化になじめず、商店街を去った人もいました。文化や習慣の違いは、どうすれば乗り越えられるのでしょうか。 クマルさん: 「おはようございます。」 クマルさんは、『あいさつをする』、『困っている人がいれば手を差し伸べる』といった、人として当たり前のことを大切にしてきました。 助けたり助けられたり、外国人と交流することで慰められたという人もいます。 駄菓子屋の女性(81): 「私は一人だから、話しかけてくれる人がいて、楽しいから商店街に来るんですよ。お年寄りの中には、怖いという人もいる。そんなことないよ、みんな優しいよって言っている。」 クマルさんは、英語で書かれていた看板を、日本語の看板に掛け替えました。オープンから1年近くがたち、店には日本人客も、外国人客も多く訪れるようになりました。ネパール出身の学生が、助けを求めてやってくることもあります。 クマルさんは、この商店街が、外国人にとって、日本の文化や習慣を学ぶ場所になればと考えています。自分自身も来日した当初は、苦労した経験があるからです。 クマルさん: 「お互いに嫌なことがあっても、『もういいよ』とするんじゃなくて、ゆっくり長い時間をかけていくと、その間に一度どこかで同じ道になるんじゃないかなと思う。そのときにうまくいけばいいじゃないですか。」 人として守るべきことを大切にしながら、“違い”を認め合えるように。小さな商店街の模索が続いています。 FBS福岡放送では、外国人の力で再生を目指す、吉塚市場のドキュメンタリー番組を製作しました。10月30日(日)深夜1時30分から放送です。
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