2020年5月14日木曜日

「こんな時こそ支援必要」 途上国での活動にもコロナの影 中断や寄付金減

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200502-00000036-mai-soci
5/2(土) 14:00配信、ヤフーニュースより
毎日新聞
 新型コロナウイルスの感染拡大により世界各国で外出や都市間での移動が制限され、海外で支援活動する日本のNGOやNPOが中断や活動内容の変更を余儀なくされている。活動資金の元になっている講演会やツアーなども中止せざるを得ず、寄付金も減る中、関係者は「こんな時だからこそ、支援が必要な場所がある」と訴えている。

 アジア各国で上水道整備事業を行うNGO「アジア協会アジア友の会」(大阪市西区)は、ネパールでの事業が新型コロナによるロックダウン(都市封鎖)によって中断した。ネパール政府は3月24日から医療機関での受診や食料購入以外の外出を原則禁止し、許可車両以外の走行も禁止している。

 ◇上下水道整備ストップ、衛生状態に懸念

 アジア協会は首都・カトマンズから北東にある農村シンドゥパルチョーク郡で日本の政府開発援助(ODA)資金を使い、約1000世帯(5000人)用に上水道と農業用水を整備している。3年計画の2年目に入ろうとした矢先の中断。ODA予算は年度ごとのため、工事が遅れた場合、職人の給与などがアジア協会の自己負担になる可能性があるという。同時に農業指導も行っていたが、スタッフが現地へ移動できないため同じく中止している。

 現地の水源は湧き水頼りで水量が少なく、衛生状態も懸念される。水道があれば手洗いもしやすくなり感染対策になるだけに、カトマンズに残るスタッフの中川寛子さん(28)は「活動ができない現状がもどかしい」と語る。アジア協会はスタッフの人件費などに充てるため講演会やツアー、チャリティーバザーを開いているが、少なくとも夏までは中止に。前年に比べ寄付金も減っており、熱田典子副事務局長は「収益はゼロに近い。今年度予算を見直さないといけない」と話す。

 フィリピン南部のミンダナオ島で、貧しい子や親を亡くした子たちの寄宿舎を運営するNGO「ミンダナオ子ども図書館」。3月からロックダウンが始まりスタッフが地域を巡回できないため、奨学生候補の調査や近隣の貧困家庭への炊き出しができずにいる。学校も休校になり、運営する寄宿舎では70人のうち60人がロックダウン前に帰省。現地スタッフの宮木梓さん(39)は「休校が長引けば、結婚や妊娠で学校を中退する奨学生が出てくるかもしれない」と心配する。

 ◇ロックダウン下での支援始まる

 ロックダウン下での支援も始まっている。フィリピン北部のスラム街や農村で給食や教育支援をしているNPO「アクセス」(京都市伏見区)は地元自治体から特別に許可を得て、ロックダウンや休校の影響で給食がなくなった約200世帯に現金と豚肉1キロを配って回った。これまで活動地域を訪問するツアーを実施して資金を捻出していたが、2、3月に予定していたツアーは中止に。夏休みの実施も難しい状況だといい、野田沙良事務局長は「資金繰りは厳しいが、食べる物にも事欠く人々を何とか助けたい」と話す。【柴山雄太】

 ◇各団体のホームページ

NGOアジア協会アジア友の会 https://jafs.or.jp/

NGOミンダナオ子ども図書館 http://www.edit.ne.jp/~mindanao/mindanews.htm

NPOアクセス https://access-jp.org/

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