2020年5月14日木曜日

「3カ月無給休職に同意サインしろと…」追い出しの最前線に立たされた移住労働者たち

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200505-00036521-hankyoreh-kr

5/5(火) 12:03配信、ヤフーニュースより

ハンギョレ新聞
雇用保険に加入できず 休業給与もない  「転職回数が制限されている雇用許可制のせいで 社長の要求を断るのは難しい」
 先月中旬、京畿道始興市(シフンシ)のある繊維工場。退勤を準備していたバングラデシュ出身の労働者Aさんに、社長が一枚の紙を差し出した。「2020年4月27日から7月31日まで、新型コロナによる会社経営上の理由により会社で実施する無給休職に同意する」という文句が韓国語とバングラデシュ語で書かれていた。社長はペンも一緒に渡した。3カ月間の給料を一銭も受け取れないことに二の句が継げなかったが、結局署名するしかなかった。

 Aさんを助ける移住労働者労働組合のセク・アルマムン副委員長は4日、ハンギョレとの電話インタビューで「最近のような状況で新しい働き口を見つけるのも難しい上、雇用許可制で韓国に来た移住労働者は転職の回数が制限されており、雇用主の要求を断るのは難しい」とし、「移住労働者に無給休職を強要する事例が最近急激に増えた」と明らかにした。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の波紋が韓国国内の製造業を強打し、国内の現場の一翼を担ってきた移住労働者たちも追い出しの最前線に追い込まれている。国内製造業従事者の10人に1人は移住労働者だ。最も大きな問題は、雇用保険に加入していないケースが多いということだ。移住労働者は居住・永住・結婚移民ビザがある場合を除いては雇用保険の当然加入対象ではない。

 ここ2週間の全体休業に入った始興のあるシートベルト製造会社は、職員110人のうち30人余りが移住労働者だ。会社が政府から雇用維持支援金を受け、職員らに対し休業給与を支給しているが、移住労働者は対象から外された。雇用維持支援金は雇用保険加入者数を基準に支給されるからだ。会社労組関係者は「少しでも注文物量が入ってくれば移住労働者を先に出勤させることにした」としつつも「休業期間中は各自で持ちこたえろというやり方だ」と指摘した。

 さらに、一部の移住労働者らは雇用保険に加入しているにも関わらず、休業給与をもらえないと訴えている。危機に乗じて賃金未払いが発生しているということだ。京畿道坡州(パジュ)のあるプラスチック部品メーカーで働くネパール出身のBさんは、4月中旬に「2週間工場に出てくるな」という一方的な通知を受けた。Bさんは「社長が突然2週間休めと言い、休業給与は支給できないと言った」とし、「雇用保険にも加入しており、所得税もきちんと納めているのに、なぜ休業給与が受け取れないのか理解できない」と吐露した。

 チェ・スンヒョン労務士(労務法人「生」)は「使用者の帰責事由で休業する場合、労働者が無給休職に同意しない以上、賃金の70%を支払う義務がある」とし、「移住労働者がこのような内容をよく知らないということを悪用したものとみられる」と指摘した。

イ・ジェヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

0 件のコメント:

コメントを投稿