Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/726d3e8f021893eecf3a4fb2de1814a939ef5dc1
「私は息子です。何の電話ですか」。コンビニエンスストアで働くネパール人の男性店員が機転を利かせ、60代の男性客の携帯電話にかかってきたニセ電話詐欺を撃退した。2013年に来日し、流ちょうな日本語で息子になりきると、相手は慌てて電話を切断。電子マネーカードを購入しようとしていた男性客を間一髪で救った。 【写真】ユニホーム姿で状況を説明するサプコタさん 10月24日午後3時ごろ、福岡県久留米市田主丸町の「ファミリーマート久留米田主丸店」。男性客は入店するなり、「5万円分の電子マネーカードがほしい」と店員に求めた。手には通話中の携帯電話。常連客の男性をよく知る同店マネジャーのサプコタ・サリク・ラムさん(30)=朝倉市=は不審に思った。高額な上、男性はこれまで電子マネーを買ったことはなかったからだ。 購入理由を尋ねると、「パソコンがウイルスに乗っ取られた。5万円分のカードを買うよう指示された」と説明した。 「詐欺だ」。通話相手に店内での会話を聞かれていると察したサプコタさんは、男性に電話を切るように依頼。直後に再び着信があり、携帯電話の画面には発信元として「米国テキサス州」と表示されていた。とっさに携帯電話を受け取り「私は息子です。何の電話ですか。どこの会社? 名前は?」と息子になりきって質問を浴びせた。相手は外国人と思われる男性の声で、片言の日本語を話していたが、サプコタさんの冷静な声を聞いて逃げるように電話を切ったという。 サプコタさんは息子を装った理由について「店員ではなく、家族だと伝えた方が詐欺相手が今後も警戒し、男性が被害に遭いにくくなると思った」と説明。男性は何度も感謝の言葉を述べ、謝礼を渡そうとしたが、サプコタさんは「これも仕事。また買い物に来て」と笑顔で辞退した。 サプコタさんは21歳で来日し、日本語学校や大学に通って日本語や文化を学んだ。アルバイト先のコンビニで妻有紗さん(28)と出会い、18年に結婚。約4年前から働く現在の店舗は、有紗さんの実家が経営するコンビニ店だ。 ◇10月にも高齢女性の被害防ぐ 勤務中は防犯などのため、利用客一人一人に目を配るというサプコタさん。10月中旬にも、携帯電話で通話しながら3000円分の電子マネーカードを購入しようとした高齢女性に声かけし、詐欺被害を未然に防いだ実績を持つ。「ガラケー(従来型携帯電話)を使う高齢者が電子マネーを買う時は詐欺の可能性が高い」と考え、特に注意しているという。 うきは署から9日に感謝状を贈られたサプコタさんは「今後も怪しい状況があったら積極的に声をかけたい」と話した。【河慧琳】
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